Long StoryShort StoryAnecdote

やけあと


5.陸と一馬、そして歩夢


 歩夢はいつも、陽の当たらないところを歩いてきた。引っ込み思案で自分にあまり自信がなく、人と広く親しめない。そんな自分でも陸だけは親しく接してくれていたが、その優しさが他の人にも、とりわけ年下の一馬に大きく割かれることに密やかな嫉妬を抱いていた。
 けれど今──歩夢はこれまで知り得なかった感覚に目覚めた。自分の身体が男達の欲望の捌け口にされているというのに、自分を奪い合われるかのような状況に倒錯的な悦びを見出したとでも言おうか、肉体だけでなく心までもが男達に征服されることで満たされていく。
「は、ああっ……、ん、んっ、んぁ……っ! だめ、だめだめ……やだっ、」
 歩夢は泣きながら、しかし男の上でいやらしく腰を捩る。歩夢が腰を振る度に淫らな音が響き、さらに男が捏ね回すように腰を使えば、歩夢は堪らないとでも言うように甘い声をあげた。
「誰だって好いんだろ? 歩夢のここ、気持ち好くしてくれるなら」
「ちが、ぁ、あぁ! あぁあ!! や、やだぁ……ッ!!」
 それでも口では拒み続ける歩夢だったが、引き寄せるように腰骨を掴まれひと突きされると男の胸に顔を伏せ、骨の浮き出た小さな尻をビクビクと痙攣させた。
「はぁっ……ン"〜〜ッ!!」
 歓喜の声に、男はむしゃぶりつくように歩夢の唇を奪った。
「ぁ、歩夢……、」
 陸は、友人が後戻りできない領域にまで連れていかれる過程をただ見ていることしかできなかった。当然ながら、歩夢が抱える劣等感の遠因が自分にあるとは知らずに。
「よそ見してる場合じゃないぞ。陸にも気持ち好くなってもらわないとなぁ!」
「う、あっ!? ──あっ!!」
 四つん這いの状態で突き上げられていた陸は、両の腕を後ろから掴まれた。鞭打つかのように肉と肉がぶつかり、肌を打つ衝撃が頭に響く。馬車馬のように掴まれた腕を引かれる度に、野太い剛直に中を擦りあげられた。
「はっ──ひ、ぃうっ!! ──ぅあっ!?」
 男が動きを止めると陸の尻が大袈裟なほど跳ねた。まるで自ら快楽を得ようとしているかのような腰の動きだったが、絶頂による生理的な痙攣だった。男はひと息おいてまたピストンを再開する。陸は悲鳴のような声をあげて連続絶頂するが、男はまだ──同じことが繰り返されると、陸は切羽詰まった涙混じりの声色で「まって、まってまって、」と縋るように早口で繰り返した。しかし男は陸の身体を捻るように押さえつけるとさらに挿入を深める。
「ン"ア、ゃあ"ぁあア"──〜〜ッ!!」
 ただでさえ体格差がある。陸は抵抗もできずに弱いところを突き上げられると地面を掻き毟るようにのたうった。両肩を押さえつけられて、あるいは髪の毛を掴まれ弓形に背を反らせてと、暴力的な強制性交に陸は翻弄される。
「お前が雌犬だってこと、ここでわからせてやるよ!」
 息も絶え絶えの陸の腰を、男が両手で押さえつける。上から体重をかけて身動ぎさえ封じると、抉るように腰を打ちつけた。
「ア"あぁ──ッ!! だめ、だえぇぇぇッ──〜〜!!」
 陸の尻肉が餅のように弾かれ、斜め上から突き刺すような角度で凶器が穿たれる。これまでとは違う弱点を突かれた陸は割れんばかりの絶叫を喉から迸らせた。
「そこや、やだあぁッ!! あ"あァ!! ィあ"ああ!! ア"ぁぁぁあ〜〜ッ!!」
