出れない部屋02−with安室



偶々、事件の犯人を追って駆け込んだ先で、とある部屋に入り込んでしまった二人。

怪しげな雰囲気に警戒しつつも辺りを見回していると、突然入口の扉にロックが掛かり、閉じ込められてしまうという結果に。

ガンガンッ!!と壁や扉を叩いていると、何処からか謎の効果音ならぬBGMが流れてきた。


[デッデデーン♪○○しないと出られない部屋シリーズ、第二弾!!標的ターゲットは、自称探偵安室さんのペアです!]
「な…っ!?誰だ!!」
[今、お二人が居られる部屋は、或る条件をクリアしないと出られない部屋となっております!ちなみに、その条件とは、どちらかが相手にキスをしないといけないルールです!条件がクリアされたらロックは自動的に解除される仕様です!!]
「何処に居るんだ!!出てこい…っ!!」
[尚、条件をクリアされない限り、その部屋のロックは解除されませんので頑張ってくださいね☆]
「ふざけた真似を…っ!」
『安室さん、どうします…?何か武器になるような物とか、持ってます?』
「あるにはあるけど、拳銃一丁しか持ってないよ。」
『あ、そっか。安室さん、バーボンでもあるんですもんね。』
「(どっちかと言うと、公安の方なんだけど…まぁ、今はどっちでも良いか。)取り敢えず、これで扉のロックを壊せば、出れるかもしれないね。」
[申し遅れましたが、この部屋は全方位防弾仕様となっておりますので、幾ら撃ったとしても出られませんよ?補足として、今のお二方の行動は全て隠しカメラによって監視しております!無駄な抵抗はせず、ちゃっちゃとクリアしちゃってください(笑)!]
『仕掛けた奴、楽しんでやがってますね…。』
「ええ、そのようですね。質が悪い輩のようだ。」


メインとなるのであろう、隠されてもいない一台の監視カメラを睨み付け、思案する二人。


「失礼ですが、此方を監視しているという件について質問ですが…それは、常に此方を見ているんでしょうか?」
[ご名答です!貴方方の一挙一動漏らさぬよう、全て見ておりますよ…っ!]
『マジかよ…っ。』
[ですが、条件であるキスは何処にして頂いても構いません。キスをする場所は特定しておりませんから!]
「成程…そういうシステムですか。」


顎に手を当てて考え込んでいた彼が、ふと余裕の笑みを浮かべてニヤリと笑った。


『安室さん…?何か良い案でも思い付かれたんですか?』
「ええ、まぁ…。要は、見せ付けてやれば良いんですよ。」
『え、見せ付け…?』


どういう意味なのかが分からず首を傾げる梨ト。

彼は、何か策があるようで、余裕な笑みを崩さずに歩み寄る。


「つまり…こういう事です。」
『わ…っ!?』


唐突に身体を引き寄せられたかと思えば、正面から軽く抱き寄せられているような形になる。

瞬きの間に、彼は彼女の首筋に唇を寄せ、口付けた。

ついでに、サービスと言わんばかりに、思い切り見せ付けるが如く、痕を付けた安室。

甘い痺れに絆されたのと吃驚したあまりに、へなへなと腰を抜かした梨トは、彼に支えられる形となる。


「これで文句はありませんよね?可笑しな物好きさん…っ。」


彼自身、彼女に好意を抱いていた為、ドヤ顔でカメラを見上げた。


[有難うございましたぁーっっっ!!大サービスもごちです!!まもなく、この部屋は爆発致します故、ご退室はお早めに〜っ。ではでは!!]
「はぁ!?いやいや、ちょっと待ってくださいよっ!!爆発って…爆弾を仕掛けてたんですか!?」
『どうしよう安室さん…っ。私、腰抜けた…っ。』
「ええ…っ!?」


とにかく脱出しなくてはと、咄嗟に彼女を抱えて閉じ込められていた部屋から飛び出した。

その瞬間、彼の背後で爆発が起き、軽く吹っ飛ばされる。


「大丈夫ですか!?梨トさん…っ!!」
『は、はい…。安室さんのお陰で何ともないです。』
「そうですか…良かったぁ…っ。それにしても、さっきの輩、結局何が目的だったんでしょうね?」
『さぁ…?私にもちょっと…。』


いまいち謎が残るまま、逃げられてしまった二人だった。


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