序:「はじまり、はじまり」



 ――人生というのは他人ひとが思うより非凡で、自分が思うよりも平凡だ。
 自分が何より特別だと信じて疑わないようになれば、きっと物語は君のためだけに始まるのだろう。

「……それが三文芝居でなければいいのだがな」

 童話作家・・・・の名を戴いた彼は皮肉るような声色で嗤った。さて、いったいこの少女の物語≠ヘどのようにして始まり――どのようにして終わるのだろうか。
 俺には関係のないことだが、と前置きし、彼は短いため息の後に手にした本のページをめくる。

「――では、始めよう」

 なんてことない、どこにでもいる少女と、どこにでもいるようなサーヴァントが一人。彼女たちが出会うことになる――なんてことない、非凡で特別な事件の物語を。

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