 語尾は上擦り、震える。男がひときわ強く突いて動きを止めると、陸の尻がガクガク、ブルブルと大きく跳ねた。
「ヒッ……!! ひぅッ……!!」
「そーかそーか、ここが好いか。1人でずっとイきやがって!」
「ひ、う、クゥン"……!!」
 男は微かに息を荒げながらもニヤリと嗤い、
「陸は男の子なのにケツマンコガン堀りされてアクメしちゃうのか? ほら、もっと感じろ。イけ、イけ!」
「ひぃ──ッ!! やだっ!! ぃや"ぁぁあア"ぁッ!!」
 まさしく拷問を受けているような絶叫は、ただでさえサディストの傾向がある男の嗜虐心を殊更に刺激した。剛直を深く突き込まれる度に、陸の尻は恥ずかしげもなくビクビクと弾む。陸の絶頂を知っても、男は性器を抜かずにマイペースで乱暴なピストンを続けた。
 敏感な襞を擦りあげる肉棒は互いの分泌する粘液でぬめり、熱い媚肉はよりいやらしく絡みつく。
 陸の泣き濡れた顔は、触れれば火傷しそうなほど真っ赤だった。ヌチャヌチャと卑猥な音が自分の身体の内側からするのがどうしようもなく恥ずかしいのに、その羞恥心でますます興奮してしまうことがよりいっそう陸の心を辱めた。
「だ……め、だめ、らぇっ……も、ゆるひで、こんな、のぃやらぁ……っ」
「嫌じゃねーだろ? さっきからずーっと、俺のチンポにぎゅーぎゅー吸いついてるぞ」
「あ、あっ、だめっ! そこゃめ、やめまっ……ぁア"──ッだめぇえゃめ、や"ぇえ"ぇぇぇッ──〜〜!!」
 訴えを無視して、男は陸の頭を床に押さえつけながら乱暴に突き上げた。
「おら、おらっ!! チンポでガン突きされて悦んでるくせに!!」
 バチュバチュッバチュッ、バチュッ!!
「待っでぇッ!! イ"っだ、イ"っでるからぁ!! う、うう、え"うぅ、うぎ!! ひうぅ、もうやめ、やめでえ"ぇぇっ!!」
 男は泣き喘ぐ陸の脇の下に腕を潜り込ませると、その小さな背にべったりとのしかかるようにして突いた。
「あ"ぁあぁぁあ"──〜〜ッ!!」
「陸の1番気持ち好いところに出してやるからな……っ、誰も届かない、奥の奥に……忘れられないように植えつけてやる……!」
「むりっ!! もぅむりむイ"ぃっ……!!」
「ああ好い、出る、ああ、ああ、はぁ、イくイくイく、イ"──ッ……!!」
 逃れられない連続絶頂に泣き喚く陸の腹の奥で、男のものが膨張する。陸はきつく目を閉じた。男は蕩けるような媚肉の痙攣と締めつけを味わいながら、勢いよく射精した。
「おっ……!! ふぅ……う、ううっ、出る……っすげぇ、出てるっ……!!」
「ひっ、ぎっ──、ぃやあ"ッ──〜〜……!!」
 熱い飛沫は縫うようにして幼い肉体の未開の地を汚し、所有の刻印を焼きつけるようにゴリゴリと抉る。
「はぁうっ、ンア"ぁあ──〜〜ッ!!」
 下腹から脳天まで快楽に撃ち抜かれたかのように、陸はキツく眉を寄せて大きく開けた口から舌を突き出した。
「あ……ッ、が、は……ッ!!」
 陸はもう、自分がどんな声をあげ、どんな顔をして、どんな形をしているのかさえわからない。ただ、自分ではないものが体内で脈動し、その異物が自分を侵略していくのをまざまざと実感していた。
「はぁ、ああ……すっげぇ、カリ首がトロトロの粘膜に揉みくちゃにされてる……っ♡ジュパジュパ吸いついて……う、ううっ! 全部搾り取られちまうぅ……っ♡」
 男は自分が享受した肉の悦びを口にしながら、その余韻までも存分に味わった。吐き出したものを掻き混ぜるように奥でピストンを繰り返すと、その度に陸は間欠的な喘ぎをあげ、火照った身体は小刻みに跳ね上がった。
