Long Story|Short Story|Anecdote不肖の愛弟子
1.
山道の途中、山賊達は石造りの見張り砦の跡地で野営をすることにした。
砦はすでに主人もなく、防壁はところどころ崩れかかっている。火をかけたのか、黒い煤けた木材や土からは焦げ臭さが漂っていた。どうやらまだ最近の戦いで陥落したらしい。
「なかなかいい砦じゃないか」
山賊の頭領が自慢の顎髭を弄りながら、ぐるりと辺りを見回して満足そうに唸る。しばらくの間、雨露を凌ぐのに都合がよさそうだ。
と、砦の安全を確認しに出ていた子分が2人、ひょこひょこと暗闇から現れると、困惑した顔で頭を掻き掻き頭領に進言した。
「お、お頭……外壁の途中に、妙なものがあるんでさぁ……」
「妙なもの? 爆弾か何かか?」
「いや、それが……人間の尻なんですわ」
「……しり?」
へぇ、と首を突き出して頷く。頭領は濃い眉を寄せて子分に詰め寄る。
「しりって、何だ?」
「だから、尻です。人間の尻。こう……妙な色の壁があって、その間に尻が埋まってるんでさぁ」
「それも、あったかくて、柔らけぇんです」
つき従っていた出っ歯の男が言い添える。頭領はますます顔を顰めた。
「意味がわからん。どこだ、連れてけ」
2人は頭領を伴い、来た道を戻る。
そこは南側の城壁に位置する、比較的損傷もない一角だった。壁は高く、どこまでも続いている。
近づいてみると、その石壁は途中からオーロラのような奇妙な色をした壁と融合しており、繋ぎ目は融解し接合したように滑らかだった。触れるとボンヤリと光る。
「これは……ジャーヴィスの仕業か?」
ジャーヴィスとは、この山奥に棲むと言われている魔術師のことだ。銀の長い髪と琥珀色の瞳をした、恐ろしく美しい男だと聞く。
ジャーヴィスは報酬さえあれば国も人種も宗教も問わず、守城戦で力を貸すらしい。信条として攻撃には加担はしないと噂されているから、この砦も防衛に努めたはずだ。
「しかし……この有様っことは、ジャーヴィスの力が及ばなかったのか?」
百戦錬磨の魔術師と聞いていたが。
不思議に思いながらも、先を進む子分達に着いて行く。
「こ、これです」
壁の途中、夜色の布が壁から突き出て垂れ下がっていた。それは何か、丸い彫刻を布で覆ったかのような異様な立体感があったが、布の下に革のブーツが覗いていた。人間の足だ。
「何だ、こりゃあ? 確かに、壁から尻が突き出してやがる」
頭領の手が丸い出っ張りを撫でると、ビクンと反応する。温かく、柔らかい。どうやら生きているようだ。
布を捲り上げると地についていた足がジタバタともがき、黒いスパッツを履いた華奢な下肢が露わになる。
「女か?」
男の無骨な手が丸い小さな尻を撫でさすると、その手を跳ね除けるように激しく腰が揺れる。男達は不審そうな顔を見合わせると、その口元に下卑た笑みを浮かべた。
もう1度、今度は明確な意図を持って双丘を割るようにぐにぐにと揉む。壁の向こうで、ひゃあ、という素っ頓狂な悲鳴が聞こえた。
「や、やだっ!」
エルネストは地面に突き立てた杖に縋りながら、首と腰を打ち振るい叫んだ。薄青色の髪が揺れる。
彼の身体はちょうど、細い腰の部分が壁の穴に嵌って身動きが取れなくなっていた。肩幅よりも狭いその穴は、もちろん不用意に頭を突っ込んでしまったというわけではない。物理的に不可能だ。
壁は、エルネストの師匠であるジャーヴィスが、彼への仕置きにかけた魔法によるものだった。
エルネストは修行も兼ねて、この砦の防衛をする仕事を与えられたのだったが、力及ばず軍は撤退を余儀なくされてしまった。魔術師としてはまだまだ駆け出しのエルネストは、ここぞというところでことごとく呪文を間違えた。敵軍にかけるべき魔法を味方に、味方にかけるべき魔法を敵軍に、といった具合だ。
ジャーヴィスはその尻拭いのために撤退した軍に同行している。エルネストは自分でこの壁の魔法を解かねば後を追えないというわけだ。
置いていかれるだけならいいが、このままでは衰弱死か、あるいは自重で背骨を折って事切れる方が先かもしれない。ぞっとしながらあらゆる呪文を試していたところ、壁の向こうで異変が起きたのだった。
