「…え、」
鳳「こんな所で夜のティータイム?いいねえ。確かに楪は好きそうだ(笑)」
そう言って男の人は笑った
「………///」
そんな笑った顔に、あたしは一瞬で目を奪われた
この人はなんて素敵な表情をするのだろう。と
「え、あの。こんばんは!//」
鳳「ふふっ、こんばんは(笑)」
「あ、あの。楪って、知ってるんですか?」
鳳「知ってるよ?昔、仲間だったんだ」
…昔、仲間だった?
今は仲間じゃないってこと?
なぜかそれ以上は踏み込んじゃいけない気がした
「…そうなんですか」
鳳「キミは?なんで楪のことを?」
「あたし、今日ここに引っ越してきたんです。楪は翼が連れてきた友達で、引越しを手伝ってもらったんです」
鳳「……翼」
「え??」
彼が翼という名前に反応したと思ったのは気のせいなのか
鳳「…ああ。そういえば、今日下に引越しのトラックが止まっているのを見たな。あれはキミだったんだ」
そう言っている彼は、頭では別の何かを考えているようにも見えた
鳳「でも、もう明日から4月といえ、まだ外は肌寒いよ?」
そう言って彼は自分が着ていた上着を脱いであたしにかけてくれた
「えっ…あの!」
鳳「大丈夫、女の子は体冷やさないようにね。それに、もうしばらくここにいたいんでしょ?」
「………」
この人はなんでわかるのだろう。
あたしがもう少しここにいたいということ
会ったばかりなのに…
「じゃあ、ありがとうございます///お借りします」
鳳「風邪引かないようにね、ガール」
そう言って彼はあたしの頭をポンポンとすると、マンションの中へ入っていった
「…あの人も、ここに住んでるんだ///」
あたしはそっと彼の後ろ姿を見つめながら、触られた頭を自分の手のひらでそっと触れた