Long StoryShort StoryAnecdote

7days【完結】


1.月曜日

 大学2年生の明石(あかし)は家庭教師として、藤島岬(ふじしま みさき)の家に数学を教えに来ている。眼鏡をかけた痩せぎすの身体は、少し昆虫めいている。
 明石は勉強机に向かう岬の後ろに立つと、その耳元に唇を寄せた。ふっ、と息を吹きかけ、低く囁く。
「この間の復習をしようか」
「……ぇ、──んッ、」
 岬の薄い肩を掴むと、半ば強引に振り返らせ、岬の細い顎を掴み、淡いピンク色の唇を塞いだ。
 天井を仰ぐような姿勢を強いられた岬は、椅子ごと後ろに倒れそうになった。咄嗟に明石の腕に縋る。
「おっと、危ない」
 なすがままになっている岬の首筋に、ひたと冷たい手で触れる。明石はそのまま岬のシャツの襟ぐりの中に手を捻じこむと、鎖骨のくぼみに指先を這わせ、胸を撫でた。岬の身体が敏感に震える。
「っ……、せんせ、やめ……ンっ、」
「あれ? この間より反応好くなってるんじゃない?」
 明石の言葉に、岬の顔が紅潮する。
 そう、この行為におよぶのはもう、何度目か──少しずつ距離を詰め、躙り寄るように追い詰めてきた。エスカレートする明石の手を拒む暇も与えずに侵攻すれば、岬は戸惑うばかりだった。
「やだ……っ」
「岬くん、可愛いよ」
「あっ……ン、ふぅ……っ、」
 また唇を塞いで、今度は舌を入れる。
 乳首を優しく指で捏ねると、華奢な身体がしなる。もう一方の手を岬の股間に伸ばすと、ズボンの上からぐっ、と幼い性器を握った。
「──ッ! 嫌だっ!」
 岬の細い腕が明石の胸を退ける。
 岬は交差させた腕を胸の前に合わせて、身を守るようにしながら息を整えた。
「な、んで……こんなことするんですか……?」
 潤んだ怯えた目が上目遣いにそう問い、明石はぞくりと興奮を覚えながら、なんとかそれを押しこめて生唾を飲む。
「岬くんが可愛いからだよ。言われない? 他の人にも、可愛いねって」
「──……」
 岬は複雑な表情を浮かべると、キュッと唇を噛んで俯いてしまう。図星とでもいうような顔に、明石はほくそ笑んだ。
 中学3年生の岬は、華奢で色の白い中性的な容姿の少年だった。なめらかで艶のある黒髪はさらさらで、少し大きな耳がぴょこんと覗いている様が可憐だ。
 「可愛い」とはもちろん褒め言葉だが、本人は受け入れがたいらしく、その言葉の真意を推し量っている。
「可愛いから、悪戯したくなるんだ」
 明石は岬の腕を引くと椅子から立ち上がらせ、ぎゅっと抱き締める。岬は戸惑いながらも、壊れそうなほど細い身体を緊張させたまま、抵抗もできずに明石の骨ばった腕の中に埋もれた。
 明石は岬の美しい黒髪に鼻を寄せ、スゥ、と息を吸う。
「いい匂い」
「……明石先生、離してください。勉強の続きを……、」
「だから、先週の勉強の続きだよ」
 明石は岬の身体をベッドの上に押し倒した。そしてまた、乱暴なキス。
「ふ、ンっ……!」
 儚くも抵抗する岬の腕を押さえこみ、素早くシャツに手を滑りこませると、再び岬の乳首を責める。
「んっ……! う、ん、ん、──ンッ!」
「あれ、硬くなってきたね。コリコリって……ね、ほら」
「あっ……かしせん、せ……っ! やめ、……くださ、」
 最初の時は、手を滑らせたように偽った。励ますように後方から両肩に置いた手を、前に滑らせて胸元に触れた。岬は気にしていないようだった。それを期に、週を追うごとにボディ・タッチの回数をさり気なく、着実に増やしていったのだ。
 そして今はもう、明石の指先は岬の胸に咲く小さな赤い芽を巧みに捏ねまわしている。
「岬くん、おっぱい吸われたことある?」
「あっ、いやッ! んやぁッ!」
 岬の返事を待たずに、明石は岬の胸に顔を埋めた。谷間などない、真っ平らの白くて薄い胸。
 明石はちゅぱ、と音をさせて熱い舌をその胸郭に這わせると、先を尖らせてグリグリと乳首を刺激した。
「はぁっ……あっ……!」
 少年の身体が舌の動きに合わせてビクビクと震える。
「嫌ぁッ……! ぁ、や、やぁあ……ッ」
 きゅう、と窄めた口先で乳首を強く吸うと、岬の背が反り、腰が浮く。舌は乳首の先端を、親指の腹はもう一方の乳首の薄い皮膚を円を描いて捏ねた。
 明石はクスクスと笑いを漏らしながら、執拗にそれを続ける。コリコリとした感触が返ってきて、やがてそこはピンと主張して薔薇色に色づいた。