「誰……っ、さ、触らないでください!」
壁の方を振り返り、見えない何者かに向かって怒鳴る。しかしエルネストの尻を掴んだ手は咎めの言葉に一瞬動きを止めたものの、再び尻を強く揉みしだく動きを再開する。
「や、やめて……、」
「何だ、男か? ……あ、ついてやがる」
男の手が前に回り、少年のペニスを布の上からやわやわと握る。エルネストは羞恥に頬を熱くした。
「やめてくださいッ!」
「子供みたいだな。おい、名前と、素性を名乗れ」
「……っ、」
「黙ってると、こいつをチョン斬るぞ」
冷たく硬いものが股間に触れて、エルネストは喉の奥で小さく息を飲む。
「……エルネスト。魔術師の弟子」
「ほぅ。ジャーヴィスのところか?」
エルネストは頷く。と、壁の向こうには伝わらないことに気づき、そうです、と答える。
「年は? 嘘をつくなよ」
「……16、」
エルネストはしん、とした壁の向こうに耳を欹てた。
「ふぅん……まだガキだな。……なぁ、俺達は長いこと女を抱いてなくてな」
刃物らしきものの切っ先が、股間の辺りからねっとりとなぞるように陰嚢を辿り、尻の割れ目に至る。男の手が布を引き伸ばすと、ビッ、と音がして、ひんやりとした外気に肌が晒された。スパッツを切り裂かれたらしい。
「な、にをして──、」
「そういう時は男でも、ガキを見つけて来て済ませることがあるんだ。16なら、俺達のデカいのもずっぽり根元まで咥え込めるだろ? 今から存分に可愛がってやるよ」
「ぇ……? ──ひっ!?」
熱く湿ったものが、引き裂かれた布地の合間に差し込まれる。エルネストはビクンと身体を緊張させた。
これは──舌だ。男の舌が、小さな尻の窄まりを這い、執拗に同じところを舐めている。嫌悪感に、ぞわ、と鳥肌が立つ。
「い、やだっ……、やめてください!」
杖を手放すわけにはいかない。もう一方の手を後ろに回し、必死に壁を押すが、当然そんな力ではびくともしなかった。ぎこちない抵抗も虚しく、男の舌はエルネストのアナルをベロベロと舐めたくり、舌先で突いた。
「あ……っ! いや、やだッ!」
すらりとした足がビクビクと震える。黒い布地の裂け目から露わになっているその部分だけが濡れ、ほんのりと色づいた。
尻肉を強引に広げられ、隙間に尖らせた舌先が潜り込む。熱いものを体内に感じて、エルネストはひっ、と小さく悲鳴をあげた。額に脂汗が浮かぶ。
「いやッ、いやぁッ!やめ……やめて!」
男の厚みのある舌は執拗に後孔の入口を犯すと、じょじょに侵入を深くしていく。エルネストはそんなところに舌を挿れる男の神経も、そこで感じる違和感にも、そして微かに背中を走るぞくぞくとした感覚にも戸惑い、俯いた顔からポタポタと汗を垂らした。
「う、くっ……、ふぅっ……」
同じところをしつこく舐められて、背中から湧いた感覚がじわじわと全身に広がっていく。
エルネストの腸内は、男の与えた刺激にじんじんと疼いた。男の舌先の動きは器用で、少年の肉襞に異様な感覚を覚えさせていく。
息を詰めてその苦痛とも快楽ともつかないものをやり過ごすと、舌はぬるりと這い出ていった。エルネストは杖に両手を預け、そこに額を預ける。汗が止まらない。
「顔が見えないんじゃ、いまいち反応がわかんねぇな。けど……お次はどうかな?」
「ひッ!? ──やあああぁぁぁッ!!」
一息休んで緊張を解いていたところ、舌で解された箇所にいきなり硬いものが深く突き込まれて、エルネストは小ぶりな尻の筋肉をきゅっと締めると共に、壁をも震わせるような絶叫を迸らせた。
「ひ……っ、は、ぁあッ……!」
「すっげぇ声、」
「痛いんじゃねぇすか?」
出っ歯が気遣わしげに、小さな尻を見つめる。
少年の尻には、男の太い中指が嵌められていた。衝撃に、太腿から下はガクガクと震えていた。同時に、エルネストのペニスも微かに反応している。
「見ろ、悪くもないみてぇだぞ」
言うと、男は一息に第二関節まで突っ込んでいた指をさらに押し込んだ。
「な、にこれ……っ、なに、やあああ、あ……ッ!」
