「みんなは将来、どんな忍者になりたいですか?」
アカデミー時代、こんな質問をされたことがある。みんなは将来どんな忍者になりたいですか?と。
「ねぇ、ネジはどんな忍者になりたいの?」
「…言いたくない」
「そっかー、私はねー」
「聞いてない」
「医療忍者…には、興味ないから普通のくノ一でいいかなーって思ってるんだー」
ネジは答えてくれなかったけれど、無視もしなかった。そんな彼に甘んじてナツメはつらつらと語っていく。
「…なぜ医療忍者が出てきた?」
「どうしてだろうね…私にもわかんないや」
「…変な奴だな、お前は」
どうしてかわからないけれど、医療忍者には興味なかった。それどころか医療忍者を見かけると胸が苦しくなったのだ。どうしてか医療忍者にだけはなりたくない。この時はまだそう思っていた。
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「風邪引くぞ…」
「ネジ…」
「…なんだ?」
しとしとと雨が降る中、三代目の墓跡を眺めているとすっと差し出された傘。くるりと後ろを振り向くと、そこにはネジが立っていたのだ。
「覚えてる?アカデミーの時、どんな忍者になりたいかってお題が出た時のこと…」
「…ああ」
「私、なにも書けなかったの…医療忍者にも興味ないし、普通のくノ一でいいやって思ってたけど…」
ナツメは人生に迷ったらまずここにくることにしていた。本当は三代目から直接助言を頂きたいところだが、石が喋るわけでもない。ただ虚しい時間だけが過ぎていくが、それでも確かに感じるものがあった。
「今日からあたしが、木の葉の里を収める!五代目火影だ!」
「五代目火影、か…」
「どうした?」
三代目は影に次ぐ、五代目火影様が師匠になったらどんな感じなのだろうと。少なくとも母親の書庫を差し出してくれるのだろうが、ツナデ様は私になにを教えてくれるのだろうと。ほんの少しだけ興味があった。
「今までは私は私の道をいくってのが私の忍道だったけど…たまには誰かを頼るのもいいのかもなー…なんてね」
「そうか…」
「なせばなる…」
今までは自力でなんとかしてきた。でも、これからはそうはいかない壁ができてしまった。自分のやり方を変えてうまくいく自信はないが、成せばなる。為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけりなんていうことわざもあるくらいだ。
「ツナデ様」
「ん?」
「いえ…五代目火影様」
「なんだ、改まって」
「お願いがあります…」
これを忍道にするつもりはないが私が頑張らないで誰が頑張るというのか。こうなってしまったからには後戻りはできないししたくもない。
「貴女の弟子になります。…だから、リーのリハビリを続けさせてください」
「いいだろう…では約束通り、ナズナの書物庫をやろう。お前を鍛え上げることもできるし、これで、交渉成立だな…」
「ー…はい」
まずはリーの手術からだ。彼のリハビリを中断させるわけにはいかないと覚悟を決めたナツメはしっかりとツナデの目を見据えた。
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