まさかの展開が待っていようとは。


 ――翌日の朝。
 修理を終えたジェノスが、完全体となり戻ってきた様で。いつもの如く帰還した。
「おはようございます、先生! そして、不肖の弟子ジェノス、只今帰還しました!!」
 此れに、またいつも通りの反応を返してみせたサイタマが出迎え、笑みを浮かべる。
「おうっ、お帰りジェノスー。すっかり元通りに直ったみたいで、良かった良かった」
「はいっ! 全ては、破損パーツを回収して集めてくださった先生と、幾らボロボロに破壊されようと完璧に修理してくださるクセーノ博士のお陰です!! 本当にお二人には、どんなに感謝してもし切れません……っ! この恩は、いつかきっと必ず果たしますので……!! ――ところで、今日はまだレオの姿が見えませんが、あれからどうなりましたか……?」
 不思議そうに辺りを見渡していると、その答えを知るサイタマが一切の間を空ける事無く答える。
「あー、其れなら、もうすぐ帰ってくると思うぞ」
「は……? 其れは、一体どういう……」
 いまいち要領を得ぬ返答に首を傾げていれば。背後で、今しがた自分が入ってきたばかりの玄関の扉が開く音が響いた。其れに目敏く反応し、同時に振り返り視界を巡らせば、開いた扉の先に佇むは、三日振りにまともな二足歩行にて立つレオの姿があった。
 しかし、予想とは反して、猫の耳と尻尾は生えたままの健在で、完全には元に戻れていない状態である事を察した。
「ただいまぁーっ! いやぁ〜っ、三日も家空ける事になってたから、ちょっとした酷い惨状と化してたにゃあ〜……。っと、此方も無事に帰還と相成りましたか。お帰り、ジェノス君! 変わらずお元気でいらっしゃいましたかねん?」
「レオ……お前、元に戻らなかったのか?」
「うん、何かよく分かんにゃいんだけど、そうみたいらしくって……。今しがたまで、検査ついでに協会の方まで出向いてたのよ。んで、その帰り道についでとして自宅の様子を見に行ってたって訳。いやぁ、本当悲惨な有り様だったにゃん……。まさか俺自身がリアルに猫化するにゃんて思ってなかったから、こんな事態を想定した備えとか何もしてなくってさぁ。お陰様で、ウチのお猫様は暴れ放題暴れまくってくれた様でして、帰ったらメチャクソ酷い光景が広がっておりました……。暫くはあんにゃ光景見たないわ、マジで……ッ。でも、半端に元に戻れてにゃいせいで、まだ暫くはお猫様との共同生活に戻れないのが現状にゃのです。グスンッ……」
「そんな訳で、もう暫くの内は引き続きウチで預かる事が決定したって訳。まぁ、意識が人間に戻っただけでも全然違うと思うぜ? 言葉も喋れて意志疎通も取れるようになった訳だしさ。前向きに考えて行こうぜーっ」
「という事にゃので、もうちょっとだけご厄介ににゃりまする……っ。あっ、でも、意識が人に戻った分、にゃるべく迷惑掛けないよう努めますんで! 自分の身の回りの事については、きちんと自分でこにゃすので! その辺のご心配はご無用にゃのですよぅ!」
「……所々猫語のようになっているのは、半猫化による影響の名残か?」
「んぎゅっ……改めて指摘されると何とも言えなくにゃるから、出来ればそっとしておいて欲しいんだにゃん……ッ」
「ぶっちゃけ、そのまんまの方がより猫っぽさ増して良くね? だって、お前のヒーローネームって、“レディー・キャッツ”だろ? もういっその事そんままで行こうぜ。その方が、ヒーロー名に寄せた感が上がってヒーロー名に相応しい感じになんじゃん。寧ろ、今のがよりヒーロー名らしくなってたりしてな! なははははっ」
「やめてよ、縁起でも無い事言うの……! 完全他人事だと思って面白がってんのかもしんないけど、俺本人からしてみたらクッソ恥ずかしい以外の何物でもにゃいんだからね!? つーか、考えてもみろよ!! お前とほぼ同い年の、良い歳した女が猫語喋りながら猫耳+尻尾付けて道端闊歩してたら、完っ全に痛い人だろ!? きっと、今頃絶対世間で噂されてるんだにゃあ……っ! “良い歳した痛い奴が何か調子来いてウゼェー(笑)”とかってさぁ!! もう、俺迂闊にお外歩けにゃいし、お嫁にも行けないんだにゃあ〜!! うわぁーんっっっ!!」
「え……まさかそんな気にしてるとは思わんくて……えと、その、取り敢えず謝っとくわ。軽率な事ほざいて御免なさい……っ」
