愛の重さを知るといい
盗み聞きをするつもりはなかった。
ただ、人気の少ない校舎裏でサカズキとクザンがいるのが見えたから、いつものように一緒に過ごそうと近づいた。ただ合流してもつまらないから、二人を驚かしてやろうと気配を消して近づいたのがよくなかったのかもしれない。
彼ららしからぬボソボソと小さな声で、まるで誰かに聞かれるのを恐れているようなそれがボルサリーノの耳にも届く位置まで近づいたところで、信じられない言葉が自分の恋人の……サカズキの口から発せられたのだ。
「……あいつはこまいし肌もやわっこいうえにどこもかしこも細くて、わしが触れたら壊してしまうんじゃないかと恐ろしゅうなるんじゃ」
そう話すサカズキの声は普段の硬くぶっきらぼうな声色とは違う、聞いただけで「ああ、相手のことが本当に好きなんだ」と伝わってくるような、甘く優しい色が滲んでいた。そんな声は、自分と話す時でさえ聞いたこともない。
ドクドクと心臓が早鐘を打つ。よせばいいのに、ボルサリーノは二人に気づかれないよう身を乗り出してサカズキの顔を見てしまった。そして後悔した。
サカズキの表情はまさに恋をする男のそれで、その顔を見た瞬間ボルサリーノはまるで心臓に直接刃物でも突き立てられたかのような痛みを感じた。
────あんな顔、わっしは見たことない。わっしじゃ、サカズキにあんな顔はさせられない……。
ボルサリーノは恋愛事は得意ではなかったが馬鹿ではない。だから自分には見せない表情で相手への愛おしさを語るサカズキの姿を見て理解してしまったのだ。サカズキは最初から自分のことなど愛していないということを。
ボルサリーノは震える身体を叱咤し、肉体を光に変えてその場から逃げ出した。あっという間に寮の自室へと辿り着き、誰も入ってこれないように鍵を閉めると、そのままズルズルとドアの前に座り込んだ。
元々、ボルサリーノがサカズキに告白をしたのがきっかけで始まった関係だった。
サカズキは歳こそボルサリーノより三つばかり若いが、並外れた戦闘力や無駄な馴れ合いを好まない一匹狼なところが似ていたせいか、余りもの同士なにかと組まされがちだった。初めのうちはサカズキの融通の効かない頑固で堅苦しい性格を鬱陶しく思っていたが、彼の苛烈な正義感や無愛想だし不器用だがどこか放っておけないところが好ましく思い始め、いつしか自然と二人で行動するのが当たり前になっていた。
そして、恋や愛とは程遠い人生を送っていたボルサリーノが、初めての親友にうっかり恋心まで抱いてしまったのだ。
最初はこの気持ちを打ち明けようとも思ったが、もしも拒絶されたらと思うと怖くて言えなかった。もし万が一にでも拒絶されてしまったら、きっと自分は立ち直れないと思ったからだ。
しかし、サカズキは近寄りがたい雰囲気こそあるものの、誰が見てもわかる男前だ。当然、彼に恋する人間はボルサリーノの他にも大勢いる。
親友として一番近い場所にいるとはいえ、ボルサリーノは自分に女としての魅力がないことはよくわかっていた。身長だってサカズキとそう変わらない大女で、パッとしない地味な顔つき。化粧っ気もなく、楽だからという理由で男物の服ばかり着ているような、男が恋人にしたいと思うようなタイプじゃないことも自覚している。
勝ち目などないのは分かりきっていたが、それでもどうしても諦められなかったのだ。
サカズキが好きだ。彼が他の誰かのものになるなんて考えたくもない。
ボルサリーノは覚悟を決め、自分の想いを打ち明けた。サカズキのことが好きだ、と。
すると、長い沈黙の後サカズキは「なら付き合うか」と言ってくれた。まさかサカズキが自分の好意に応えてくれるとは考えていなかったためボルサリーノは酷く混乱したが、同時にとても嬉しかった。あのサカズキがこんな自分のことを憎からず思ってくれていたと知って、本当にしあわせで、少し怖かった。
