05

「あれは…」

会場まで走ると、そこには日向家の長老が倒れ込んでいたのだ。

「長老様!」
「ちょっと、大丈夫!?」
「うぅ…」

彼らの側にはキバと赤丸も倒れ込んでいたが、幻術の影響は受けていなかったらしい。

「追え、命に変えても奪還せい!」
「わかりました…」
「待って、ネジ!あたしも行く!」

長老によると、ヒナタが連れ去られたというのだ。攫ったのは観戦に来ていた雲隠れの二人の忍。この騒ぎに乗じれば白眼を里の里に持ち出せると踏んだのだろう。

「ネジ…!」
「よかったわね、お互い無事で!」
「あのよ、ネジ…その、色々悪かったな」

白眼はネジの父親も命をかけた重大な秘密。奪われることなどあってはならない。そのための分家だ。

「…ん?」
「どうした?」
「…虹?」

ネジを小隊長とし、テンテン、キバ、赤丸、ナツメのフォーマンセルで追いかける。なんとかヒナタを奪還すると、ナツメはふと空を見上げた。

『わあ、お爺様、見て!虹!』
『おお、立派なものじゃ…ナツメは虹が好きか?』
『うん、大好き!とっても綺麗だもん!』
『虹は昔から蛇を象徴するものとしてな、不吉なことの前兆であるとも言われておるのじゃよ…』
『あんなに綺麗なのに…?』

さっきから気になっていたのだ。二重に光る珍しい虹に。自分の幼い声とお爺様の言葉が蘇ってくる。

「ナツメ!?」
「どこに行くのよ!」
「ごめん、先に戻る」
「オレ達も行くぞ!」
「ええ!」

なにか嫌な予感を覚えたナツメは咄嗟に会場へと戻った。