今日は入学式


そして、ミュージカル学科への第一歩

入科オーディションの日




「翼、どーお?似合う?」


マンションの前、


あたしは迎えに来てくれた翼の前でヒラっと一回転する



柊「はいはい、よくお似合いで」


「もおー!ちゃんと見てよ!これ特注で作ってもらった女の子用の制服だよ??」


翼はさっきからあたしより時計ばかり気にしている



柊「そろそろ時間ですね。#name2#、行きましょう」


「それにしても早いね。まだ充分時間あるのに」


柊「僕達華桜会メンバーは何かと仕事があるのです」


「まあ、昨日引越し手伝ってもらったから付き合うけど…」


じゃ、行きましょう。とあたしたちがマンションの敷地を出ようとした時



「やあ、随分とはやいね」


後ろから、声をかけられた



「おはよう」


そう言って笑顔で立っていたのは、昨日の夜テラスで話しかけてきた人。綾薙学園の制服を着ている



柊「……鳳」

「…鳳…さん?」



鳳さんというらしい。

どうやら2人は知り合いのようだった



鳳「おはよう、可愛いガール」


…か、可愛い?////


鳳さんはそう言ってあたしに笑いかけてくれた


もうその笑顔やばすぎる!////



「…あっ、昨日は…//」


昨日はどうもありがとうと言おうとすると、


翼の目を盗むように、しーっ!っと鳳さんがジェスチャーで伝えてくる


「………///」



……え?ヒミツってこと?//



柊「今日は我々華桜会にとっても大事な日です。くれぐれも遅刻のないように」


鳳「はいはい、わかってるさ。王様。」


W王様W


その言葉には何か意味があるような、そんな言い方




柊「#name2#、行きしょう」


そう言って翼は先に歩き出す


「あっ…翼!もう!あ、じゃあ失礼します」


どうせ同じ学校に行くんだから、一緒に行ってもいいのに…っていう雰囲気でもないんだよね。この人たち;;;;


あたしは鳳さんにペコッとお辞儀をしてから翼の後を追いかけた


鳳さんは相変わらず笑顔でニコニコしながら手を振って見送ってくれた










「ちょっと翼!歩くのはやいよー」


あたしは翼に追いつくと、道の角を曲がって鳳さんが見えなくなってから翼に話しかけた



「ねえ翼…さっきの人は…」


柊「鳳は、今年の華桜会、異例の5人目です」


あれ、意外にもすんなり教えてくれた


「え!じゃああの人も翼たちと同じ華桜会なんだ!」


柊「ええ、ただそれだけの男です」



「……翼?」



そう言われると、「それだけの男じゃない」と言われているようで


余計に気になったけど、あたしはそれ以上聞かなかった