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僕の愛しのPuppyパピー



ガチャン…ッ、と扉が開く音がしたから、何処かへと出掛けていた彼が帰ってきたのだと思って、玄関へ出迎えに行った。


『お帰り、まーくん。今日は長めのお散歩だったね……って、どうしたの其れ!?至るところ傷だらけじゃない…っ!!もー…っ、また誰かと喧嘩したのぉー?あんまり怪我ばっかしてると、その内本当に命に関わるようになるかもしれないから気を付けなって忠告したばっかだったのに…聞く耳持たないんだから。…ったく、ほら早くこっち来て傷見せな。手当てしてあげるから。』


お散歩から帰ってきたまでは良かったが、何時ぞや見たばかりのボロボロな姿で帰ってきた我が家の御猫様。

元々彼は出逢った時から傷だらけの身であったが、散歩という名のパトロールに出掛ける度に何処からかで傷をこさえて帰ってくるのだ。

こう毎度毎度喧嘩して帰ってこられる身としては、幾ら心臓があっても足りない程に肝が冷える。

まぁ、怪我して弱っている彼を拾ったのからが始まりであるだけに、もう慣れてしまったものだが。

やはり飼い主としては、心配が絶えないところだ。

彼が玄関先から動き出す前に先に動いて、傷の手当て用にすぐ其処の位置に置いてあった救急箱を取って、治療用キットを取り出す。

あまりにも彼が怪我ばかりして帰ってくるから、何時でもすぐに使えるようにしてあるのだ。

其れから必要な道具をテキパキと取り出していっていると、未だ玄関先から動かぬ様子の彼に気付き、再度声をかける。


『ほーら、何ぼーっと突っ立ってんの…?早くこっち来て傷見せなさい。手当てするよ。』


帰ってきてからずっと無言を貫き通している彼に、そう声音柔げに言うと、漸くその場から動き始める様子を見せた。

乱雑に適当に靴を脱いで、ペタペタと裸足で廊下を歩いてくる。

そして、私が用意した治療用ベッドに腰掛けると、此方を見上げて無言で視線を向けてきた。

今日は一段と静かな様子に、内心首を捻りながらも、もしや喋る気力も無い程酷い怪我でもしたのだろうかと考えてしまい、つい眉間に皺が寄ってしまった。


『取り敢えず、ザッと見でも大分酷く傷だらけなのは分かったから、全体の傷確認して診るのに服邪魔だから脱いで。上だけで構わないから。もし自分で脱げないようなら私が脱がすけど…どうする?』
「…………。」


場合によっては、腕骨折してて動かせない、なんて事もあるだろうから一応そう声かけをしたが、返事を返さぬものの自分から脱ぎ始めた様子を見るに、どうやら腕を動かせない程の大怪我はしていないようである。

其れに一先ず安堵して、彼が着ていたYシャツの釦を外し終わるのを待つ。

その段階で、所々破けて切り裂かれたような跡が残る袖口や脇腹付近を見て、大方の傷の位置や程度を予測する。

彼が上を脱ぎ終えたら、そのボロボロになって使い物にならなくなった服を受け取って、すぐ側に置いてあった椅子に引っ掛けといた。


『んじゃ、此れから傷の手当てしていくけど…痛かったら痛いってちゃんと言ってね?優しめにするから。』
「………ん…。」
『じゃあ、まず止血と消毒からだね。先に腕からやっちゃうから、腕出して。』