 思わぬ事態に陥った事を嘆くレオは、本気で泣き始めてしまったのか、哀れにもグスグスと鼻を啜り出す。そんな彼女の様子に、何とも言えぬ顔で無言で師匠の方を見返したジェノス。圧に堪え切れなかったのか、素直に謝罪の言葉を口にしたサイタマは気まずげに頭を掻いた。
 一先ず、場の空気を変えたくて空元気なテンションで再び口を開いたサイタマは、話の内容を転換して問うた。
「そういや、中途半端とは言え、半分元に戻った事で一つ俺から質問な……! 半猫化してた間の記憶って、実のところどうなの……? 何か覚えてたりする感じ? 其れとも、全く覚えてない感じか? 凄ェ素朴な疑問で且つ地味に気になってた事だったんだけど、其処らへんどうよ」
「えっ……えっと、全く皆無って訳ではにゃいんだけど、何か全体的にボヤーッとした感じであんま詳しく覚えてないんだよにゃぁ……。にゃーんか色々あった気はするんだけど、漠然と朧気にぼやけてるっつーのか、何とも言えんのが現状だにゃ……っ。うーん、断片的に覚えてる事と言えば……サイタマに優しく頭なでなでしてもらった事とか、ジェノスから何か物凄く怖いオーラ感じて思わず手ェ出しちゃった事とか? あとは……美味しい御飯にオヤツの存在と、怪人との戦闘でジェノスがボロボロになっちゃった事ぐらい、かにゃあ〜…………?」
 朧気にしか覚えていないものの、確かに覚えている記憶を辿って思い出した事を羅列して挙げていけば。あからさまに動揺した様子でギシリと固まったジェノスに、彼女は不思議そうに首を傾げて問うた。
「あれ……どうしたんだい、ジェノス君? えっ……もしや、俺の預かり知らぬところで何かやらかしたりしてたの、俺!?」
「あ゛〜……確かに、アレは完全やらかした内に入るよなぁー……っ」
「なっ……! ちょっ、先生、後生ですからその件はどうぞご内密にお願いします……っ!! 然もなくば、俺は一生の不覚という羞恥から自爆を図ります!!」
「え゛え゛ッ!? そんなヤバイ程に不味いやらかしをしたの昨日までの俺ェッッッ!??」
「うん、まぁ、ヤベェーと言ったらヤベェーし、不味いと言っちゃー不味くはある事をお前はやらかしてたな……。でも、ジェノスの方が大丈夫だったんなら、別にそんな心配する必要無ェと思うぞ? 仮に、今回の一件で嫁としての貰い手が無くなったとしても、ジェノスが責任持って貰ってくれるだろうしな。うんっ、ジェノス相手なら絶対幸せにしてもらえる事間違い無しだし、師匠の立場から言っても何ら心配は無いな!! 此れにて一件落着!! ……つー訳で、話は此れぐらいにして飯にしよーぜ。俺、腹減ったわ」
「いやいやいやいやっ、この状況下でどうやって落ち着いて飯を食えと!!??? 寝言は寝てから言ってくんねェーと処理に困っちゃうからにゃ!!? 絶賛、現在進行形で脳内処理が追っ付かんわボケェッ!! んな風に暢気に居れんのはお前だけだにゃ! このツルッパゲェ!!」
「あ゛ァ゛ん!? 何だとゴルァッ!! 今ハゲは関係無ェだろ!! このハゲッ!! 手前ェなんかなぁっ、所詮エロ同人みたくジェノスにスケベな事されて手籠めにされてりゃ良いんだ!!」
「先生!!? 流石に今のは聞き捨てなりませんよ先生ェ!! 俺は断じてそんな不埒な事を考えたりなんてしませんし、変な手だって出したりもしませんッッッ!!」
「そうだそうだ!! もっと言ってやれジェノス君……!!」
「しかし、もし今回の一件が切っ掛けで彼女の将来の道が閉ざされるようであれば、俺が男として責任を持って娶るくらいの心積もりと覚悟は出来ているつもりです……っ!!」
「ジェノス君!!???? 君、今自分が何て言ったかきちんと理解してるかい!? もしくは、脳味噌ちゃんと機能してる!? もしジョブじゃないのなら、もっぺん博士んとこ行って直してきてもらった方が良いんだぞ!!!!」
「安心しろ……昨日までのお前と違って、俺はまともに機能しているし、理性に対する動作加減も正常範囲内だ。加えて、今言った事は全て本気で言った事だ。もし、本当にお前がそういう運命を辿る事となるのなら、その時は、俺がきちんと正式な手段を以てして娶ってやる。望むのなら、博士に言って子供だって作る事もやぶさかではないぞ。どうだ? 此れでも俺の言う事を疑うか?」