それからというもの、サカズキとの交際はとても順調だった。というより、普段の生活で恋人になる前と後とでサカズキの態度が変わることはなかった。
いつもと変わらないサカズキに、恋人になってもこんなものなのだろうかとボルサリーノが不安になり始めた頃、サカズキの部屋で寛いでいると、突然ベッドに押し倒された。何事かと驚いていると、サカズキが覆い被さってきて、そしてキスをしてきた。
ボルサリーノは生まれて初めてのくちづけにすっかり頭が真っ白になってしまったのだが、そんなボルサリーノをよそにサカズキはどんどん行為を進めていった。
ボルサリーノの着ていたタンクトップをたくし上げ、男らしい大きな硬い手のひらに肌を撫でられ、恥ずかしいのと怖いのと、そしてほんの僅かな期待が入り交じった感情で胸が高鳴った。
「ボルサリーノ……ええか?」
耳元で熱っぽく囁かれた言葉の意味を理解して、ボルサリーノは一瞬息が止まった。
正直、経験のないボルサリーノにとって、サカズキを受け入れるというのは恐怖が大きかった。
けれど、サカズキに求められているという喜びの方がずっと大きく、ボルサリーノは小さく震えながらもこくりと頷いてみせた。
────その日、ボルサリーノはサカズキに初めてを捧げた。
サカズキは優しく丁寧に扱ってくれたが、痛みはあったし、なによりサカズキのモノが大きすぎて受け入れるのには苦労した。だが、それでもボルサリーノの心は満たされていた。痛くて苦しくて辛くても、サカズキとひとつになれたことが何よりもうれしかった。
それ以来二人は何度も身体を重ねた。回数を重ねるごとにボルサリーノは快楽を拾えるようになり、サカズキを受け入れられるようになっていった。
セックスはするようになっても、それ以外はサカズキは相変わらず淡泊だったが、彼が自分を求めてくれたという事実が嬉しくて、ボルサリーノはサカズキが望めば全て受け入れてきた。
だが、それは勘違いだった。サカズキが求めていたのはボルサリーノの身体だけだったのだ。女の子らしい小さくて柔らかく華奢で守ってあげたくなるような本命の子を大事に思うあまりに手が出せないサカズキが、何度抱いたところで壊れそうにもない頑丈なだけが取り柄のボルサリーノを代わりにしていたのだ。
そう考えれば、セックス以外の恋人らしいことはほとんど何もしてこないのにも納得がいく。サカズキにとってボルサリーノはただ性欲処理に都合のいい相手でしかなかったのだ。
────そういえば、好きって一度も言ってくれなかったなァ……。
サカズキに愛されていると勘違いしていた自分の愚かさに笑いすら込み上げて来る。ボルサリーノは自嘲気味に口角を上げるが、その頬には涙が伝っていた。
「ふ、うぅぅ……ぐすっ、サカズキィ……」
サカズキの心に自分がいないことを知っても彼への慕情が消えることはなかった。頭ではこんな不毛な関係はさっさと止めるのがお互いのためだとわかっているが、たとえ求められているのが身体だけだとしてもサカズキの側にいられるのなら構わない。いつかボルサリーノに飽きて不要だと言われるその時まで、一秒でも長くサカズキと一緒にいたい。そんな愚かな願いをするほどにサカズキのことを愛している。
「ボルサリーノ、おるか?」
不意にノックの音と共にドアの向こう側からサカズキの声が聞こえ、ボルサリーノはビクリと肩を震わせた。
「ぁ……い、いるよォ!」
咄嗟に返事をしてしまったが、今は会うべきではない。居留守でも使えばよかったと後悔する。
「入ってもええか?」
「え……何か用かい?」
「…………用がなかったらおどれに会いにきたらいかんのか」
「そ、そういうわけじゃないけどォ……」
「なら、ええじゃろ。入るぞ」
「あっ!ちょ、ちょっと待って……!」
