あゝ、雨が降っている
よく分からない感情に苛まれる事がある。
ふとした時だとか、寝起きに寝床で寝転んだまま布団の中でポチポチとスマホを弄っている時だとか。その時々で条件は異なるけれど、概ね似たようなものだ。
手元の小さな画面をずっと眺め続けていたら、時折、変に目が潤んで涙の膜を張る。別に悲しくなどないのに、干渉に浸るような場面でもなかったのに。何故か、意図せず涙の膜が視界を覆う。そして、湛え切れなかった分が瞬きの折に粒となって目尻や目頭から溢れて、鼻筋や
分からなかった。何故、そんな現象に陥るのか。
でも、人間、感情が揺れ動いた時に泣くのが自然な事だろう。人は、怒りや悲しみ、または喜びから来る感情の起伏でも涙する生き物だ。だが、時折そういう器官がバグってしまう人間が居る。感情と切り離されたように誤作動を起こしてしまう例だ。“目が疲れてしまったから”という理由も大いに有り得るだろう。けれど、勝手に意図せず溢れてくる意味を、己は未だ解せずに居る。
――あゝ、雨が降っている。
後書き
※原文は此方より。
初出日:2024.03.28/加筆修正日:2024.05.10