「ちょっ……まっ……一旦タンマ……ッ。一回、深呼吸する間をくれっちょにゃ……っ」
「おー、俺が代わりに許可してやるから、落ち着いて存分に息吸えーっ」
 飛んでもな展開に、動悸凄まじく分かりやすくテンパりを見せた彼女が、一旦クールダウンする時間をくれと宣言してくる。此れに、回答者代理としてサイタマが一方的に許可した。
 お言葉に甘え、「ッスゥーーー……」と思い切り数秒間たっぷり深呼吸をして一先ずの落ち着きを取り戻したレオは、改めて口を開き直す。
「どうも、すみませんでした…………っ。其れで……もう一度、改めて聞き直すけど……ジェノス君、今のはガチの本気で言ってる? マジで正気か……??」
「ガチの本気で言っているし、マジの正気で物を言っている」
「おぅふッ…………一応、念の為、億が一や万が一の為の確認で問うが……俺氏、既にサイタマ氏よりも一つ歳上の女よ? 此れまで一度として彼氏なんぞ天然記念物作った事が無いような、恋愛経験値/zeroの、独身貴族謳歌中なヲタク喪女の、世で言うところの半ば行き遅れた末期で残念なお姉さんなんぞ……? 良いか、もっぺん念を込めて言う……現実を見ろ。俺はお前の相手にゃ不釣り合い過ぎるにゃ。よって、この場は破談という事で、この話は無かった事に――、」
「何故其処まで己を卑下してまで断ろうと躍起になるんだ? 逆に言わせてもらうが、そうまでして俺からの求愛を撥ね除けようとする意図が分からない」
「全国に数多存在するお前のファンに刺されたくないからだよッッッ!!!!! 本ッ当糞程鈍感な鈍ちんだな!? オイッ!! 少しは自覚を持てよ分かれよ!! でないと俺みたいなのが地味に苦労すんだよ馬鹿ァッッッ!!!!」
「あっ……一応、そういう現実的な部分気にしてたんだな……っ」
「心配は無用だ。いざとなれば、俺が全て排除してやる」
「やだこの子、俺の弟子にしては滅茶苦茶漢前な事言うじゃん……!」
「何でお前ェがときめいてんだよ……ッ。もういっそお前等師弟二人がくっ付いとけよ。うん、其れが良いよ。よし、此れにて万事解決だにゃ。用の済んだ俺は帰らせて頂きま――、」
「ちゃんとした返事を聞くまではこっから一歩足りとも外へは出さんし、何ならその腕ぐ勢いで掴んで離さんぞレオ。いい加減、俺の告白に対してお前本心としての返事を返せ。其れ以外は一切受け付けないからな」
「ヴァっっっ」
「ジェノス、いじゃったら此奴の腕元に戻らないから。せめて壊さない程度に加減してやれ? あと、レオの方も、もう観念して素直になれよー……。今んとこ、全くと言って良い程お前に分は無さそうだぜ? とりま、此処は大人しく“ジェノスの女になります”って適当でも良いから答えとけ。んで、早いとこ話締めて飯にしようぜ。マジの冗談抜きで腹減ってしょうがねぇーから」
「ひと・ごと・だと・おも・ってぇ…………ッ!! 分かったよ、もぉっ!! ちゃんと答えるよ!! 本音言ったら、俺は別にジェノス君に対して悪い感情は抱いてなくて、寧ろ好印象な感情しかにゃいので! もし、本当の本気で君がその気で俺の事好きだって言うんなら……っ!! 少しだけ、考えなくも、にゃい……よ?」
 マジを通り越してガチの本気で照れた様子で、言葉尻小声で誤魔化すように締めると、其れを確かに受け止めた彼は表情を和らげ、至極穏やかな笑みを浮かべて笑った。
「という事は、此れから俺は遠慮無くお前へと猛アピールして良くなったという訳だな……? 昨日までの三日間で味わった俺の羞恥を存分に味わうが良い。覚悟しておけ」
「うっわ。物凄ェ悪……ッ、否、良い笑顔浮かべて言うじゃんジェノス。我が弟子ながら恐ろしく思うわー。とりま、話は終わったって事で、飯にしようぜ!! もぉーっ、俺腹減り過ぎて超ぺこぺこなんだけどぉーっ」
「ハイ、先生! 即行でご用意しますので、もう少々お待ちくださいね!!」
 すっかりいつもの調子に戻った弟子は、今期一のレベルで上機嫌にニッコニッコと笑みを浮かべながら、ちょっ早で昼食を作り上げた。勿論、未だ半端に猫化の残る彼女には別に専用の御飯も用意してみせる完璧さで。此れには、最早何も言えなくなったのか、黙って有難く頂きつつ、完食した。


