この本丸の審神者は、審神者となった時に、神たる者より祝福を受けたと同時に呪われてしまったのだ。
生を尊びながらも死を望む、哀れな人の子が愛しくて堪らなかった故に。彼女を守らんとした刀剣達は、優しく優しく毀れ物を扱うかの如く大事に慈しみ、そして祝福の
命の大切さをよく知る優しい子。貴女は知らないし気付かないでしょう。
己の力として顕現せし刀の付喪等に、祝福という名の呪いを授かっていようとは。
死に場所を探し歩むように生き急ぐ傍らで、貴女を守らんと侍りし者共が真逆の祈りを願い捧げている事を。
―誰かの愛を欲した彼女が手にした始まりの刀は、彼女が望む通りに慈しみ寄り添う愛を与えた。
―生き抜く為の強さを欲した彼女が始めに打った刀は、生きる事への尊さと其れを守る為の力を与えた。
―生きる事に疲れて死を欲した彼女が手にした三番手の守り刀は、彼女を死なせない為に言霊での縛りを与えた。
そうして集いし皆、全てが全て、祝福であり呪いなのだ。
その事は、きっと誰も知らないのだろう。
唯一気付きし者である己以外に。
執筆日:2022.12.11
公開日:2022.12.14
公開日:2022.12.14