口は閉ざしたままだが、漸く此方の言葉に返事を返してくれるようになったのにまた安堵し、腕の傷を消毒してやりながら傷の具合を見遣る。

たぶん、仲間内に強く引っ掻かれたんだろう。

鋭い物で切り裂かれた皮膚はパックリと切れていて、其れなりに深そうであった。

まぁ、直接縫うレベルではないので、今有るキットで間に合うだろう。

早いとこ止血してやりたいが、まずはとにかく消毒だ。

躰の至るところに傷を負った彼の傷口付近を清潔に保つ為、消毒液に浸したガーゼをピンセットで摘まみ、ちょんちょん、ぽんぽん、と優しく拭っていく。

傷の消毒をしていく傍らで、彼の躰に刻まれた幾つもの古傷の数々を眺める。

ほとんどが掠り傷のように塞がって痕が残るだけだが、中には深く切り付けられたんだろう、見るに痛々しい生傷の痕も見受けられた。

そんな傷だらけの姿に、私は無意識にまた眉間の皺を深くして見つめていた。

その視線が気まずいのか居た堪れないのか、此方とは目を合わせぬように目を逸らす彼の反応が如何にもらしくて少し微笑ましい。

別に、彼の躰が傷だらけで綺麗じゃない事に対しては特に何も思っていないし、咎める事も無いのだが…強いて言うならば、此れ以上の酷い傷はこさえてきて欲しくないというものだ。

だって、彼が傷だらけのボロボロになって帰ってくる度に肝を冷やすのだ。

そんな嫌な感覚を毎度味わう身にもなってくれ。

万が一が起こった時、どうしたら良いのかが分からない。

場合によっては、命に関わるかもしれないのだ。

だから、あまり喧嘩はして欲しくないのが本音だが…彼等半獣人への人種差別が無くならない限りは土台無理な話だろう。

完全な人でもなく獣でもない半端者は、理解の無い人間から酷い差別と扱いを受け、蔑まれるのが今の世の中の情勢だ。

何時かは改善される日は来るのだろうが、今暫くはまだ先の事になるだろう。

其れまでは理解ある者達の下、保護を受け、密かに慎ましく生活していく他無い。

そんな事を胸の内で考えている間、彼は無言でチラチラと私の事を見ていたのだった。

私は其れに気付かず、黙々と作業を進めていく。

一通りの傷の消毒を終えると、一旦一息吐いて顔を上げる。


『ふぅ…っ、取り敢えず主な傷の消毒は終わったよ。顔も少し切れてるみたいだから、そっちも消毒していくけど…良い?』
「……ん。」
『顔の方は比較的小さな傷だし、深さも浅いみたいだから安心した。此れなら治りも早いでしょうし、すぐに良くなるでしょうね。切れてるのが右頬と眉付近の額なのは分かりやすいけど…口端か口ん中も切れてる?顎まで血が伝った跡付いてるから。』
「……口ん中は中で近いが…どっちかっつーと唇切っちまったっぽい…。思った以上に深く切れたのか、めちゃくちゃ血が出て口ん中不味い…。」
『えぇ…っ、大丈夫なの?其れ……。っていうか、もしかしてそのせいで帰ってきてからほぼ無言だったの?』
「…まぁ、地味に痛かったしな…。」
『じゃあ、無理して喋らなくても良いから、ちょっと口開けて傷口見せて。痛かったら、少し開けるだけで良いから。』


私の言う事を大人しく聞いた彼が少し顔を上向けて、普段ならぱかっと開けてくれる口を控えめに開いた。

すると、内側に近い下唇の真ん中辺りが縦にパックリいったらしいのが見え、まだ出血が止まらず血の滲んだ口の中が見えた。

恐らく拳か何か固い物が強く当たった拍子に上の前歯に当たって切れてしまったのだろう。

明らかに此れは痛い。

そりゃ喋れなくて当然だわ、と半目になりつつ、屈めていた腰を上げて彼と視線を合わせた。


『んー…流石に唇は治療出来ないなぁ…。下手に当たって悪化させても悪いし。取り敢えず、まだ血が止まってないみたいだから、血が止まるのを大人しく待とうか。其れまではちょっと何も出来ないけど、我慢してね?口ん中気持ち悪いだろうけどもさ。口ん中ゆすぐのは、せめて血が止まってからにしようね。』
「……分かった…。」
『うん。そんじゃ、他の傷の消毒しとくから、其れ終わったら、今度はちゃんとした手当てに移るね。』
「…ん…。」


