*華桜館・鳳の部屋*
コンコン!!
「樹、入るよ?」
樹「どうぞ」
入科オーディションが終わってから、あたし達は華桜館に戻ってきた
華桜会メンバーは、今日のオーディション結果から、自分のスター枠と一般枠のミュージカル学科生を選ばなければいけない
「樹、借りてきたよ?あたし達が見れなかったところのオーディションの映像」
樹「助かるよ、ありがとう」
DVDを受け取った樹はちゅっとあたしの手の甲にキスをする
「もう…樹って、キス魔?」
樹「キミにだけキス魔なんだから、いいじゃない?可愛い名前を見てると、キスをしたくなるのは当然。これでも抑えてる方なんだけど?」
「ええー?それで抑えてるの?(笑)」
樹「もちろん。本当はもっとキミと口づけを交わしたい。こんな風に、ずっと、ね」
ぐいっ…!
「ぁっ…////」
ちゅ…くちゅっ…!////
樹に抱き寄せられたと思ったら、息付く間もなく降ってくる性的なキス
「んっ…////」
樹「ほら、その表情」
「…え?////」
樹「名前のせいだよ…こんなに俺を夢中にさせて、いけない子だ」
「そ、そんなっ…////」
樹「離さないよ?俺が満足するまで…責任、取ってくれるでしょ?」
「あぁっ…////」
樹からの愛情を受け止めて、幸せなキスはそれからしばらく続いた
☆
それから、樹と一緒に借りてきたオーディションのDVDを観賞
「うわ、この辰己琉唯って子。フォームきれい」
樹「ああ、これは柊あたりがもっていきそうだな」
「…なんか、1人だけ着物来てる子いない?」
樹「あれは、歌舞伎の世界じゃ有名。梨園の貴公子、天花寺翔だ」
「ああ、だから着物…」
それから一通り見ていくと、映像はあたし達が審査に合流した場面に差し掛かる
そこには、さっきの星谷くんがステップを踏む姿がばっちり映っていた
樹「…ははっ。いいね!」
「不思議…なんでこの子、このステップ知ってるんだろう」
このステップは、以前樹が踏んだことのあるステップ
樹「よし、決まりだ」
そう言って樹は立ち上がる
「え?もう決まったの?team鳳」
樹「ああ。大丈夫、絶対名前も気にいると思うよ」
「あ、ちょっと樹!」
そう言って部屋を出ていく樹の後をあたしは追いかけた