痙攣を続ける尻は、それでも男の指を根元まで飲み込んでいく。
「やっぱりまだキツいな。クソ、早く突っ込みてぇが……解さねぇと食い千切られちまう」
男は少し指を引き、今度は人差し指も一緒に挿入した。
「ぃあ、やああぁぁぁッ──!!」
再び悲鳴が聞こえて、男の指を食んだ内壁がきゅっと締まった。男はニタリと笑いながら、もう一方の手で尻を揉む。
身に着けた黒い布地は、少年の汗を吸ってしっとりと湿っていた。男は布越しに、少年の肌を愛撫する。陰嚢、少し主張しているペニス。内腿を撫でさすると、内壁がヒクヒクと反応した。
男は舌舐めずりすると、自分のペニスで味わう時を想像しながら指を前後に抜き挿しし始めた。
「あ、……ぁ、や……何、これ……ッ、こわ、い怖い、いや、いやッ」
エルネストの方はといえば、自分の体内に何を押し込まれているのかという恐怖でパニックだった。潤んだアクアマリンの瞳をキョトキョトと忙しげに泳がせる。
ふっと、ジャーヴィスの顔が脳裏に浮かんだ。
「ししょ……、お師匠様……っ、たす、けて……ッ」
金に卑しく冷淡で、とても尊敬できる人間ではなかったが、ジャーヴィスは間違いなく魔術師としては天才だった。彼がここにいたら、きっと助けてくれる──はず、多分、おそらくは。
長く太い男の指はエルネストの狭い肉筒を押し広げていく。伸ばしきった中指は、根元まで挿れられると相当な深さだった。ぐずぐずと与えられる抽挿に、エルネストの腸壁はじょじょに解されていく。
男は中で指を曲げ、敏感な部分を責め始めた。
「いやッ、ン! やああ、いやッ、そこ嫌ぁッ!」
「気に入ったか? 後で俺のチンポで目一杯突いてやるから、感覚を覚えておけよ」
言いながらも、男の指は休むことなくそこをコリコリと刺激し続ける。弱い、ゆっくりとした捏ね方は、時間をかけてスピードと強さを増し、エルネストの腰はやがてカクカクと揺れた。若い腸内は男の手技によって蕩けて、きゅんきゅんと指に絡みつく。
「こいつの股間、ぐちょぐちょに濡れてますよ」
「腰も揺れて……誘ってるみたいですねぇ」
「マンコなんか、俺の指をねっとり締めつけてきやがるぜ」
男達の下品な笑い声が壁越しに聞こえてくる。
エルネストは荒い息を吐きながら、涙と涎を垂らして勃起していた。つらい体勢で、足腰はもうくたくた、頭の中もぐちゃぐちゃなのに、下半身に留まる快楽の強さが全身を支配している。
「は、はひ……ぃ、ひっ……、」
「指だけでもうイってるんじゃねぇか? さて……」
男は衣服を寛げると、ぼろんと巨大な一物を取り出した。でっぷりとした亀頭部分が張り出し、すでに赤黒く充血している。
「お頭のはまたデカいっすねぇ!」
「女だったらヨがり狂うでしょうよ」
「女も男も関係ねぇな。俺のデカマラにかかりゃ、このガキだってぶっ飛ぶぜ」
「はぁ、は……ッ、あ!?」
尻の肉を押し広げられると、割れ目にぐ、と熱く硬いものが挟まれた。エルネストは目を見開き眉間に皺寄せ、必死に思考を巡らせる。まさか、まさか──。
「あ、あ……ッ、やめ、やめてぇ……ッ」
エルネストは膝を擦り合わせる。尻の間に挟まれていたものがどんどん硬さを持ち、ぬるりとした粘り気を帯びてくるのを感じる。やがて勃起した男のペニスは、先端から先走りを垂らしてエルネストのアナルをぬらぬらと光らせた。柔らかく解れた入口は反応してヒクつく。
「すっかりエロくなって……欲しがってるじゃねぇか? それ、くれてやるッ!」
「──っひ、ぎぃい──ッ!!」
ズヌヌッ、と男のペニスが一気に貫く。指で慣らされた前立腺も擦られて、ビリビリと背筋を走る電気のような感覚に、エルネストは背中を反らした。時を同じくして、布の中で窮屈なままのペニスから勢いよく射精する。
壁の向こうにある半身が、衣服をまとったまま淫らに濡れていく。止まらない、止まらない……。
「うわ、こいつションベン漏らしてますぜ!」
「そんなに好かったか。ガキのくせに、ここまでヨがり狂うとはな」
衝撃に、息も整わない。下腹部がドクドクと激しく脈打つ。自分のか、それとも男の?
