鳳先輩の休日








☆…星谷side…☆



それは、team鳳のある休日のこと



星谷「あー、今日は練習休みかー。もっとteam鳳で練習したいなー」


俺は寮の食堂でテーブルに顔を突っ伏す


那雪「そうだね、いつもみんなと一緒に練習してるから、休みの日はなんか寂しいよね」

天花寺「ばかだねーおまえらは。体を休めることも、役者にとっては必要なんだよ。このやぼすけ」

月皇「天花寺の言う通りだ。また月曜日から、稽古のレベルも上がるんだ。今日の内ににしっかり休むように、鳳先輩にも言われただろ?」

空閑「そういえば、鳳先輩…今日は自分も休むって言ってたな」

那雪「鳳先輩って、休日何してるんだろう」


「「…………」」


鳳先輩の休日って…すごく気になるかも!!!



星谷「なんか、そう言われたら、すっごく気になってきた!鳳先輩の休日!」

月皇「おい、星谷。何を考えている」


よし!だったら、自分の目で確かめればいいんだ!!



星谷「俺、ちょっと学校行ってみるよ!鳳先輩、いるかもしれないだろ?」



そして、俺は走り出した


那雪「ちょ!ちょっと!星谷くん!?」

天花寺「おい!アイツがどこにいるのかわかってんのか!」

星谷「わかんないけど!とりあえず、学校行ってみる!」


そう言って、俺は寮を飛び出した




空閑「相変わらず…だな」

月皇「はあ…やれやれ」


そう言って各々皆立ち上がる



天花寺「おい…まさか、お前らも行くのかよ」

空閑「天花寺は行かねーのか?」

月皇「どうせ、俺達が全員行くといえば、行くんだろ?」

天花寺「人を寂しがり屋みたいに言うんじゃねー!」



こうしてteam鳳は全員学校に向かった。










柊「え?鳳が今日どこいるか…ですか?」


那雪たちを待って、他のメンバーと合流してから華桜館に行くと、鳳先輩は部屋にいなかったものの、柊先輩が執務室に顔を見せていた


星谷「はい!鳳先輩、今日稽古休みって言ってたんですけど、俺達、鳳先輩って休日どんなことして過ごしてるのか、気になって!」


俺は目を輝かせて、柊先輩に問いかける


はあ、とため息をついてから、柊先輩は答えた


柊「鳳は今日、ある人と外へ出掛けると言っていましたよ。ですから、学校にはいません」


星谷「…ある人?」

月皇「華桜会の他の先輩方とですか?」

柊「……いいえ」

天花寺「おい、誰なんだよ。早く教えてくれよ!」

那雪「て、天花寺くん!そんな無理やり…;;;」








空閑「……もしかして、デート、か?」




「「で、デートぉぉ!?!?」」







☆…鳳side…☆



久しぶりに、ゆっくり時間が流れている気がする


俺は待ち合わせ場所である公園のベンチで、本を開いていた


ちょっと早く来すぎたかな。時計を見れば、まだ待ち合わせの30分以上も前だった


再び本を読み進めようと、視線を本にずらした時だった…。



「樹!!」


鳳「ようやく来たね、俺のガールは」


突然後ろから抱きしめられる。

振り向かなくたってわかる。

俺と柊の幼馴染みで、俺の彼女の名前だった