※歴史修正主義者との戦い終戦後捏造設定且つの現パロでハロウィンネタ(2021年ver.)です。
※元ネタはヲタ恋F巻のハロウィンネタとなります。
※以上を理解した上でどうぞ。
今日は十月最後の日、ハロウィンの日であった。
しかも、休日の日曜日。
其れは其れは各所大盛り上がりを見せ、街中は各々好きなコスプレに身を包んだ集団で溢れ返っていた。
そんな賑やかな日に私は何をしているかというと…、特にコスプレなどをする訳もなく、のんびりと普段の休日と変わらぬ日を過ごしていた。
だって、ここのとこ、仕事で忙しかったのだもの。
休日くらいゆっくりのんびり過ごしたい。
そんな感じで、ハロウィンというイベント事なども気にせず一人空しく緩やかにお家で休日を楽しんでいたら、スマホより友人からメッセージが来た事を告げる音がポコンッと鳴った。
SNSのグループ画面を開けば、其処にはヲタ友の女友達が仕事の同僚と思しき人等と撮ったコスプレ写真が上げられていた。
続いてメッセージには、「ハロウィンて事で会社の面子で仮装大会やってるwしかも、実はコレ会社挙げてやってるwww超ウケるんだけど楽しい〜!!」と書かれている。
見るからに楽しそうな雰囲気で何よりだ。
しかし、休日にも関わらず会社絡みとは面倒くさいな、と思った。
休日くらい、会社や仕事の事は考えずにいたい派なので、こう言っては何だが、友人と同じ会社で働いていなくて良かった。
取り敢えず、そんなヲタ友へのメッセージに「会社挙げての仮装大会は流石にウケるwwwでも、楽しそうで何より〜!!」と返信しておいた。
当たり障りない感じの文章だから、大丈夫だろう。
そうこうしていたら、今しがたメッセージを送ってきたヲタ友から着信が入った。
「もっし〜?」
『もっし〜!今、電話してもオッケー?』
「うん、全然良いよ〜」
『良かったぁ〜!最近忙しかったから、こうして喋んの久し振りよね〜!』
「うん、そうね〜。何か後ろからめっちゃ楽しそうな音楽聞こえんね?」
『あ、そうそう!今、メッセージ送った通り、外でハロウィンパーティーやっててさ、会社の皆と仮装ながらBBQやってるんだぁ〜!コレがめっちゃ楽しい!!』
「そいつは何よりですやん!」
『普通にハロウィンイベにコスプレして参加するだけだったならアンタも誘いたかったんだけどね〜っ。流石に会社の人等との集まりに外部の人とか友達は呼べないからさぁ、ちょっと残念〜』
「はははっ、そりゃそうだわな!でも、気にしないで、アンタはアンタで楽しみな〜」
『うん!飲んで食べて騒いでるだけの楽しい会だったから、ちょっとだけアンタにも楽しい雰囲気というか、幸せのお裾分けみたく電話でも良いから話して伝えたくなったから電話してみたんよ!へへへっ、今超楽しい〜!!』
「うん、アンタだいぶ酔ってんね…電話口からも分かるくらい楽しそうなんは分かったから。電話くれて有難う!お酒飲むのは良いけど、二日酔いしない程度に留めときなね〜。飲んだら飲んだで、後でちゃんと水飲んだり蜆汁飲んだり自分でケアすんのよ〜?」
『うん…っ!忘れずに覚えとく〜!んじゃ、同僚に呼ばれたから輪に戻るね〜!今度暇で空いてる日あったら久々に逢お!!とっておきの美味しいお店紹介したいから!!また電話するね〜っ!!』
「はぁ〜い、楽しみにしてるね〜っ。バイバ〜イ」
丁度、通話が終わったタイミングで来客を知らせるインターホンのチャイムが鳴り響いた。
我が家はオートロック式である為、今度は其方の応対をするのに腰を上げて室内を移動する。
「ハーイ、何方様でしょう?」
『―俺だ…同田貫だ。アンタに逢いに来たから、開けてくれ』
「あら、マサさん…?ちょっと待ってね、今ロック外すから」
誰が訪ねてきたのかと思えば、彼氏であるマサさんであった。
何の連絡も無しに来るので、ちょっと意外と驚きつつも外玄関のロックを開錠し、ナチュラルに受け入れ室内へと招き入れた。
突撃訪問をかましてきたマサさんはというと、ハロウィンに乗っかってか、嘗ての戦装束(極ver.)を身に纏ってやって来ていた。
しかも、何でか真知子巻きみたいなスタイルで顔を隠した状態で。