ボルサリーノは慌ててぐしゃぐしゃになった顔を拭う。鏡を見るまでもなく酷い顔をしているだろうがいくらでも言繕えばいいし、そもそも恋人でもないのだからボルサリーノが泣いていようがサカズキには関係ないことだ。
深く息を吸ってから鍵を開けてやると、ゆっくりと扉が開き、サカズキが入ってくる。
「ボルサリーノ、具合でも悪いんか?真っ青になっとるぞ……?!」
サカズキはボルサリーノの顔色の悪さに目を見開くと、額や首筋に手を当ててくる。
「熱は……ないみたいじゃな。どうした、何かあったんか?」
心配そうな表情で見つめられて、ボルサリーノは思わず目を逸らす。好きでもないくせに、優しくなんてしないでほしい。そんな風にされたらまた期待してしまう。
「別になんでもねぇよォ。それより、どうかしたのかい?」
「いや、体調が悪いなら今日は止めにしとくけぇ」
帽子を深く被り直して視線を逸らすサカズキの反応に、ボルサリーノはピンとくる。おそらく、サカズキはボルサリーノを抱くつもりで訪ねて来たのだろう。
正直、愛されていないとわかっているのに身体を繋げることに抵抗感はあるが、それ以上に気軽にセックスできる女という価値すら無くなってしまったらあっさり見限られてしまうかもしれない。それだけは何としても回避しなければならない。
ボルサリーノは思い切ってサカズキに抱きつくと、無駄に大きいだけの乳房を押しつけながら右手でサカズキの股間をまさぐる。
「……っ、ボルサリーノ?!」
「サカズキィ、しよっかァ?」
「なっ……!おどれ、自分の顔鏡で見てみい、そんな死にそうな顔してそんな場合じゃ……」
よほど酷い顔をしているのか、サカズキはボルサリーノの手を掴んで引き剥がそうとする。そんなサカズキに焦りと苛立ちを覚えながら、ボルサリーノはしゃがんで膝立ちになるとサカズキのズボンに手を掛けて強行突破を図る。
「ボルサリーノ、やめんか!今日のおどれは少しおかしいぞ……おい、聞け!!」
制止しようとするサカズキを無視して前を寛げると、まだ兆していない状態の肉棒が露わになる。今まで自分からしたことがなかったため一瞬躊躇ったものの、ボルサリーノは意を決してそれに舌を這わせて口に含むと、じゅぷりと音を立てて吸い上げる。
「ボルサリーノ、何を……ッ!?」
そのままカリ首を唇できゅっと締め付けてから、裏スジを舐め上げて鈴口をちろちろと刺激すると、徐々に口の中のモノが硬く勃起してくる。
「は、あぁ……サカズキィ……」
唾液をたっぷり絡ませて根元から先端へと丹念に扱き上げていくと、次第に口の中のものが質量を増していき、先走りも溢れ出てくる。ちゃんと反応してくれたことに安堵しつつも、自分の愛撫が拙いことはよくわかっていた。だからなんともいえない独特な味が口の中に広がり、思わず嘔吐いてしまいそうになるのを必死に堪え、サカズキが気持ちよくなれるよう喉の奥までそれを受け入れる。
「っ、う、おぇ……んぐぅ……!」
「こんの……!バカタレ!」
ボルサリーノが苦しそうに顔を歪めると、サカズキはとうとう彼女の頭を乱暴に掴んで無理矢理引き離してしまった。勢い余って後ろに倒れ込みへたりこんだボルサリーノはサカズキに拒まれたこと、失望させたことで頭がいっぱいになり、全身から血の気が引き目の前が真っ暗になっていく。
険しい表情でボルサリーノを射抜くサカズキの姿が段々とぼやけていく。目頭が急激に熱を持ち、気づいた時には自分で制御するのは困難になっていた。
ぽろ、と頬を熱いものが伝う。
「サカズキ……わ、わっしのこと……もう、いらない……?」
「なんじゃと……?」
ぽつりと呟いた言葉は、自分でも驚く程弱々しく震えていた。
答えなんて聞くまでもないのに。なんて無様な姿だろう、自己嫌悪で今すぐ消えてしまいたいはずのに、ボルサリーノは地面に縫いつけられたかのようにその場から動けないまま、ただ涙を流すしかできなかった。