一先ず、唇の傷は後回しにして、他の傷の手当てに集中する事にする。

一応、口の中の血が気持ち悪いだろうし、止血の為にティッシュを渡し、口許に押し当てとくように告げておく。

その間に顔の傷の消毒を終え、本格的な手当てに移る。

救急箱から出した治療キットの一つである薬を手に取り、其れを少量ずつ各傷口へと塗布していく。

其れが終わったら、治療キットの中から傷を縫わずに塞ぐ用の緊急縫合キットを取り出し、順に傷口を塞いでいく。

そして、その上から包帯を巻いていき、主な傷の処置を終える。

今回は本格的に縫う程のレベルではなかったから良かったが、もっと傷が深かったら、針で縫うのも検討に入れなければならなかっただろう。

まぁ、こうして普通に怪我の処置が出来る程度には医療の知識と技術があって良かった。

偶々そっちの道に少しだけ精通し、知識をかじっていたのが役に立った訳だ。

人生何が何時役立つか分からないから、色々と様々な事を学んでおくのは良い事である。

そうこう考えながら、顔の方の治療に移り、傷口にテープを貼り付けていく。


『…はい、ほとんどの傷の手当て終わったよー。アレから唇の傷はどう…?血、止まった?』
「……たぶん…もうあんま血ぃ付かなくなったから…。」
『んじゃ、またちょっと傷見せて。具合診るから。』


大人しく押し当てていたティッシュを退け口を開いて見せてくれた彼の口の中を覗き込み、僅かに顔を顰める。


『うーん…血は大分止まったようだけど、傷口のとこぷっくり腫れて痛そうだね…っ。』
「…鏡で直接見た訳じゃねーからあんま分かんねぇが…そんなに腫れてんのか?」
『うん…見てるこっちが痛々しいくらいには…。直接患部を冷やしたいところだけど、その様子だと直接物が当たるのは痛むだろうし…下手に口を開くのも傷が開いてどっちみち痛いだろうしねぇ。…ん゙ーっ、どうしよっか…?一先ず、小さな保冷剤か何か持ってくるから、其れを患部の近くに押し当てとくだけでも大分マシにはなるとは思う。ちょっと持ってきてあげるから、そのまま大人しく待ってて。』


そう言い置いてから場所を移動し、冷凍庫に仕舞っておいた小さめの保冷剤を取り出し、綺麗で清潔なガーゼで包み、部屋へと戻ってから其れを彼へと手渡した。


『はい、此れでも当てて冷やしてたら少しは腫れも痛みも引くと思うから…直接でないにせよ、近くに押し当てときな。唇の方は、其れで暫く様子見ね。念の為訊いとくけど、他に怪我したとことか無いよね…?』
「…足にも少し食らったから…ちっと切れたかもしんねぇ。」
『ん、じゃあちょっとズボンの裾捲るから、動かないでね。』


彼が言う通り、何か鋭い物で裂けた跡のあるズボンの裾を膝上までそっと捲り上げてやると、擦り剥いたのか膝に掠り傷が出来ていて、他は布が裂けていた部分の位置だった脛辺りに一本の赤い筋が出来ていた。

