08
「御用改めである!」
ばん! と突然スタジオの扉があいた。何奴! 新選組か!
「ってあれ? 颯馬くんとアドニスくん? 一体どうしたの?」
「ちょっと待ってよ千夜先輩〜! 俺もいるよっ!」
「おわっ!? スバルくん!?」
ばーん! と扉以上に元気よく音を立ててタックルしてきたスバルくん。いきなりの登場にもびっくりしたけど、中々珍しい面子で現れたものだ。
「千夜先輩。突然ですまないが、俺たちのユニットにもプロデュースをお願いしたい」
「うむ。会長殿が謀略の限りを尽くし、名前殿を手駒にせしめんとしていたのは把握済みである。ゆえに、このように突撃させてもらったという訳である」
「謀略の限り……確かに」
「ひどいなぁ、神崎くんも千夜も。ただの戦前交渉とでも言ってくれないかい?」
英智が胡散臭い笑顔で二年生たちに微笑みかけた。当然、誰も譜面通りに受け取ってはくれないが。
「英智先輩のやり口は分かっちゃってるもんね〜? あんまり好き勝手させないぞっ☆ そのうちホッケ〜たちも来るだろうし」
「ええ? 北斗もか……困ったね。彼、すぐ独断専行して僕の邪魔をしそうだし」
「はっはっは! 天祥院、今思いっきり悪役みたいな台詞を言ったな! ヒーローの魂が疼く!」
「バカ言ってんじゃないよぉ〜!」
ボケボケ空間を一喝する声が。言うまでもなく泉だ。……見ると、とても性格の悪そうな『後輩いびり』中の笑顔を浮かべている。
「お子ちゃまが何言ったって無駄だよぉ、年功序列、早い者勝ちって言葉知ってる? 俺らはこのどれもを満たしてるんだからね、大人しくすっこんでなよぉ〜」
「しかし、転校生が今回は完全に休みとなれば、プロデューサーは先輩一人だ。いくら三年生と言えども、独占されるのは困る」
アドニスくんが困ったように言う。まあ確かに、とついつい軽音部をたまり場にしている『UNDEAD』の彼を庇うように口を挟んだ。
「『Infinity』だけをプロデュースするのはさすがに駄目でしょ。アドニスくんたちの……ユニット名なんだっけ」
「『SASHIMI』だ」
「は?」
「『SASHIMI』だよ! 千夜先輩!」
「さ、さしみ……あ、うん。『SASIMI』や、他のユニットもローテーション組んでプロデュースしなきゃね」