らぶりーちょこれいと(殺意も添えて)


偶の癒しにチョコを食べていたら、甘い物の匂いに釣られたのか、何処からともなく現れた五条先生がひょっこりと顔を見せて私の手元にある物を狙う様に見つめてきた。


「なぁんか甘い物食べてる。良いな〜、僕にも一個頂戴っ。」


十中八九そう言ってくるだろうなと思っていた台詞を口にしてきた彼に、私は平然とした口調で返した。


『別に構いませんけど…此れ、GABA入りチョコレートですよ。先生ストレスとは無縁そうですし、必要無いんじゃないですか?』
「開口一番に其れって酷くない?失礼だなぁ〜。僕にだってストレスの一つや三つあるっつぅのー。例えば、上層部の糞爺共との会議とか話聞いたりとか。…あ゙ーっ、想像しただけで嫌な気分になるわ。」
『言い得て妙ですね…。先生も色々ご苦労様です。』
「本当其れよ〜…?……で、くれるの?くれないの?」
『お好きな数だけどうぞ。』


そう告げたら、生徒のお菓子だというのに無遠慮に五個程一気に掴み取って口の中に放り込んでいった。

…此れ、始めにも言った通りGABA入りだから一日に食べる推奨個数決まってるんだけどな。

其れを物ともしない食べ方に、この人は甘い物なら何でもバクバクと食べそうだなって思った。

思うだけで口には出さなかったけど。

でも、聡く鋭い彼には気付かれていたのか、思った事をそのまま当てられてヒヤッとした。


「…今、僕に対して失礼な事考えたでしょ。」
『…気のせいじゃありません?』
「嘘だ。絶ェ〜っ対に今僕の事馬鹿にしたでしょ…?今、本当の事認めて吐くなら許してあげなくもないけど、どうする?」
『………すみません、御免なさい、嘘吐きました。本当は、チョコ一気に掴んで食べてるの見て、“この人甘い物なら何でもバクバク食べそうだな”とか思っちゃいました。御免なさい。』
「ん、素直で宜しい…!けど、一回嘘吐いた罰でデコピンね。」
『え。其れ絶対クソ痛いヤツ…って、イッタァッッッ!?イッテ、マジイッテ、頭割れるて…!』
「其れくらいで頭割れてちゃ世話ないよ。」
『ちょっと…!アンタ教師でしょ!?暴力反対!此れ、立派な体罰に入るんじゃありません!?出るとこ出たら確実に訴えられるぞ、良いのか!?』
「何、其れ。脅し文句のつもりなの?全然響かないんだけど。仮に此処が普通の学校だったなら通る話だったかもしれないけどね、ウチは呪術師育成する学校だから、そんなん一々言ってられないよ〜ん。」
『うっわ、クッソ腹立つわ此奴…ッ。コレでよく教師勤まってんねってつくづく思うわ。』
「んふふ、僕の教師人生心配してくれてんの?有難う!莎草はやっぱり優しい子だね〜っ!」
『Fuck you!!(くたばっちまえ!!)』


思わず中指立てた後に首落ちて死ね動作したけど悔いは無い。

しかし、彼の五条悟には一ミリたりとも通用しなかったのか、軽い一笑を貰うだけに留まった。

やっぱこの人ふざけてるし、こういう大人にはならない様にしようと反面教師的なお手本として見るのだった。


AFTERWORD

執筆日:2020.11.28

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