連絡無しで来た事も含め珍しい事もあるもんだ、と思いつつも彼の方を見つめながら改めて来訪の理由を問えば、彼は靴を脱ぎながら疲れた風な声音で気怠げに答えた。
「気分転換に外出てみたら、“ヒト”が多過ぎて厭んなったから避難しに来た」
「まぁ、今日はハロウィン当日で皆お祭り気分でテンション高いし、何処もワイワイ賑やかしいからねぇ〜。しょうがないよ」
「あと、この服着てたら何でか忍者とかアサシンとかに勘違われた。刀持ってんのになァ…」
「あぁ〜…“たぬさん”の頃の姿、何にも知らない人がパッと見た時の感想って大体そういう感じよね…。斯く言うウチのオカンもそうだったし」
せっかく来てくれたのに何にも出さないのはアレだから、「急な来訪だったから何も無いけど、飲み物くらいは出すね〜」と告げて部屋へ入ってくる彼に背を向け、インスタントの珈琲とかを置いている棚を漁りに行く。
次いで、
「よくあるやっすいインスタントの珈琲とか紅茶ぐらいしか無いけど、其れでも良い〜?」
――と投げかけ、振り返らぬまま手に掴むインスタント珈琲の瓶と紅茶のパックを見せた。
そんな私の背後へ忍び寄るような雰囲気で後を付いてきた彼が淡々とした口調で返事を返す。
「嗚呼、珈琲で構わねぇよ…今はそんな甘ったりぃのを飲む気にゃなれねぇからなァ」
「あははっ…ハロウィンの日は甘いお菓子の匂いが蔓延しがちだからねぇ〜。あと、甘い匂いがしがちな時季ってバレンタインとか辺りじゃない?何処の店も張り合ってチョコ系のお菓子作って売り出すからさ」
「…そうだな」
「あれ、マサさん何かテンション低め…?意気揚々と仮装してまでやって来るから、てっきりノリッノリなアゲアゲテンションかと思いきや、意外とそうでもない?」
「最初こそノリに乗ってたんだがな…いざ外歩いてみたらゴミみてぇに“ヒトだらけ”だったもんだからよォ。其れだけで何かウンザリしたっつーか…」
「あー、其れで早々と退散してきた訳かぁ…っ。でも、仮装して来たくらいだから、誰かと一緒だったんじゃないの?マサさんがボッチでコスプレなんかしないと思うし――…、」
そう言って、此処まで辿り着くまでの人の多さに愚痴を洩らす彼を振り返ったところで、何故か意識はフェードアウトし暗転した。
―気付いた時には、自分が一人暮らす家のワンルーム内のベッドの上で寝転んでいて、窓から見える外の景色は既にうっすら暗くなっていた。
友人と電話していたのはまだ明るい昼間の三時過ぎ頃であった筈…。
その後、誰か知り合いが突然来て家に招き入れたような記憶があるのだが…如何せん、思い出そうとすると何故か頭の奥がぼんやりとしてきて曖昧な感じでしか思い出せない。
取り敢えず、躰を起こしてテーブルの上に置きっ放しになっていた携帯を手に取って今の時刻を確認する。
すると、夕方の六時過ぎを画面は示していて、そろそろお夕飯の用意に取り掛からねばならない時間帯であった。
今日は日曜で休日だからって気が緩み過ぎである。
そうこうキッチンの方まで移動しようとした際に、ふと外からの少し冷えた空気がふわりと服から露出した部位の肌を撫でていってふるりと身震いする。
「うわ、さっむ…!何、私ったら何にも掛けないまま転た寝してた上に窓開けっぱで寝てたの!?物騒極まりな…っ!?駄目じゃん!!今の世の中何が起こるか分かんないんだから…っ!!」
若い女が一人暮らす中、うっかり施錠もせずに転た寝してしまうだなんて、どんだけ危機感が足りないんだ。
一人猛省しながら急いで窓を閉め、パタパタと慌ただしく夕飯の準備に取り掛かり始める。
「あーっ、紅茶飲んだ後マグカップそんままだった…!茶渋こびり付く前に洗わなきゃ…っ」
そんなこんなキッチンやらリビングの間を行き来していたら、不意に鳴り出すテーブルの上のスマホ。
その音にビビりつつも着信に出ると、なんと電話を掛けてきた主は、つい先程まで逢っていたと思しき相手であった。
「もっ、もしもし…!」
『あ、もしもし?俺、正国だが…ひょっとして、お前寝てたか?』
「え、あ、うん…っ。ちょっと前まで転た寝してて、起きたらこんな時間なってたから慌てて晩御飯の準備しようと動いてたとこ」