そんなボルサリーノに、サカズキは珍しく狼狽えた様子でまごまごと手を泳がせている。ただのセフレにこんなふうに泣かれて面倒なはずなのに、サカズキは優しいからきっとボルサリーノを放っておくことはできないのだろう。
だが、今はその優しさが苦しい。いっそのこと見捨ててくれた方が楽になれるのに。
「ひっ、うぅ……だってェ、サカズキはわっしのこと都合よく抱けるから付き合ってるのに、わっし全然うまくできなくてェ……っ」
「はぁ?!おどれは何を言うちょるんじゃ?!」
「今更隠さなくたっていいんだよォ!わっし、さっきサカズキとクザンが話してるの聞いちゃったんだから……!どうせ小さくて細くて可愛い本命の子と違ってわっしみたいなデカ女は頑丈だからセフレには持ってこいだもんなァ!?」
ボルサリーノはしゃくりあげながら半ば自棄になって叫ぶと、サカズキは呆気に取られたように固まった後、眉間の皺を更に深くして黙り込んでしまった。やはり図星だったようだ。ボルサリーノは鼻をすすりながら力無く笑う。
もう、これで本当に終わりだ。
せめてこれ以上醜態を晒さないようにと俯いて嗚咽を殺していると、突然天地がひっくり返った。
何事かと目を白黒させていると、すぐそこにサカズキの顔があって、ようやく彼に押し倒されたのだと気付く。
「……サカズキ?」
困惑して恐る恐る呼びかけると、ギロリと鋭い視線が返ってくる。サカズキは怒っていながらもどこか悲しげな複雑な表情をしていて、ボルサリーノはますます混乱するばかりだ。
「あれは……おどれのことを言うちょったんじゃ……」
たっぷりの沈黙の後、彼に似つかわしくない喉からなんとか絞り出したかのような細い声で告げられた言葉は、ボルサリーノにとって理解不能なものでしかなかった。
「はぁ?!おめェ、それはさすがに嘘だろォ?!わっしのどこが小さくて細くて可愛いんだよ!おめェは目ん玉腐ってんのか!?」
「ええい黙らんかい!!わしにはそう見えとるんじゃから仕方ないじゃろうが!!」
「はぇ……いや、いやいやいや!」
そんな訳ない、と否定を続けようとするボルサリーノだったが、すっかり真っ赤になっているサカズキの顔や真っ直ぐすぎる瞳に見つめられると何も言えず、口をぱくぱくと開閉させるだけだった。
「…………本当に、わっしのこと話してたのォ?」
「だから、最初からそうだと言っちょるじゃろ……おどれの力を軽んじているわけじゃない、おどれの強さはようわかっちょるが、それでもわしからしたらボルサリーノはやおくてすぐに壊れてしまいそうに思ってしまうんじゃ。それは、惚れた欲目じゃとクザンのクソガキに言われたわ……欲目もクソもあるかい」
恥ずかしいことを言わされたせいか、サカズキは苦虫を噛み潰したような顔をしている。
ボルサリーノはサカズキの言葉を反覆するように心の中で繰り返すうちに、じわりと胸の奥に温かなものが広がっていくのを感じた。同時に先程までの不安な気持ちが溶けていき、色々な感情が込み上げてきて思わずサカズキに抱き着く。
「じゃあ、本当に他に本命の子とかいないってことォ……?」
「当たり前じゃろうが。わしはボルサリーノ以外の女は必要としておらん、おどれがいればそれでええ……不安にさせて悪かった」
ぎゅっと強く抱きしめられ、ボルサリーノは嬉しさで頭がどうにかなりそうになる。サカズキはいつも自分だけを見てくれていたのだ。
幸せを噛み締めながらサカズキの逞しい胸板に顔を押し付けていると、サカズキはボルサリーノの髪を何度か撫でた後、徐にボルサリーノの手首を掴んで床に縫いつけた。
「え、サカズキ?」
目を白黒させてサカズキを見上げると先程の穏やかな空気とは打って変わった、怒りとは違うどこか不穏な雰囲気を漂わせているサカズキの黒い眼がボルサリーノをジッと見つめている。