 激しい痙攣も止み、男は嘆息しながらきつい締めつけを惜しむようにゆっくりと性器を引き抜く。亀頭部が秘部の縁を抉じ開けるようにして引き抜かれる瞬間にはにゅぼ、と卑猥な音がし、中から引き連れた白濁が陸の尻をトロトロと伝って床を白く濡らした。
「は、……はぁ、はァ、……ン、ぁ……」
 陸は切ない喘ぎをこぼすと荒い呼吸を吐く口の端からだらだらと唾液を垂らしていた。深いところに吐き出された男の精液は秘部からとめどなく溢れてくる。両足を開いたまま完全に地べたに突っ伏した陸は、陸上げされた魚のように腰だけをビクビクと跳ねさせた。

「──さて、じゃあ最後のローテーションかな」
 言ったのはベンチにかけたまま一馬に口淫を強いた男だったが、口元を白濁で汚した一馬を自身の太腿の上で体育座りさせて抱え込んでいた。一馬は放心したように床を見つめている。その後孔には男の性器が嵌められており、すでに中に吐精されたのだろう、泡立った精液が結合部でヌチャヌチャと音を立てていた。
「あ、約束破り! せっかく陸が頑張ったのに」
「一馬の口小さ過ぎてフェラじゃ物足りなくてさぁ」
 悪びれもなく男達は嗤うが、約束を反故にされた陸の意識はまだ戻らない。
「歩夢はもっとデカいの欲しがってるから、最後はお前のデカチンハメてやれよ」
 歩夢を犯していた男は歩夢の身体を横抱きに抱え上げた。歩夢はくったりとしなだれて、全身を上気させている。その表情は他の2人の少年とは様相が違い、この状況にも関わらずどこか恍惚としていた。
「しゃーねぇ、もうひと踏ん張りするか。歩夢ちゃんも最後まで頑張ろうな♡」
 体躯のいい男は歩夢を受け止めると床に下ろし、ぶらんと垂れた巨根を歩夢の眼前に突きつける。歩夢はゴク、と息を飲んだかに見えた。
「さて……じゃあ今度は俺が一馬で、お前が陸だな」
 歩夢を引き渡した男はそう言って、うつ伏せになったままびくともしない陸の頬をペタペタと叩く。
「おーい、おねんねするにはまだ早いぞ」
 言いながら上体を引き起こす。陸は薄く目を開けると、朦朧としたように辺りを見渡した。そしてベンチに座った男と、その膝の上に一馬の姿を認める。
 さっき見た時よりも乱れた衣服の様子や顔を濡らす体液、何より茫然自失した一馬の表情を見た陸は目を大きく瞠った。
「かず……、なんで、一馬には手を出さないって……!」
「陸が途中で気をやっちまったからだよ」
 陸が意識を失う前にすでに一馬を犯していた男だったが、そう嘯いて一馬の髪に唇を寄せる。陸に名前を呼ばれた一馬はようやく意識を取り戻したかのように顔を上げると、唇を震わせながら大きな瞳に涙を溜めた。
「そんな……一馬、ごめ……っ」
 2人の男は目で合図し合った。一馬を抱いた男は繋がったまま立ち上がると陸の方まで歩き、一馬と陸とをトレードした。一馬を引き受けた男は一馬の後ろから膝裏を掬い、幼い子供が用を足す時のような格好を強いる。先まで犯されていた後孔からは、中に出された白濁が滴った。
 同じ体勢で陸も持ち上げられると、2組は向かい合った。
「そぅら、ご対面〜♡」
「あ……ぁ、やめ、」
 陸は精液まみれの秘部にまた、熱く硬いものが押し当てられるのを感じた。身体の自由を奪われた陸は、自重でそれを飲み込んでいく。
「は、うっ……!」