「くッ……最初は根元までは入らねぇか。まぁいい、」
男はエルネストの腰を掴むと、埋め込んだ肉棒をゆっくりと引き抜き腰を前後させる。
狭い内壁を存分に広げた男根は、直腸の襞にびたりと密着した。カリに引っかかった腸壁は、ピストンの度にズルズルと引き攣れる。
「あ、あッ、出ちゃ……ッ、ひ、こわ、い怖……っ、いや、いやだッ」
臓器を引きずり出されるような感覚に怯え、エルネストは高い悲鳴を上げる。
亀頭部分ギリギリまでペニスを引き抜くと、薄桃色の柔らかい襞が捲れて覗いた。
「うひゃあ、すっげぇ……エロいっすねぇ……っ」
「男でもこんなにエロくなるんだ……」
窄まっていたアナルは、今やその縁を赤くしながらも、極太のペニスを咥え込み、ひくひくと疼いていた。先走りの体液にいやらしく濡れたそこは、排泄器官ではなくもはや性器だ。
子分達が、頭領の巧みな手腕に唸る。少年の身体が快楽に乱れていくのをじっくりと視姦するだけで、彼らは十分に興奮していた。
「やだ、も、やめ……ッ、ししょ、お師匠様ッ、助けて、」
「師匠だぁ? 今は俺が相手だろうが!」
「き、ぁ──ッ!?」
再び突き上げられ、男の股間と自分の尻がぶつかる感触。それまで侵されていなかった領域をゴツン、と叩かれた衝撃に、エルネストは目の前がチカチカと白くなった。声も出ない。さっきより、ずっと深い──臍よりも、奥?
震える手が、探るように自身の鳩尾から下腹へと滑る。激しく上下する腹部を撫でると、ぞくぞくと背筋に快楽が這い上がっていく。薄い肉を隔てたこの中に、男のペニスが熱く息づいているのだ。
「……ッ、も、無理……ッ、やめ、──でッ」
ゴチュッ、と容赦のない2度目の突き上げ。
「これが……お前の1番奥だ」
S字にうねる腸の手前、普通なら届かないような深いところに、男の剛直が突き当たっていた。
「か、……はっ──!」
添えていた手の下、左下腹がぽこりと膨らんでいる。男の性器によって掻き乱され、臓器や筋肉が圧迫されたところから電気のような痺れが絶えず湧き出てくる。
「あひぃっ──ッ!!」
エルネストは大きく開けた唇から震えるような嬌声をあげた。
それから男はインターバルを開けずにズコズコと激しく腰を振り出した。
「ひあぁ──ッ!!」
「ほれ、ほれッ! ヨがれ、ヨがり狂え、変態のガキめ!」
「いひぃッ! ぎ、あ、あ、あ、あッ! あああぁぁぁ──ッ!」
「お前のケツは、もうすっかり女の膣だ。俺のペニスの形になって……ッ、この、淫乱のケツマンコが!」
「いや、いやぁ──ッ!」
奥の方で小刻みに突かれると、前立腺が激しい刺激を受ける。エルネストの身体が腰を突き出した体勢なこともあって、男のペニスがダイレクトに好いところに響く。
「あぐッ! あッ、あッ、ンッ──あああぁッ!」
「ぐ、ふ、キツい、が……ッ、すげぇ、うねって蕩けるみてぇだ……!」
「いやぁッや、いや、あ、あ、──あぁッ」
呼吸なのか喘ぎなのかわからない。エルネストは身体の奥を暴かれるままに叫び、ボタボタと涙を零した。
「ししょ、おししょ、さま、助け、で助けでぇ、だずッ……ふ、あああぁンッ……!」
振り返っても無慈悲な壁が聳えるばかりで、自分の半身がどうなっているのかまるでわからない。もう自分の半身が自分のものではないような奇妙な感覚が強くなるが、感じている快楽は間違いなく自分が今受けているものだった。
奥を責められれば頭が真っ白になるような絶頂に至り、引き抜かれれば胸を掻き毟りたくなるような切なさに苛まれ、はしたない声が口を割って溢れ出す。その反応を愉しむように、男はねちねちとしつこく少年を犯した。
「ぐふ、うっ、女より好いぞ……ッ、この、締めつけは……!」
ぐちゅ、ぬちゅ、じゅぷ、ずちゅ、といやらしい音が溢れる。それに重なる、壁越しの嬌声。
「あぅ、あ、あ、は、あン! あ、あ、あ、」