誤解も解け、これで晴れて仲直りでめでたしめでたしのはずなのに、何故か先程よりも緊張感の増した状況に困惑して向こうの出方を窺っていると、押し黙っていたサカズキがようやく口を開く。
「不安にさせたのはわしの落ち度じゃが、わしはおどれを後生大事に抱いとったっちゅうんに、ただの性欲の捌け口にしていると思われたのは心外にも程があるけぇ……おどれの身体を思うて手加減しとったのが悪かったんかのう……二度とつまらん勘違いなんてせんよう、きちんと分からせにゃいかんようじゃな」
サカズキの目は据わっていて、明らかによくないスイッチが入っている。ボルサリーノは本能的に危機を感じ取り、なんとか逃げ出そうとするも、ガッチリと腕を固定されてしまって動けなかった。
「サカズキ、わっしも疑って悪かったよ。サカズキが真剣に考えてくれてたのはわかったから、ねェ?」
「いや、おどれはなんも分かっちょらん。今回のことでよぉく思い知った」
サカズキはボルサリーノの言葉を一蹴すると、身を屈めて唇を重ねてきた。今までの丁寧でぶっきらぼうなキスとは違う、荒々しくボルサリーノの呼吸すら奪うように深く激しく貪られ、翻弄されるまま上手く息継ぎもできずボルサリーノは溺れてしまいそうになりながら必死にサカズキに縋る。
「んっ、ふぁ……サカズキィ……♡」
涙目になりながら己を拘束する逞しい腕を叩いて止まってほしいと訴えても、サカズキは止めてくれるどころか更にボルサリーノを追い詰める。
今度はわざとらしくゆっくり、教え込むようにねっとりと舌を絡ませ、時折分厚い舌で上顎を舐められると背筋がゾクゾクと震え、甘ったるい熱で下腹部がじんわりと疼いていく。
「んっ♡ぢゅっ…♡ひぅっ、んっ、ぁ……っ!♡」
口腔内をくまなく犯され、ボルサリーノは次第に力が抜けていってしまい、完全に抵抗することを諦めてしまう。それどころかいつの間にか自ら積極的に舌を絡め、火照った身体をサカズキに押し付けて快楽を強請った。
一旦唇を離すとサカズキは羽織っていた上着を脱ぎ捨てて遠くに放り投げ、そして次にボルサリーノの身につけていた衣服をあっという間に剥ぎ取ってしまった。
「やっ……♡待って、もうちっとゆっくりしよォ……?」
強制的に生まれたままの姿にさせられ、思わず胸や局部を隠そうと身を縮めるも、サカズキがそれを許すはずもなかった。
「駄目じゃ。これからたっぷりわしがどれだけおどれを愛しとるか理解してもらうけぇ」
「そんなァ……っ」
「安心せい、もう二度とおどれに不安なぞ感じさせやせん。おどれにはわししかおらんことを徹底的に教え込んでやるけぇ……覚悟しておけ」
そう言って不敵に笑うサカズキはまるで獲物を追い詰める捕食者のような顔をしていて、その獲物が自分であるということを忘れてボルサリーノは喉を鳴らした。
それはこれから行われるであろう行為への恐怖と、ほんの少しの期待からだった。
***
「やらっ♡もォ、そこばっか触らないでェ……っ♡」
サカズキはボルサリーノの胸ばかり執拗に責め立てていた。
赤く色づいた胸の飾りを摘まれ、引っ張られたり押し潰されたりしながらもう片方を唾液を纏わせた熱い舌で舐られると、ボルサリーノは堪らず腰を揺らめかせて甘い声を上げる。
「さっきから嫌じゃ言う割にここは嬉しそうじゃぞ?」
「ひっ!?あ゛ッ♡そ、そこで喋るなァ!♡♡♡」
吐息が敏感な突起にかかり、思わず仰け反って悶える。しかし、まだそこだけで達することができず、ボルサリーノは底なし沼のような終わりの見えない快楽に身震いし、早く楽になりたい一心でサカズキに懇願する。
「サカズキ……お願いだから、こっちも触ってよォ……♡」
ボルサリーノはひどい羞恥を覚えつつ両足を大きく開き、指先で秘部を開いてみせる。そこは既に洪水のように愛液で濡れており、物欲しげにヒクついて肉棒に貫かれるのを待ち望んでいた。