『ははっ、なら丁度タイミング良かったかもな。今からちょっと出て来れるか?最近仕事が忙しくてあんま逢えてなかったから、偶の休日くらいお前と過ごす時間作りたくてよ。お前さえ良ければだが、俺と一緒にどっか食べに行かねぇか?実は今、お前ん家のアパート前まで来てる』
「へっ!?マジで!?」
『本当だって。ベランダ出て外、玄関側見てみろよ。俺が手ェ振ってんの見えっから』
「え…っ!?うわホンマや、マジやん!ちょっと待ってて!今すぐ出掛ける準備するから…っ!!」
『んな急がなくったって良いっつの…何だったら、直接そっち行くか?』
「大丈夫!!寸分だけ待ってもらえれば行けるから…っ!!…あー、でも、この時季この時間帯外で待たすのも申し訳ないかぁー…。うーん、多く見積もって十分くらい掛かる前提で待たす事になるかもだから、アレだったらウチ来て待っててくれると助かるッス!」
『分かった。んじゃ、今からそっち行くわ』
「アザッス!んだば、電話切りますね〜」
そう言って、せかせかと出掛ける準備をしながらマサさんをお部屋まで招き入れる。
其処に来て、記憶曖昧な話で気のせいかもしれないけれども、“転た寝しちゃう前の話なんだけど”と前置きした上で「私、今日マサさんと逢ったりしてない、よねぇ…?」と訊いてみた。
すると、その問いに対し、彼は怪訝な顔をして首を傾げつつ否定の言葉を紡いだ。
「いや、んな訳ねェーだろ。俺、今初めて久々にお前と直接顔会わせてんだから」
「だよねぇ…!私ったら、あんま最近逢えてなかったからって、マサさんと逢いたい願望から夢にまで見ちゃったのかなぁ〜?あははっ、だったらウケるんだけど!」
「………………まさか、な……」
「え、何?何か言ったマサさん?」
出掛ける準備を進めながら零した私の発言を受けた後、何処ぞの方向を見ながら急に真面目な顔を作って神妙な声で呟くマサさん。
問えば、彼は顔を上げ此方に向かって口を開いた。
「いや、な…今日ってハロウィンだろ?ハロウィン当日ってどいつもこいつも浮かれてコスプレした奴が溢れてっから、下手したらそん中に本物が混ざってても可笑しくねぇし、バレねぇよなァ〜…って」
「……嘘、だよね…?頼む、嘘だと言ってくれ。じゃないと私は怖くて今夜眠れなくなるじゃないか、どうしてくれる…ッ!」
「まぁ、仮に今お前が言った話が本当の事だったとしても、そんな害はねぇと思うからんなビビんなって。お前は元審神者、そんで俺は元刀剣男士、おまけにお前ん家の実家には好きが高じて買った
「だから、どういう事なんですかマサさん…!?」
「お前、元審神者で力ある。その力がお前の所持してた模造刀に宿る。ついでにお前の記憶上にある俺の姿真似て今日限定で現実に出てくる。で、ハロウィンの仮装集団に紛れてお前に逢いに来た――って事なんじゃねェーの?」
「ええぇ…そんなまっさかぁ〜…」
「確かお前、此処んとこ忙しいのと面倒臭さから実家帰ってねぇって言ってたろ…?だからじゃねーの。持ち主の顔ずっと見れなくて寂しくて恋い焦がれた結果、置かれた場所からこっそり抜け出てきたんだろ。付喪が宿った奴なら出来ねぇ話じゃねェーし大いに有り得る話だ」
「嘘やん…マジで言っとりますの、マサさんや?」
「お前が逢ったっつー“俺”、“本体”と言われた刀持ってなかったか?」
「ハッ…!そういえば、わざわざ逢いに来た割りには何故か顔隠すようにマフラー真知子巻きして来てたし、本体持ってた気がする…っ!!だから、私、“珍しくマサさんがイベント事に乗り気で完璧なコスプレしてる!”って思っちゃったもんね〜」
「俺に化けた
「其れについてはマジで御免…っ。だって、そん時はマジでマサさん本人だと疑わなかったんだもん〜!今思えば、“何か雰囲気がいつもとちょっと違ったなぁ〜?”って思えるけども、そん時は全然気付かなかったんだし。まぁ、油断し切ってたのには一理あるけどねぇ…っ。耳が痛い話、マサさんから電話貰う前――転た寝から起きた時、窓開いたまんまだったのに気付いて慌てて閉めたぐらいだし」
「はぁ?どんだけ危機感無ェんだ、お前。今此処で俺に手荒にブチ犯されても文句言えねぇぞ?」
「ひょえッ…!?御免なさいすんません猛省してますから其れだけはご勘弁を……ッ!!」
