何となしに向けた視線が彼と合わさり、そのまま真っ直ぐと絡んで離せなくなった。
その事にドクン…ッ、と鼓動を高まらせていると、途端此方を見つめる視線が柔げに細められて甘やかな色が宿る。
そんな彼の目を見つめて、「嗚呼、今、私の一等好きな目と表情をしている。」と胸の内で思い、此方の目も感化されたみたいに蕩けてとろん…っ、としたものになる。
自然と口許が緩められるのも、最早必然といった流れだ。
甘く細められた目が一瞬仄昏く見えたが、次に瞬きをして見た瞬間にはギラギラと獣染みた光が宿っていて。
気付いた時には、あっという間に距離を詰められていて唇を奪われていた。
次いで、首筋へと唇は下りて、じゅぅ…っ、と音が鳴るくらいには強く吸われて痕を付けられた。
その上を更に舌を這わされて、瞬く間に呼吸を乱され、腰砕きにされる。
本当、彼を目の前にすると呆気なく体裁を崩されるから悔しくて堪らない。
だけども、彼に愛される事自体は嫌じゃないし、優しく触れられるのも酷く激しく乱暴に扱われるのも好きだから許してしまう。
惚れた相手には甘くなってしまう自分が、偶にどうしようもなく思えるけれど、別にそのままで居ても良いのかなぁと思えてしまうからまこと不思議だ。
執筆日:2020.08.19