 さっきの男ほどではないが、長い──先端が一気に深いところまで届く恐怖感に、陸は奥歯を強く噛んだ。そして、怖いはずなのに腰骨にビリビリと電気のようなものが走るのを感じる。それが快楽の前兆だと、陸の身体はすでに覚えてしまっていた。
「お〜〜っ、ガバガバになっちまってるかと思ったけど好い感じ……つーか中ぐっちょぐちょでうねってて、挿れただけでヤバ!」
「ひ、うっ……や、やだ……見るなっ」
 腕ごと掬われた陸は顔を隠すこともできず、必死に首を逸らす。正面には一馬の目がある。
 お互いの裸は川遊びやプール、風呂などで何度も目にしている。けれど陸の性器が反応して大きくなっているのを一馬が目にするのは初めてのことだった。
「な、見てみろ一馬。陸のチンポもこんなに大きく硬くなってるだろ? 男が気持ち好いことした時にはこうやってチンポがデカくなって勃つんだよ。これは陸がおにーさん達にお尻突かれて悦んでる証拠♡」
「ち、がっ……あ、あっ!」
「はは、見られて興奮してやんの! すっげぇ締めつけてくる」
 陸は顔を真っ赤にしたが、それで下腹の熱が逃がせるわけではない。
「でもまだ陸は童貞だよな。だから一馬、陸を男にしてやってくれよ」
「ぇ……? な、に」
 男達は互いににじり寄ると、2人の少年の股をさらに開かせ、小さな性器同士を強引に擦り合わせる。
「や、あ……っ!?」
 これには一馬も動揺した。小さな性器がプルプルと震え、その先端がぶつかる。しかし陸のものは明らかに硬さがあり、一馬のものとは違う。一馬は驚きのあまり、思わず「見るな」と言われた陸の顔を凝視していた。
 陸はきっ、と対面の男を睨む。
「な、に考えて……!」
「わかってるくせに。お前のペニスを一馬のマンコに突っ込んで、大人のオトコにさせてもらうんだよ」
「は……!? やだ、やめっ……離せ、やめろ!!」
 陸はじたばたと手足を動かしたが、男はまったく動じなかった。膝を抱えた手で陸の性器を掴むと乱暴に扱く。
「ンあっ……! は、あっ!!」
「そら、挿れるぞ……衝撃に備えとけ」
 陸も一馬も怯えながら、しかしどこか興奮を孕んだ目で互いの接点から目が離せなくなる。陸の屹立は比べるまでもなく男達のものより小ぶりだったが、一馬の後孔に触れるとそれはやはり穴よりもずっと太く、押し広げるように埋まっていった。
「ああ、あっ……! や、だめだ……、ゃめっ……!」
「ふぁあ、あ……、あ、あぅ、りっちゃ、ああ……!」
 同時に、自身も後ろに挿入され深く突き上げられた陸は、その勢いに押されて根元まで一気に一馬の中に性器を収めた。
「──〜〜ッ!!」
 ビクビクと震える内壁。ねっとりと絡みつく熱い粘膜は味わったことのないもので、天を仰いだ陸は一瞬何が起きたのか分からなかった。2人の男に蹂躙された一馬の直腸は、大量の精液に汚され濡れそぼっている。ついさっきまで男の性器を出し挿れされていたのだ、入口はぽってりと腫れ、粘膜は熱を持っていた。キュン、とそこが収縮し締めつけられると堪らず、すぐにも射精してしまいそうになる。
 ゆっくりと俯くと、陸の胸に顔を埋めるようにして震えている一馬の頭があった。
「か、ず──」
「はっ……は、あっ……ぁ、り、ちゃ……ん、」
