*入科オーディション・面接会場*



面接会場に入ると、一人の男の子の面接真っ最中のようだった



樹「やあ、やってるね!」


翼「…鳳」


暁「名前、あれだけ電話したのに、一体今まで何をしてたんだ?」


「ごめーん、遅れちゃって」


樹「俺達のことはいいから、さあ、続けて?さ、座ろうか。名前」


樹はあたしの腰に優しく手を添えて、2人で席についた


柊「では、はじめましょう」



翼の声で面接は続行。



あたしは手元の資料をそっと見る。


そこには、これまでの歌唱・ダンス・演技それぞれの評価から出た総合評価が書かれていた。


この子、1-A星谷くんのところには、総合評価Dとなっていた


こういう審査方法、変わってない。


ちらっと樹を見ると、そんな資料は目も通していないようだった



柊「…なにか、話しておくことはおりますか?」


星谷「…え、えっと……」


話しておくことって、そんな質問の仕方


もう聞くことはないってこと?Dだから?


こういうやり方

これが綾薙学園のやり方


でも、あたしは好きじゃない



樹「どうした、ボーイ?」


「いつき…?」


樹「ここで頑張れば、スター枠になれるかもしれないよ?」


「そ、そうだよ!星谷くん、何でもいいの。星谷くんの好きなこと、アピールしてみせて?」


星谷「好きなこと…アピール…」



すると、星谷くんは立ち上がった




すると、その場でステップを踏み踊り始めた



そのステップを、華桜会メンバーはただじっと見つめる



でも、あたしと樹だけは違った



「……っ!!!」

樹「!!!」



それは、あたし達がよく知っているステップだった