Before,(ルック)

なんだか今日は落ち着かない。
どこがどんな風にって聞かれたら困るけど。
強いて言えば、右手に宿る真なる風の紋章が

真の紋章が近くにある・・・・・?

今日の訪問者は赤月帝国の使者だったはずだけど。
その中に継承者が?
それとも皇帝陛下直々のお出ましとか?

違う。この禍々しい気は・・・・・・

行ってみよう。
ここでじっと待っているよりは格段にいい。
ただ待っているなんて僕の性に合わないんだ。

僕は見極めなければならないから。

天魁星。
それは僕の居場所なのか。
そこで僕は何をしなければならないのか

運命に逆らうことは決してできないのだけれど。

天魁星に属するそいつは、きっと自分の運命なんて知る由もないのだろう。
そしてそいつは自分の意思に従って動き出す。
それが運命で決められたことだとは露とも知らずに。

僕って、捻くれてるのかな?

こんな風に生まれていなかったら、
こんな紋章を宿していなかったら、
僕はもっと別の生き方が出来ていただろうか?

海岸から続く森から、そいつとそいつを守るように寄り添う人たちが姿を現した。

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