 陸は全身が燃えるように熱くなるのを感じた。守るべき友人を、自分が犯している──不可抗力とは言え、今自分がされていることと、一馬にしていることはまったく同じだった。それは同時に、男に犯された時に否が応でも得てしまう快感を一馬もまた感じているであろうこと、自分が一馬を犯して得られる快感を男達が陸の身体から味わっていたのだと身体でわからさせられた瞬間だった。
「や、あ……待っ、動くな……、やああっ!!」
「ひぃ、ん、ひんっ……! り、ちゃ……りっちゃあぁ……ン"ッ!!」
「陸も一馬のケツマンコの具合の好さに悦んでるぜ? ほら、」
 男が一馬の股をさらに開かせると、2人の少年の顔が間近に近づく。一馬は自分の後孔を犯している陸の顔を真正面から捉えた。
「……り、ちゃ、」
 陸は、男に後ろから突かれながらも欲情した雄の顔をして、その快楽に飲まれまいとするかのように歯を食い縛って一馬を睨んだ。兄のように慕っていた友人からこんな表情を向けられたことのない一馬は、一瞬怯える。
「ごめ、ん……一馬、ごめ……っ」
 しかし絞り出すように吐かれた謝罪の言葉を聞くと、一馬の心は雷に打たれたかのように震えた。陸はこんなひどいことを強いられながらも、まだ自分を守ろうとし、守れなかったことで苦しんでいる。そして、望まない形で一馬と交わりながらも陸の身体は反応し、一馬の中でどんどん男の欲望が増していくのを一馬は感じていた。
 途端、下腹が切なくなって一馬は高い声をあげた。
「きゃぁア"──ッ!! は、アッ……!! や、なんで……っ、はあァンッ……!!」
「ん? あれ、一馬? お友達にケツ突かれて今日イチ感じてんじゃねーの? 締めつけすっごいんだけど」
「ひ、あっ……! あぁ、ひが、ひがぅ……のっ!! ごめ……りっちゃ、あ、ぃああっ……!」
「一馬、ごめんっ……、あ、はぁ、ああっ……!」
 ビク、ビクンッと一馬の身体が震える。それに呼応して陸の性器を食んだ内壁も締まり、陸は快楽を押し殺すかのように顔を顰めた。気持ち好い──友達の、まして自分より幼い少年の身体でこんなことを感じてはいけないのに、男が陸の腰を揺すれば自然と陸の性器も一馬の熱い肉襞に扱かれてしまう。後ろで覚えさせられた快楽とはまた別種の快感が、陸の雄の本能を掻き乱していく。
「い、ひぃっ! ひんっ、り、ちゃ、りっちゃあぁッ……!!」
 一馬の身体は男達に犯された時にも確かに肉体的には反応していたが、今得ている快楽はまったく種類が違った。兄のように慕っていた憧れの友人が、自分の中で性的な快感を得ている。一馬はその事実に戸惑いながらも、言いようのない感覚を感じていた──先までの嫌悪では決してない。
「あう、あん、ああっ! や、だめっ、そこやめ、らめぇりっちゃああぁっ……!!」
 そう叫びながらも自然と、一馬は自ら腰を揺らしていた。より深く陸の性器を受け入れると、一馬は眉を寄せて高く鳴く。
「あんっ! あ、あっ、あっ、あっ、りっちゃ、りっちゃ……!」
「ゃ……ッ!? そんなだめ、ゃめ……ろかずまぁっ……!」
「あ、あっ、あんっ!! り、ちゃ……なら、こわ、くないから……っ、だから、だいじょぶ、だょ……?」
 真っ赤な顔を涙で濡らした一馬がそう言うと、陸は一瞬息を飲み、そしてその瞳をギラリと光らせた。
「お……? おお、いいぞりっちゃん、オトコノコならそうこなくっちゃ!」
 陸を犯していた男は自分の腰の動きを少し緩める。代わりに少年達の身体をさらに密着させると、陸の腰の動きは自ずと速くなっていた。陸は自らの意思を持って一馬の中に性器を穿つ。