幸い、其れ程深くはない為、緊急縫合キットで済ませられるレベルだ。

手頃な踏み台を持ってきて、怪我をした彼の足の下へ置き、その上に彼の足を乗せてから消毒を開始する。

こうした理由は、何かの上に乗せた方が足元の治療をしやすいからである。

自分用の椅子を引っ張ってきて其処に座り、両膝と左足の脛に出来た傷の処置をしていく。

掠り傷には消毒だけを、脛の裂傷には更なる処置として先程使った薬と同じ物を塗り、残りのキットで傷口を塞いでいく。

仕上げに患部を包帯で覆えば、怪我の処置は完了だ。


『はい、傷の手当て終了〜。お疲れ様でした、っと…。唇の方はどう?大分マシになった?』
「…ん、少しはな…。さっきよりも喋りやすくなったくらいには腫れも痛みも引いたみてぇだ。」
『うん、僥幸僥幸…!血もすっかり止まったみたいだし、腫れも引いたみたいだから、自分で大丈夫そうなら一旦洗面所行ってうがいしてきな?移動するついでに、今穿いてるズボン脱いで洗濯籠ん中突っ込んどいて。染み抜きした後、洗濯して裂けたとこ補修しとくから。』
「…替えの着替えはどうすんだよ?」
『新しい着替えなら、アンタが口濯いでる間にこっちで適当に用意しとくよ。使った道具の片付けとかもあるし。その間に着替えといで。その後は好きに寛いどいて構わないから。…あ、一応釘刺しとくけど、今日はもう一日安静にしとくのよ?せっかく処置した傷が開いてまた出血されても困るから。いーい?』
「そんな念押さなくてもわぁーってるってぇーの…。」


私の念押しに顔を顰めてベッドから立ち上がると、しっかりとした足取りで洗面所の方角へ移動する彼。

そんな彼の後ろ背を見送って、思わず深い溜め息を吐きながら片付け作業を始める。

治療に使った器具は取り敢えず水の張った洗面器の中へ浸けておき、血が付着したティッシュやゴミ等は全て綺麗にゴミ箱の中へと捨ててしまっておく。

其れから、一度手を清潔にする為、台所の流し場で手を洗い、水気を拭いてから寝室へと移動する。

箪笥から適当に彼の服を見繕って出し、其れをさっきまで彼が座っていた医療用ベッドの上にポポイッと投げて置いておく。

その他に水分補給用に、ベッド脇の簡易テーブルへストローを挿したコップを用意しておいた。

此れだけ準備しとけば完璧であろう。

あとは、御飯時の際、どう工夫して食べさせてやるかだ。

其れはまぁ今は後回しにして、使った器具の片付けに戻り、湯を沸かして、熱湯を張った洗面器に使った器具を移動させた。

医療用器具の消毒は、熱湯消毒で殺菌するから、ちょっと手間でも大事な事なので面倒くさがらずに行う。

そうこうしていると、洗面所から戻ってきていたらしい彼が下のズボンだけ穿っ替えた状態で後ろから抱き付いてきた。

其れに吃驚していたら、彼の腕が確りと腰元に回ってきて、腰を強く引き寄せられた。

次いで、肩口に頭を凭れ掛かられ、耳元近くで弱々しい声で呟かれる。


「………疲れたから、ちょっと癒させてくれ…。」
『そりゃまぁ、そんだけ傷だらけになりゃ精神的にも疲れるわな…。好きに抱き付くなり匂い吸うのは許すけど、まだちょっと器具片付けてる最中で危ないから、大人しくしててね?』
「……ん…、」


そう返事をした彼が、そのままの状態から私の首筋に額を擦り付けてきた。


『ちょっと、其れ擽ったいよ〜。』
「んぅ…、今くらい良いだろ…?」
『…もう、こういう時だけ甘えたなんだから…っ。』


仕方なく彼はそのままにし、ポンポンッと頭を撫でて労ってやるのだった。

熱湯消毒している器具の片付けはもう暫く掛かる事から、傷の処置が終わって安心したのか、疲れて眠そうに愚図る彼をベッドの元まで連れていき、ベッドの上に横たわらせて寝かし付ける事にした。