「はぁ、はぁ、うぅ、好い、すげぇ、この、肉のうねり──ッ」
アナルからは掻き出された先走りの精液が泡立って溢れ出ている。
「いや、いやぁ、ン"ッ! ああ、あン、あン、ひやぁぁぁンッ!」
「ぐぅ、出す、出すぞ──ケツマンコにぃッ」
「ッ!? ──あ"ッ!?」
ズン、という深い突き上げと同時に、腹の奥にびゅるびゅると熱い迸りを感じる。男の下腹が痙攣している。
「う、そ……何、これ……ッ」
「は、は……! お前のマンコに今、たっぷり種付けしてやったぞ……ッ」
男の上擦った掠れ声が、残酷な事実をエルネストに告げる。その間も大量の汚液が腹の中に注がれ、溢れていく。男の射精は獣のように長く、エルネストの下腹は微かに膨らんだ。
「せ……、し……せぇし……?」
エルネストは、もう枯れ果てたと思っていた涙を再び流した。パクパクと唇をわななかせる。
「い、や……ししょ、お師匠、様ぁ……ッ」
まだ中に注がれ続けている欲望はねっとりとエルネストの腸壁に絡みつく。男はそれをさらに体内に塗り込むように、腰をぐねぐねと揺すった。
「あ、あぅ、う……ッふ、いや、いや、いや……ぁ、」
「いっぱい出し過ぎて、口からザーメン出ちまうかもな」
男が腰を引くと、ぬっと長い陰茎が姿を現した。男の勃起しきったペニスは18センチはあるだろうか、赤黒く長く、血管が浮き上がり、張り出したカリの部分が入口に引っかかった。この凶器のような男根が、少年の中をめちゃくちゃに踏み躙ったのだ。
ぐぽ、と音を立ててペニスを引き抜くと、ぱっくりと開いたアナルは栓を失いビシャッ、と音を立てて白濁を溢れさせた。
「す、げ……ッ」
子分達は目の前で繰り広げられた壮絶な凌辱に、ごくん、と生唾を飲んだ。
馬並みの陰茎によって種付けされた少年の尻は、暴かれた箇所だけ地肌が露出し、まるで皮膜から甘い果肉を覗かせる桃のようだ。男達の視線が注がれる秘部は、まだ精液を垂れ流しながらヒクついていた。
「後は好きにしていいぞ」
「えっ?」
「相当な名器だ。もしかするとこのガキ、師匠とやらにとっくに仕込まれてるかもしれんな」
こんな淫乱は、顔が見えなくてちょうどいい──男の欲望を晴らす捌け口、ただの性玩具となった少年の尻に、男は侮蔑の目を投げた。
「俺はもう休むが、他の連中も呼んでやれ」
子分2人は顔を見合わせた後、ニタァといやらしい笑みを浮かべる。出っ歯は仲間を呼びに行き、先輩株の男がそそくさとペニスを取り出した。男はすでに勃起していた。
「さて……それじゃあ早速、掘らせてもらうぜ」
男が濡れそぼった入口にペニスの先端を突き込む。ゆっくりと挿れたつもりが、中に出された精液が潤滑油となってみるみるうちに飲み込まれていく。何より、腸壁のひだが男の侵略を手伝っていた。
「は、ぅ……ッ」
「う、おぉッ……! こりゃ、すげぇ……ッ、マジで、チンポ蕩ける……ッ」
「は……っ、た、すけ……、ししょ、う……」
朦朧とする意識の中、エルネストはか細い声で呟いた。
男の腰が震え、また腹の中に熱を感じる。少年の腸壁は、男の性器を締めつけていた──まるでその暴虐を悦ぶかのように。
その夜、壁を隔てたエルネストの半身は山賊達にさんざん嬲り尽くされ、彼の心を裏切り続けたのだった。
どこまでも続く壁の前、宙空に歪みが生じると、その空間がパッと明るく光った。次の瞬間、銀髪の美しい男が姿を現した。閉じていた瞼を上げると、琥珀色の瞳が煌めく。
杖を袖の中に収めると、肩にかかる髪を後ろに払った。
「まったく、不肖の弟子を持つと苦労する……」
ジャーヴィスはぼやきながら、昨晩陥落した砦を見上げた。
得られるはずだった報酬は、エルネストの失態で半分に削られた。一旦退いた次の防衛線はジャーヴィスが守ったが、これでは割に合わない。
