「遊真くん、B級上位くらいの実力があるなら模擬戦しようよ」
「ほほう。それは是非ともお願いしたい」


ご飯も終わり、皿洗いだけ手伝って、食後のリラックスタイム。
模擬戦をお誘いしたら快く承諾してくれた。小南が自信を持ってアピールしてきたのだから、遊真くんの実力は凄いのだろう。戦うのが楽しみ。今からやる?と移動しようとしたとき、とりまるくんに引き止められた。


「なまえさん、修も少し見てもらってもいいですか?」
「ん、いいよ。でも私小南と一緒で上手く教えられないよ?」
「それどういう意味よ!」
「大丈夫です。銃手ではなく射手視点だとまた違った気づきがあるかもしれないので」


とりまるくんは小南を華麗にスルーした。慣れてるなぁ。
後ろで小南がわーわー言ってるけど、迅がなだめてくれてるみたいだし、私もとりまるくんを見習ってスルーしよう。


「え、みょうじ先輩は射手なんですか?」
「うん、そうだよー。なんだと思った?」
「空閑とランク戦やろうって言っていたので、てっきり攻撃手かと…」
「まあ、そう思うよね」
「というかだね、修くん。正確にはなまえちゃんは射手でもなくって、レイジさんと同じ、パーフェクトオールラウンダーなのだよ」


栞ちゃんがそう言えば、「え!」といい反応を見せてくれる修くん。そういう素直な反応好きだよ。
遊真くんは「ふむ、そうなのか」となんだか納得した様子。白い頭を撫で回したい衝動から目を逸らすために顔をあげれば、雨取ちゃんが目を丸くしてるの見ちゃった。ええなにあれ、超可愛ええ。なんだこの天国は。


「待って栞ちゃん。そんなレイジさんと比べたら大したもんじゃないって。私、狙撃手ムリだもーん」
「でも6000点分は稼いだんでしょ?」
「そのくらいは……だって昔だよ? 今の狙撃手、腕良すぎるって。私の腕じゃ恥ずかしくてパーフェクトオールラウンダーなんて名乗れないわー」
「それなら千佳と一緒に狙撃練習していけばいいじゃない」
「えっ……それは玉狛で?」
「玉狛で。練習したあと夕飯食べて帰ればいいじゃない」
「…まじで?いいの?」
「いいんじゃないかなー今だって玉狛所属ですかってくらい来てるし。ね、レイジさん」
「ああ。一人増えたところで大して変わらないしな。お前はもっと食生活に気をつけるべきだろう」


レイジママきた…
じゃなくて、びっくりするほどどんどん話が進み、さらっと玉狛で狙撃のコソ練をすることが決まった。まじで玉狛の一員になりつつある。玉狛所属のとりまるくんより居ると思う。でもここ居心地いいもんなぁ…

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