新しい服に着替えるついでで水分を取ったのか、用意しておいたストロー付きコップの中身が減っているようで安心する。


『ほら、疲れたんだったら寝てて良いから…ゆっくり休みな。』
「…アンタも一緒に寝ようぜ。」
『何言ってんの、このベッドに大の大人二人は狭いでしょ?怪我したせいで弱って心細いのは分かるけど…まーくん一人で寝なさい。じゃないと寝づらいでしょ…?傷も痛むだろうし。』
「…やだ、璃子と一緒に寝る。」
『やけに強情だな、今回は…っ。でも、だぁーめ…!私、まだ色々と遣る事あるし、もうちょっとしたら晩御飯の支度だってしなきゃいけないんだから。代わりに、夜は一緒に寝てあげるから…今は一人で大人しく寝てなさい。』
「…そうかよ、じゃあ璃子は俺の事嫌いになったんだな。」
『そういう訳じゃないけど……、っもぉー、何でそっちに行くかなぁ…?ちょっと何時もよりいっぱい怪我したくらいでまーくんの事嫌いになったりしないから…っ。だから、大人しく一人でおねんねしてなさい。』
「…やだ。嫌いじゃないなら、今一緒に寝ろ。じゃなきゃ、アンタから引っ付いたまま離れないからな。」
『こぉーら、言う事聞きなさい……って、ちょっ!まーくん…っ!!』


あまりにもごねるから優しく諭していたら、突然強く腕を引かれて無理矢理ベッドへと引き込まれてしまった。

そして、横向きで正面から抱き付かれ、足も巻き付かれて動きを封じられ、起き上がるにも起き上がれなくなる。

此れは参った…。

思わず深く溜め息を吐き出すと、胸元にあった頭がギクリ、と揺れる。

その様子にまた呆れてしまったが、本気で怒った訳でもなく、うざがった訳でも嫌いになった訳でもないから、彼を安心させる為に言葉を和らげた。


『…別に怒ってないから、そんな怯えなくても良いよ。どんなに我が儘言われたって、まーくんの事が好きな気持ちは変わらないから…安心しな。大切な存在なのは変わらないから、ね?だから、落ち着いてゆっくり養生しなさい。』
「………何時も喧嘩ばっかで怪我してばっかだから…とうとう呆れられて、見限られて、明日には捨てられちまうんじゃないかって思った……。でも、璃子は優しいから、きっとまだ許してくれるって勝手に思って…我が儘言って、御免。…璃子を悲しませた、嫌な気持ちにさせちまった…悪かった、もうあんまり喧嘩買わないようにすっから…頼むから、俺の事捨てないでくれ……っ。」
『ん…大丈夫よ。まーくんの事、拾った日から最後までちゃんと面倒見てやるんだって決めてんだから…そう簡単に手放したりなんてしないわよ。其れに――もうまーくん無しの生活は寂し過ぎて居らんないから、お願いだから…あんまり無茶な事しないでね?まーくんは私の大切な家族パピーなんだから。』


啜り泣き涙を溢し始めた彼の濡れた頬を拭ってやりながら、優しく彼の頭を抱き込んでやり、髪を撫でるように頭を撫でてやった。


―そうして落ち着いた後、暫くしたら甘えるように私に抱き付いて眠ってしまった。

余程疲れてしまったのだろう。

すっかりぐっすりと寝入ってしまった様子に、小さくクスリッと含み笑んでから足元に追いやっていた布団を肩まで引き上げてしっかりと掛けてやった。

全く、上の服も用意していたのだから着れば良かったのに…包帯やら何やらで煩わしかったのか、単に面倒くさかっただけか。

結局、上半身は裸のまま、下は半ズボンだけで寝てしまった。

寝るならもうちょっとちゃんとした格好で寝て欲しかったのだけど、しょうがない。

代わりに、私がしっかりと布団を掛けてやって寝かせる事にしよう。

彼の希望通り、彼の元から離れずそのまま一緒に眠る事にしたのだった。

今、彼と一緒に寝ちゃうから、晩御飯の用意が遅くなってしまうだろうけど…まぁ、そうなった時はそうなった時で大目に見てもらおうか。

そう思い、彼の寝顔を視界に収めながら、静かに目蓋を閉じた。

本気で寝てしまう一瞬前に、部屋の明かりをリモコンで落としてから眠る事を忘れなかった私は偉いと思う。


執筆日:2020.09.14