「あ、ああっ、あ……ッ! かず、かずまぁ、ごめん、ごめんっ……!」
「いい、いいよぉ、りっちゃ……アッ! ああ、あっ、ああ、あーッ!! ああ"──〜〜ッ!!」
 陸の速い律動に一馬はガクガクと震えると絶頂した。その中で、陸の性器も果てる。人の身体の中に精液を吐き出すのは初めてのことで、その感覚に陸は頭が真っ白になった。身体的に気持ち好いというだけではない。自分の一部を相手に与え、印をつける感覚。自分のものにしたような征服感。それは果たしたそばからさらに快感が増幅され、もっと、もっと先に進みたくなる。
「おーよかったなぁりっちゃん、これでお前も一人前だ!」
「一馬も大好きな陸の精液貰えて嬉しいよな? でもお前にはまだちょっと物足りないと思うから……よっ、と!」
 一馬を支えていた男が、一馬の身体を抱え直す。そしてまだ陸の性器を食んでいるところに自分の剛直を後ろから押し当てた。上気していた一馬の顔が一瞬にして引き攣る。
「な、に……?」
「最初に極太の咥えてたんだから大丈夫だろ……っ!」
 ズン──ッ、という深い突き上げ。
「ヒッ、──〜〜ッ!!」
 一馬も陸も、同時に天井を仰いだ。陸の性器が挿入された一馬の後孔に、男の性器も捩じ込まれたのだ。さんざんそこを蹂躙された一馬とて、それまでに刺激されたことのない場所を擦られて衝撃が走る。陸もまた、ゴツゴツとした硬い肉棒に性器を擦られることになり、果てたばかりだというのに下半身にまた熱が集まるのを感じた。
「陸と協力して一馬のここ、可愛がってやるよ」
「へぁ……っ、あ、あ、あぇ……ぐ、う、う、うぁ、あっ!」
 一馬は揺すぶられるまま身体を上下させ、敏感なところを刺激する異物を受け入れるしかない。
「はは、一馬のイキ顔可愛過ぎ!」
「あ〜マジで好い♡奥までキツキツだし体温高いの堪んね〜」
 一馬はひときわ小柄な方だ。一方的に屈服させているという征服感が男達をさらに暴力的にする。
「は〜っヤバい、ああっ、は〜ここヤバいっ! ああ、あ〜〜っヤバ過ぎ、一馬のマンコ気持ち好過ぎッ!!」
 ぬぼ、ぬぼ、ぬぼ、ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、
 上擦った声をあげながら、男はどんどん律動の間隔を短くしていく。同時に一馬の中で性器を扱かれる陸も与えられる快感は同じか、それ以上だった。
「やめっ、動くな、あ、あああっ……!!」
「ぃあっ、あっあんっ、あっ!! ア"ァああ〜〜ッ!!」
「りっちゃん、一馬のマンコに夢中みたいだけど自分のケツマンコでも気持ち好くなってねっ!」
 陸を犯す男も再び律動を再開した。一馬を犯す快感に飲み込まれかけていた陸だったが、ひと突きされた途端に高い悲鳴をあげた。男の性器は長く、まさしく貫かれるように入口から奥まで激しく擦りあげられると、陸は堪らず仰け反った。同時に、一馬の熱い粘膜に性器を愛撫されたら到底耐えられるものではない。
「あっ、あーっ! だめ、だめだめだめ、イく、イッちゃ、から……っ!!」
「りっちゃぁ……ン、め、だめぇ、きもち、くなっちゃ……っ! あ、あんっ、ゃあ"あっ──〜〜!!」
「かず、かずま、かずまぁぁぁ──っ!!」
 陸が一馬の中で2度目の射精で果てた瞬間、一馬の性器の先からぴゅる、と微かに白い体液が出た。それは一馬にとって初めての射精だった。