「…まぁ、今のは冗談半分本気半分だったが、女の一人暮らしにゃ危険は付き物なんだから気を付けろって話だ。コレに懲りたら、大人しく俺と同棲するかどうか考えとくんだな(――たぶん、窓開いてたのは十中八九その“
「はぁ〜そうっすね、其れも検討に入れつつ今後の事考えなきゃ色々と危な………っ、――いや、ちょい待ち、今何か可笑しな流れになってなかったか?ナチュラルに相槌打っちゃってたけども、今絶対変な流れになってたよね。ねぇ、マサさん??」
「さぁ?俺は知ったこっちゃないねェ。どうでも良いが、準備出来たんなら行くぞー」
「あっ、ちょっと待ってよマサさん…!今さっきの話本気のネタだったの!?ねぇ、答えてよ〜っ!!」
準備が出来たと分かるや否やさっさか玄関の方へと向かい、靴を履いてガチャリとドアを開けに行くマサさん。
慌ててその後を追い駆け、急いで自身も靴を履き、部屋の外へと出て行く。
今度は忘れずにきちんと施錠をした事を確認した上で先を行く彼の後を付いて行った。
階段を降りてアパートの外玄関へと向かう頃には追い付き、一応はゆっくりとした歩みで私が追い付くまでを待っていた彼が振り返り問うてくる。
「場所はいつもの店で構わねぇよなァ?」
「もう、すぐそうやってはぐらかすんだから…っ!まぁ、彼処なら安くて美味いの食えるから良いッスけどぉ!!」
「んじゃ、決まりな。せっかく久々に逢えたんだ、時間が許す限り積もる話にでも花咲かせようや。そんでもって、俺を“偽物”と間違えねぇくらいしっかと記憶させてやらねぇとなァ?何なら、今夜抱いて忘れなんかさせねぇレベルで刻み付けてやろうか?」
「その件については本気で御免なさいッッッ!!静かにお怒りなのも分かりみですんで、私抱くぐらいで許してもらえるんでしたら幾らでもどうぞ…!!!!」
「……そういうとこだぞ、お前の付け込まれる原因…」
「え…?」
「駄目だ此奴、変なとこで天然だから放っとけねぇ。早いとこ同棲でも何でも強行手段に出ねぇと危なっかしくてならんわ」
そう言われて晩御飯を共にした後、結局は責任を取るついでという流れで抱かれる羽目となるのであった。
「マサさん…私、明日お仕事なんですが…?」
「其れについては俺もだよ。けど、あんな飾られて愛でられるだけの美術品と間違ったお前が悪ィ」
「誠に申し訳ありませんでしたァッッッ!!」
「もう良いっつの…。だが、次は無ェからな?次同じ真似しやがったら抱き潰す以上の事されると覚悟しとけ」
「え…待って、抱き潰す以上の事って私何されんの。え、まさかの殺されんの?私。え?」
その問いに返ってくる答えは無かった。
え、マジで私どうなるんだ一体…。
暫くはその事にぐるぐると思考は渦を巻いたが、情事の疲れも相俟って気付けばすっかりスヤスヤと眠ってしまっているのであった。
翌日、私は彼と所謂朝チュンを迎え、平然といつもより早めに起床したらしい彼は既にシャワーを済まして身支度も済んでいて、何ならあるだけの材料で簡単な朝御飯まで作ってくれていた。
なんて出来る男なんだ、好き、惚れ直す…。
「んじゃ、俺は一旦家返ってから仕事着着替えて行くから。お前も早く起きて飯食って支度しろよ。じゃねーと遅刻すっぞ」
「ア、ハイ…何から何までお世話して頂き有難うございます……?」
「ま、久々にお前の寝顔見れたし、色々と充電出来たし…?また暫く仕事頑張れそうだわ。ありがとサンクス。…じゃ、次の休みにまたなァ」
「へい、お待ちしとりますぅー…っ。いってらっしゃーい」
「おう。お前も急げよォー」
ベッドに寝転んだままナチュラルに彼の背を見送ってから思う。
何か今凄ェ普通に同棲感ある流れやってたけど、まだ正式には同棲してないんよなぁー私達…。
朝起きたら普通にマサさん居て寝起きすぐの寝惚けた頭撫でられておはよう的展開とか、何じゃそりゃ、何処の乙女ゲーよ。
とりま、近い内にも同棲するって事で色々取り決めなきゃなぁ。
今更彼無しでの生活なんてナイ訳ですし。
そんな事を寝起き頭で普通に考えるくらいにはもう頭やられてんのよ、貴女…って心の中に居るもう一人の自分が呟いた。
執筆日:2021.10.12