おまけにあの愚かな弟子のことだから、きっとジャーヴィスのかけた魔法を解くこともできず、今頃壁に身体を嵌めたまま衰弱していることだろう。
迎えに行った後はどんな仕置きをしてやろうか、と思案しているところで、ぐったりと項垂れる少年の薄青色の髪を見つけた。
エルネストは杖を取り落とし、壁から干された洗濯もののように上半身を垂らしている。
「おい、エルネスト。寝てるんじゃないぞ」
少年の髪をぐいと掴み引き上げて、ジャーヴィスはぎょっとした。
「な、んだ……? おい、しっかりしろ、エル!」
「……ぁ、……し、しょ……?」
エルネストの顔はすっかり憔悴し、唇はガサガサに乾いていた。頬は涙の筋で汚れ、目元は赤く腫れている。
「大の男が、これしきのことで泣くんじゃない。まったく……杖も放り出して、自分で抜け出す努力はしたのか?」
エルネストの異様な表情を見てなお、ジャーヴィスはかえって苛立ち叱ったが、意識を取り戻したエルネストの手が震えながらもその袖をきゅっと掴むと、不思議そうに弟子の顔を見つめた。
「……どうした、エル?」
「し、しょ……、助け、て……ッ、」
みるみるうちにエルネストの目の縁に涙が溜まり、頬を伝い、顎からボタボタと垂れる。必死に縋る腕を取って頭を撫でてやると、不自然にエルネストの身体が揺れた。
「ッ、あ、はぁ……ッ、あ、し、しょ」
「……エル?」
「僕、……の、おひ……おし、り……ッひゃうッ!」
再び、ガク、とエルネストの肩が揺れて、ジャーヴィスはその違和感に気づいた。壁の向こう、エルネストの身体に異変が起きている。
ジャーヴィスは弟子の肩を抱くと壁に手を当て、呪文を詠唱した。途端、壁一面が光り、弾ける。
どさ、と崩折れたエルネストの身体を受け止めると、目の前に見知らぬ男の間抜けな顔があった。
「──……あ?」
「何、をして──」
男は、下半身を露出させてその場に立ち尽くしていた。
ジャーヴィスはエルネストの腰に垂れる夜色のローブを捲り上げ、さっと顔色を変えた。
少年は黒いスパッツを引き裂かれ、革靴も脱がされて、白い尻を剥き出しにしていた。白い、とは、肌の色だけではない。彼の尻は男達の白い精液に塗れていた。
誰が始めたのか、太腿には木炭を使って5本ごとに線が引かれており、おそらくこの少年を凌辱した人数を表している。その数は、少年の年齢よりも多かった。
何度も乱暴に貫かれた秘部は赤く腫れている。目の前にいる男も、今の今までエルネストに欲望を注ぎ込んでいたということだろう。
「た、けて……、も、やめ……、や……」
ジャーヴィスの胸に縋りながら、エルネストは胎児のようにぎゅっと身体を縮こませる。
その華奢な身体に自分のマントをかけてやると、ジャーヴィスはすっくと立ち上がった。
男はみっともない姿のまま、蒼白になってじりりと後退る。
「お、おま、おま、お前は──ジャ、」
言葉半ばで、男は炎に包まれて絶叫した。ジャーヴィスの手の平から、熱の欠片が赤黒い塵となって舞う。
琥珀の瞳はギラギラと怒りに燃え、消し炭となった男の亡骸を靴で踏み躙った。
「よくもわたしの愛弟子を……全員、ブチ殺してくれる」
長い銀髪を風に靡かせると、砦の中へと足を踏み入れる。やがて、その石壁の中からは男達の野太い悲鳴が響き渡った。
後にその砦からは複数の男達の亡骸が見つかる。それらは目玉をくり抜かれ、身体を切り刻まれ、残酷な方法で殺され焼かれていた。その惨状を見た者は震え上がり、逃げ帰ってなされた報告は瞬く間に各地に知れ渡った。
守城戦にしか手を貸さないと言われていたジャーヴィスが、とうとう侵略戦も厭わなくなったという噂は、その後またたく間に広がる。しかし、様々な思惑を抱く領主達は魔術師の行方を追うも、とうとうその姿は見つからなかった。
2016/11/23
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