高校一年 04/09(水)
朝買ったおにぎりと菓子パン持って屋上に向かった。気づけば弥栄がおらんようなっとったけど、まぁええか。すぐ来るやろ。で、えーなんやっけ。
「新しいマネージャーの件やけど。」
白石の言葉に揃いも揃って顔を曇らす。やって目に見えとるやん。また同じこと繰り返すんか。全員一致で新しいんは要らへんっちゅー結論でええと思うんやけど。そうもいかんの?
「俺は、弥栄さんにやってもろたいんやけど、みんなは?」
「……」
「早苗、お前の考えを言うてみ。」
早苗はめっさ顔を青くしとった。そらそうやわ。苦い想い出めっさあるやから。代わりに俺が口を開いた。
「マネージャー、要らへん思うけどな。」
「オサムちゃんに入れろ言われたんや。」
「え、オサムちゃん?」
「転勤したみたいやで。」
「はぁ?こない近場にか?」
白石と謙也の会話をよそに、俺は早苗の様子をうかがった。やっぱり、嫌やな。
「アタシは蔵リンに賛成やで。舞ちゃん、ええ子やもん。」
「自分の意見も言えへんただの弱虫やろ。」
沈黙。めっさ睨まれとる。けど俺は屈せず。せやかて、本当のことやろ。
「…舞ちゃんは変わりたい思とるやろ。ユウくんはその可能性まで踏みにじるんか。」
小春の真剣な眼差しに、ぐうの音も出てこーへん。そうや。俺さっき頑張れ言うた。俺自身、応援しとるんやろ。
「なんや、舞ちゃん遅いわぁ。蔵リン悪いんやけど、探して来てくれへん?」
「小春!?」
「うっさいで一氏ィ!しゃあないやろ、食べ終わっとるん蔵リンしかおらへんのやし〜」
ほな、よろしゅうねー言うて白石を見送る。早苗が不安げに白石の背中を見とって、不甲斐なさを感じた。今日昼買ってこなきゃよかったァ!
「早苗、はよ食べ終えて行くで。」
白石が弥栄をマネージャーに誘うんは目に見えとった。せやから菓子パンを口に詰め込んで、早苗と一緒に屋上から飛び出た。4組の教室にはもう人だかりが出来とって、そん中突っ切った。
「…う一人増やせ言われたんや。これは一部員としての考えなんやけど、俺は弥栄さんにやってもらいたい。」
会話途中やった。けど間に合った。ざわざわとギャラリーが声をもらす。俺はすぐさま教室内に入ろうとしたんやけど。早苗は俺の手を引っ張って、首を横に振った。
「な、ええんか!あいつマネージャーなっても!」
「…しゃあないやん。白石が決めることなら、あたしは文句言えへん。」
そないに眉間シワ寄せて。こん時は、白石が憎かった。けど、弥栄はやっぱり俺の予想のナナメ上をいく。
「わたし、…マネージャーは……やりません…」
シンと静まり返った教室で、誰もが息をのんだ。今まで、おらへんかった。みんな自分からやりたい言うとったのに、今回は前代未聞の白石からの指名で、せやったのに断るなんて。誰がそんな予想をしたやろ。