 顔を上げると、岬の乳首は明石の唾液でツヤツヤと光り、薄い胸は続きを強請るように激しく上下していた。涙ぐみ上気した岬の表情は、15歳という年齢と男だということを度外視して、涼とした色気があった。
「岬くんのおっぱい、いっぱい舐めしゃぶって、捏ねくりまわして……女の子みたいに大きくしてあげるからね」
「いやっ……、やめ、て……ッ、あ、明日……体育が、」
「そうなの? それじゃあ、着替えの時にみんなにバレちゃうかもね」
「いやぁぁぁッ!」
 悲鳴などお構いなしに再び可愛い肉の芽に吸いつき、甘噛みしながら舌をぐねぐねと蠢かせる。張り詰めた先端は、甘噛みをし続けると真っ赤になった。微かに、鉄の味もする。しかしその血液も舐め取ってしまうと、人差し指でツンツンと突き、ぐるぐると捏ねくりまわす。その間岬は拒絶の言葉を吐きながら、同時に甘い吐息をこぼしていた。
 ちゅぱ、と明石の唇が銀糸を引いて離れる。
「すごい、えっちな乳首になったね。ほら、見てごらん」
「ふ、は……あぅ……、」
 震える岬が見ている前で、改めて乳首を指先で摘む。くにくにと揉むと、岬は合わせた膝をもじもじとさせて身を捩った。
「ひっ……ぃ、」
「ね、凄くいやらしい……真っ赤に腫れて、もっとしゃぶって欲しいみたいにピンと勃って……こんなえっちな乳首の男の子、他にいないよ。誰かに見られたら、何をされたかすぐにわかっちゃうね」
 明石の言葉通り、あるいはそれ以上に岬の半裸体は艶かしかった。首筋のあたりまでが紅潮しており、じっとりと汗ばんでいる肌は思わず手を伸ばしたくなるほど艶やかだ。男を誘って止まないような赤い果実は、強引な愛撫のせいで狂おしいほどに昂っているのが傍目にもわかる。涎で濡れたそれは激しい呼吸で上下に揺れ、ひどく淫らだ。
「も、やめ……てぇ、」
 つ、と透明な水が岬の目尻からこめかみに向かって流れる。真っ赤に染まった大きな耳が愛らしくて、明石は岬の両の耳を掴むとマッサージをするように揉んだ。指先で柔らかい耳朶を弄び、顔を寄せる。
「ひぃ──ッ!」
 舌先を耳の穴に押し込むと、ベロベロと舐めた。
 明石の胸を押し返そうとする岬の腕に力が入るが、少年の力を制するのは容易い。もっとも、その細腕にはびっしりと鳥肌が浮いて本来の力を出し切れていないだろう。
 耳も支配してしまうと、組み敷いた岬を見下ろす。岬はすっかり明石の行為に怯えきって、泣きながら小さく震えていた。もはや、何をされても仕方がない羽根を折られた小鳥のような佇まいに、明石はニタリと笑みを浮かべる。
「大丈夫、今日はもうこれ以上はしないよ。ちょっとずつちょっとずつ、岬くんの身体が大人になれるように手伝ってあげるからね。キスは、初めてだった?」
 岬はしばし黙って震えていたが、やがて小さくコクンと頷く。
 明石の大きな手が岬の髪をわしわしと撫でる。背中に手を回し上半身を起こしてやると、再び唇を塞いだ。
「んっ……ふ、ふぅ……ッ」
 ぐちゅ、くちゅ……と、絡んだ舌から音が漏れる。
 明石のキスは巧みで、もう何度目かになるくちづけは岬の脳を少し狂わせる。腕は明石を拒もうと押し戻しながら、奪われた口内は必死に応えているかのようだ。
 鼻から漏れる息が健気で、明石はうっとりしながら小さな口腔の上顎を舐めた。腕の中、少年の身体が微かに強張る。
 唇を離すと岬は真っ赤な顔をして、甘い吐息を零した。目はとろんとして、口は半開きのまま赤い舌をチラチラと覗かせている。もっとして欲しい、そう誤解されても言い逃れできないような表情に、明石は満足し笑った。
「そんないやらしい顔をして大人を見るんじゃないよ」
 からかうと、岬は現実に引き戻されたのかますます真っ赤になって、俯いてボロボロと泣いた。
 少年は、明石よりも自分自身の身体の汚らわしさを責めているのだ。乱れたシャツの前を、きゅっと握る細い指先がいじらしい。
 学生服の清潔な白いシャツの下に、男に蹂躙された真っ赤な乳首があるのだと思うと明石は興奮した。
 明日、彼は学校でどう取り繕うのだろう。想像するだけで楽しみが広がる。
「ご両親や学校のみんなには秘密だよ」
 耳元で囁くと、岬はぎゅっと強く唇を噛んだ。
 ──こんなこと、誰にも言えない。
 言ったとしても、きっと信じてもらえないだろう。15歳の少年の身体が、いやらしい行為の快楽を植えつけられているなんて……それも、日毎に違う複数の男達の手によって。

2016/11/23


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