*華桜館・鳳の部屋*


コンコン!!




「樹、入るよ?」


樹「どうぞ」



入科オーディションが終わってから、あたし達は華桜館に戻ってきた


華桜会メンバーは、今日のオーディション結果から、自分のスター枠と一般枠のミュージカル学科生を選ばなければいけない


「樹、借りてきたよ?あたし達が見れなかったところのオーディションの映像」


樹「助かるよ、ありがとう」


DVDを受け取った樹はちゅっとあたしの手の甲にキスをする



「もう…樹って、キス魔?」


樹「キミにだけキス魔なんだから、いいじゃない?可愛い名前を見てると、キスをしたくなるのは当然。これでも抑えてる方なんだけど?」


「ええー?それで抑えてるの?(笑)」


樹「もちろん。本当はもっとキミと口づけを交わしたい。こんな風に、ずっと、ね」


ぐいっ…!


「ぁっ…////」



ちゅ…くちゅっ…!////


樹に抱き寄せられたと思ったら、息付く間もなく降ってくる性的なキス


「んっ…////」


樹「ほら、その表情」


「…え?////」


樹「名前のせいだよ…こんなに俺を夢中にさせて、いけない子だ」


「そ、そんなっ…////」


樹「離さないよ?俺が満足するまで…責任、取ってくれるでしょ?」



「あぁっ…////」


樹からの愛情を受け止めて、幸せなキスはそれからしばらく続いた









それから、樹と一緒に借りてきたオーディションのDVDを観賞



「うわ、この辰己琉唯って子。フォームきれい」


樹「ああ、これは柊あたりがもっていきそうだな」


「…なんか、1人だけ着物来てる子いない?」


樹「あれは、歌舞伎の世界じゃ有名。梨園の貴公子、天花寺翔だ」


「ああ、だから着物…」


それから一通り見ていくと、映像はあたし達が審査に合流した場面に差し掛かる



そこには、さっきの星谷くんがステップを踏む姿がばっちり映っていた




樹「…ははっ。いいね!」


「不思議…なんでこの子、このステップ知ってるんだろう」


このステップは、以前樹が踏んだことのあるステップ



樹「よし、決まりだ」


そう言って樹は立ち上がる



「え?もう決まったの?team鳳」


樹「ああ。大丈夫、絶対名前も気にいると思うよ」


「あ、ちょっと樹!」



そう言って部屋を出ていく樹の後をあたしは追いかけた