 少年達は互いの絶頂の余韻を味わう間もなく、背後で腰を揺さぶる男達の慰み者として最後まで激しく突き上げられた。それぞれの腹の奥がたっぷりと白濁で汚される頃には2人は意識を失い、終いには床に投げ出されてお互いを庇い合うように折り重なった。

「あ、あっ、あ、ああっ! だめっ、もうイった、イって、のにぃ……!!」
 ひときわ野太い剛直に後ろから突き上げられながら、歩夢は高く泣き叫んだ。四つん這いになって巨体に後ろから突かれるその姿は、まるでライオンと子猫の交尾だ。もう足腰も立たないだろうに、無理矢理腰を引き上げられて何度も激しく性器を出し挿れされている。膝は赤く擦れているが、それと同じく肉棒で擦り続けられた後孔の縁も充血して薔薇色になっていた。
「ひう、ぅっ!! ぃや、やぁぁあ……っ!」
 大きな手で下腹を揉むようにさすられて、歩夢は切なげに眉を寄せる。
「まぁ苦しいよなぁ。この薄い腹ん中、大人の男3人分のザーメン飲んでるんだから」
 ライオンたる男が歩夢の耳に唇をつけて低く囁くと、歩夢はそれにさえ感じて腰をガクガクと震わせた。腹の中が精液で満たされているのはもちろん、3人の中でもひときわ長大な男根に深いところまで突き上げられて平気なわけがない。もう、歩夢の身体はすっかり作り変えられてしまったのだ。
「感じやす過ぎ。ビッチだねぇ歩夢ちゃんは」
 横から飛んできた声に、歩夢はふと我に返る。見上げると、2人の男が縺れ合う男と歩夢の行為を腕組みして見下ろしていた。
「ひ……ちが、──ン"ッ!!」
「だーかーらぁ、今さら清楚ぶったって無理だって! 歩夢のチンポ好きはバレバレだっつーの!」
「あ、あっ! やっ、うそ、うそぉお、お、お"っ!?」
 男が全体重をかけるように押し潰す。寝バックで突かれると、引き抜かれる度に小さな尻が持ち上がる。
「ン"やぁあ、ア"──〜〜ッ!!」
「クッソ……食い締め過ぎだろっ……! こっちも腰止まんねー」
「あ、あっ! きゃうっ、んんんっ!! もうや、いやあぁぁぁっ!!」
「自分からケツ振って腰くねらせて、雄膣擦られて大悦びしてるクセにっ、嘘つくんじゃねぇよっ!!」
「ンひぃい"イッ──!!」
 男の尻がビクビクと震えた──歩夢の中で果てたのだ。
「ふー……、ってあ、まーだヒクつかせて……どんだけチンポに飢えてんだよ」
「歩夢ちゃん、1番奥手そうに見えたのにな〜」
 最初に歩夢を犯した男は、少し面白くなさそうに唇を尖らせた。2人目となる男に抱かれようという時、自分に助けさえ求めてきたというのに、今や自ら身体を開くかのように全身を上気させている。
「そうか? 俺はこの子が1番堕ちそうって思ったけどな」
 1人、ベンチにかけて煙草を吸う男がシニカルに笑いながら言った。
「え? そうか?」
「なんか寂しそうだったからな。この陸ってやつに憧れてたみたいだけど、望むほど相手にされてないって感じで……だから俺達で可愛がってやらなきゃじゃん?」
 男が床に煙草を投げ捨てると靴底でにじり消した。まだ繋がっている2人のそばに歩み寄ると、歩夢の顎を取り微笑みかけた。
「歩夢、これからは寂しくないぞ。お前の心の穴、俺達が埋めてやるからな」
 歩夢は声もなく、ぞくぞくと這い上ってくるような予感に痩身を震わせたが、その口元は微かに笑んでいるように見えた。

2023/08/28


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