バイオレット
フリレンシオ

2022/12/29 12:35

(クSパTラ♂)
17歳、男性、165p
一人称:俺
二人称:お前

大貴族・フェスティバス家の現当主の孫。大貴族ならではの傍若無人さと貴族の世界以外を知らぬ故の純粋さを併せ持つ。
大昔、近親婚を繰り返したフェスティバス家であったが、ここ200年ほどはそれもやめ正常に戻っている。
が、未だ病気を持った子が産まれ、呪いのようにフェスティバス家を蝕んでいる。

フリレンシオもまた病弱で華奢に生まれ、両親はそんな彼を心配し、幼少時はフリシアと女性名を名付け、女子の洋服を着させて病に彼を連れて行かれないよう過ごした。
未だ病弱ではあるものの、正に温室で育ったフリレンシオは外の世界も見てみたいとデンツァーと共に家を出たのであった。幼少より周りを医者で囲まれ転ばぬよう走らないよう厳しく言われてきた為、デンツァーと外に出て最初にしたのは野を駈ける事だった。

デンツァーとは長い仲でフリレンシオがまだ小さい頃に彼と彼の父とで南の方からやってきた。彼らは住み込みでよく働き、文句一つ言わない優秀な下働きだったが、フリレンシオの従兄弟や伯父らは彼らの事を毛嫌いして、何も言い返せないのをいい事に身体に火を押し付けたり、食事にゴミを混ぜたり酷い扱いをした。
フリレンシオはまだそれらの行為の悪質さをよく分かっていなかったが、従兄弟らの猿真似をしてデンツァーを馬鹿にしていた。ある日、一人で歩いていた所をデンツァーに物陰に連れて行かれる。
デンツァーは別に何も言えなかったのでは無くそれをしなかっただけであった。
「お前らが下の者を意味も無く害すのなら俺もお前の事をとことんやってやる。俺からしたらお前が俺にとって扱いやすい下の者だからだ」
よく分からなかったが、あまりにも恐ろしい迫力だった為その忠告以降、デンツァーに関わるのはやめた。フリレンシオがつれなくすると従兄弟らも継承権1位のフリレンシオの気を悪くしたのか、と次第にデンツァー父子を攻撃するのを辞めた。
その後暫くデンツァーの姿は見かけなくなって(何でも使用人の養成学校に通っていたらしい)、戻ってきた時には自分付きの使用人となっていた。あの時の衝撃は忘れられない…。

外の世界に憧れる様になったきっかけは奇しくも己が病弱である事だった。
フェスティバス家の継承権第一位の自分であるが、どうせ跡を継ぐまでは生きられない、もし生きられても子は成せない。そして自分の身体を治療する為にやってくる異方からの医者らの長い治療の慰めがてらにするその土産話の何と魅惑的な事か。
ーどうせ死ぬならその前に広い世界を見てみたい。
そう思い反対する周囲には半ば脅しの様に言って家を出てきた。

痩せて貧弱な身体がコンプレックスでボリュームのある物を身に付けがち。だが疲れてよくデンツァーに持たせている。

「外の世界は何処までも続いているのだな、こう、何処かで途切れてしまっているのだと思ったのに。」
「デンツァー、重いから守ってくれ」
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