2
『な、なにィィィ!』
『ひきちぎると くるいもだえるのだ 喜びでな!』
げぇぇ!
悲鳴と血飛沫とホラーでも見ないようなグロさマシマシの光景に飛び起きる。
バクバクと音を立てる心臓、冷や汗がこめかみをつたう。きもちわるい夢を見たものだ。口の中が乾いている。
はたと瞼を開ければわたしは何か柔らかいものを握っていた。白い…布団みたいなものだ。よく見れば私は白いベッドに入っている様子。天井も白くて横を見ればこれまた赤いシミの着いた白いカーテ…ン?"赤いシミの着いた"?
よく見ればただの赤色じゃない、さっきの夢でもみた、血の色だ。これだけ赤ってことはまだ新しい…新しいィ?!
理解が追いつかない状況で恐る恐るカーテンを開けてみる。目に飛び込んできたのは床には血まみれで転がる白衣の女性、そして棚にぶつけられたように転がって一点を睨むモテ男。その目線を辿ると、人形を操る学ランの男子生徒がこれまたモテ男を見下げていた。
…。
とりあえず分かったのは、"どえらい事になっとるがな。"ってこと。なにこれ?私があんまり行かなかっただけで高校の保健室ってこんなの日常だったの?こわいよこの状況。いやでもおかしいでしょ、日常がこれだとしてもおかしいでしょ。保健室って体調悪かったりすると来る場所だったよね?あってるよね?
白衣の女性…女医だろうか。彼女は意識が無さそうだ。え?まって死んでないよね…え…。
よく見て見てると僅かに息がある様子。よかった。しかしまた大きな発見をしてしまった。なんか床に緑色のキラキラが蔓延っている。しかもさっき見かけたやつだ。元を辿ってみてみると顔っぽいものにたどり着いた。
「…。」
ハハッ、さっき落ちた時にまた頭でも打ったらしいな。もう一回寝るか。
静かにカーテンを締める。私は決めたぞ。もう一度寝る事をな。おやすみ世界、今度は天国にちゃんと行けますように。地獄には行きたくないです。
枕に頭を置いて掛け布団を胸元まで引き上げる。ふかふか。さーてスヤスヤしよ。
「これはJOJO…おまえのせいだ。おまえがやったのだ。
最初からおとなしく殺されていればこの女医は無傷で済んだものを…
そして、そこの女子生徒もなッ!」
なんでやねん。
そんな言葉が喉から飛び出る前に、目にも止まらぬ速さでカーテンが開かれてエメラルドキラキラうねうねが私に向かって飛びかかってきた。こんなのどうやったって避けられないよ!