 ――一方で、彼女が気にする己の預かり知らぬところの三日の内、盛大にやらかした昨日の一件について。
 ネット界では様々な感想が飛び交っていたが、概ねは明るめの印象な評価が多く。中でも、某掲示板ではこのようなコメントが見られたと言う……。


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【昨日の某ヒーロー二人の間で起こった衝撃的事件について語ろうぜ板】


・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
ねぇねぇ、昨日の怪人とヒーローの戦いの場面見た?

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
見た見た〜(*´∀`*)
アレでしょ?
今回も鬼サイボーグがボロボロになりながらも戦ってくれてたって話!

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
いや、俺氏が言いたいのは、そっからもうちょい先の話でな?

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
あー、もしかして例の劇的衝撃の走ったワンシーンの事?
俺、丁度リアタイで見ててマジ驚いてさー
思わず口に含んでたお茶吹き出したわwww

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
何ソレ草www

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
俺の個人的解釈からの感想を述べるとさ。
身動きの取れなくなった鬼サイボーグを身を呈して庇いながら敵に立ちはだかるレディー・キャッツの姿は、最早傷付いた我が子を護らんとする聖母の様だったと感じたんだぜ……。

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
マジそれな<・><・>

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
↑の圧力よwww
でも、言わんとしている事は分かる。

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
その流れからの、かの美しきワンシーンに繋がる訳ですよね、把握。

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
あー、あの巷の一部じゃ神聖化されつつある、ここ近年で最も衝撃的な瞬間のアレな。

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
アレは、きっと、傷付いた我が子にこれ以上無理はせずに休んでいなさいとの意で、慈しみと愛慕を含めた母からの慈愛の口付けだったんだよ。
絶対にそうだと、俺は全財産を賭けて言えるね。

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
≫■■■■ 間違いない!(^^)d

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
もしくは、戦い疲れた姫ならぬ騎士と書いてナイトと読むパターンの姫ポジサイボーグを、麗しのキスで癒す或いは目覚めさせようとする聖母マリアなる存在とか?
端的に言って纏めると、見方によっては眠り姫を起こす王子様のワンシーンにも見えなくもなかった……って事が言いたかった!

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
≫■■■■,■■■■ なるさす解釈あざっす!! どっちも素敵な解釈で甲乙付け難いわ!!

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
でも、一部の批判派の奴等は、「あんッのぽっと出のメスネコめ! 今度ジェノス様に近付いたらタダじゃおかないんだから!!」〜……とか何とかっつって騒いでたな。

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
そんなん器ちっさい奴等の戯れ言だよ。
気にするだけ無駄無駄ァ!!

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
唐突な世にも奇妙な●ョジョネタで鼻水吹いたじゃねーか、どうしてくれるwww

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
≫■■■■ まぁ、コレでもやるからオチケツ(*´∇`)っティッシュ箱

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
≫■■■■ ご丁寧にあんがとよwww(盛大に鼻を噛む音)

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
まぁ、要するに、この板見てる大抵の奴等が例の件を容認した上で、今後も二人を生温かく見守ってく……って事でおk?(・ω・)?

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
おk〜ノシ

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。
とりま、■■■■の奴が要約して纏めてくれた意見に賛同する奴等、全員挙手な!

・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。


・■■■■:通りすがりの名無しの一般人です。


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※この後、挙手コメが延々と続いて投稿され、以降は緩い流れで当該板は保守されたと言う。


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 結果的結論を述べると、彼女が心配していたような事態には一切陥る事は無く、世の中の大多数の者達が二人の今後の行方を緩く温かく見守ったのであった。
 また、最後に補足すると……。
 彼女の半猫化の影響が完全に無くなるには、更に追加して四日程掛かったのだそうな。つまるところ、総計して約一週間まるっと半猫化の症状に悩まされた訳である。
 そんな彼女の様子を最も近くで観察していた師弟二人は、終始和やかな様子で且つ内心癒されていたとの事である――なぁんて事は、彼女にバレては後が無いので、此処だけの内緒話だ。


執筆日:2023.02.21
加筆修正日:2023.02.23