だが、サカズキはボルサリーノのおねだりを一瞥すると、窘めるようにボルサリーノの乳首をギュウウッと強くつねった。
「きゃうんっ♡♡♡」
「駄目じゃ。ここだけでイけるようになってもらう」
「そんなの、むりだよォ」
「ふ、おどれは物覚えが早いのが自慢じゃろう。じきに悦くなってくるけぇ」
サカズキはそう言い放つと再びボルサリーノの胸に吸い付き、尖らせた舌で先端をグリグリと押しつぶしたり、歯を立てて軽く噛んだりしてきた。
「ふぁ、んっ♡だめ、おっぱい気持ちいいけど、イケないよォ……っ♡」
「ええから集中せんかい」
「んぎぃぃぃ!?♡♡♡」
がり、と犬歯で噛み付かれ、あまりの痛みにボルサリーノは悲鳴を上げた。しかし、サカズキはボルサリーノの声に快感が混じっていることに目敏く気づき、更に執拗に痛いくらいの強さで責め立てる。
「い゛ッ♡いだいっ、いだいよぉっ♡やめて、サカズキィ♡♡♡」
「ふん、それがやめてほしい人間の顔か?おどれは痛いのがイイんじゃろうが」
「ちがうぅっ、違うよぉっ♡こんなの、いやぁ……っ♡」
ボルサリーノの目からはぼろぼろと大粒の涙が流れ落ちる。今までこんな乱暴な愛撫はされたことがなく、痛めつけられて気持ちよくなるはずがないと思うのに、サカズキに乱暴に扱われる度にボルサリーノは興奮していた。
良くも悪くも教科書通りのようなセックスしか知らないボルサリーノは、初めて自分に被虐的な嗜好があることを自覚したのだ。
サカズキはボルサリーノの反応を見て嗜虐的な笑みを浮かべると、今度は優しく労るように腫れ上がった胸の先端を舐めた。
「ひゃうっ♡サカズキ、それやぁっ♡」
「痛いのは嫌なんじゃろう?」
「……っ」
分かっているくせに、サカズキはわざとらしく聞き返してくる。ボルサリーノは悔しげに唇を噛んで俯いたが、すぐに顎を掴まれて強引に上を向かされる。
「どうして欲しいか言わんか」
「んんっ♡」
ボルサリーノはサカズキに促されるまま、素直に口を開いた。
「もっと酷くして……」
「ほう、それで?」
「い、イかせて……くださいィ……♡」
ボルサリーノは快楽に蕩けた表情で己を屈服させる男を見上げ、媚びるような声で続きを強請った。
サカズキは満足そうに目を細め、そしてボルサリーノが望んだとおりに散々甚振られ赤く染まった胸の先端に爪を立て、思い切り引っ張る。
「ああ゛〜っ♡」
「望みどおりにしてやったぞ。どうじゃ、気持ち良いか」
「あっ♡ひっ♡きもちい、きもちいぃぃ♡♡♡」
「ほうか、ならここだけでイけるな、ボルサリーノ?」
「うんっ♡イく、イっちゃうからァ♡♡あ゛っ、お゛っ〜〜……ッ♡♡♡」
サカズキの言葉を皮切りに、あれほど抵抗していたボルサリーノは呆気なく絶頂を迎えた。腰を浮かせてビクビク痙攣し、秘部から潮を吹き出して床に大きな水溜りを作る。
「ん、ようやったなボルサリーノ」
「あ……♡あへ……♡♡♡」
一度胸だけの刺激で絶頂をしたことで堰を切ったように、指で軽く乳首に触れられただけでボルサリーノは簡単に甘イキを繰り返してしまうようになった。
「さすがわしの女じゃ。ちゃんと覚えたようじゃな」
「あ、ぇ……?♡」
「よう頑張ったからのう、次はこっちを可愛がってやるけぇ」
サカズキは惚けたままのボルサリーノの足を掴むと大きく開かせ、しとどに濡れた秘部に顔を埋めた。そして痛いほどに勃起しているクリトリスに吸い付くと、ボルサリーノは甲高い声を上げて悶えた。
「んあぁぁぁ!?♡♡♡ま、まっへェ♡♡♡いきなり、そんなことしちゃらめぇ♡♡♡」
舌先で押し潰すようにして何度も擦りあげられる度にボルサリーノは身体を大きく跳ねさせ、秘部からはダラダラと愛液が溢れ出す。
既に何度も絶頂を迎えて過敏になったボルサリーノにとって、それは拷問にも等しい責めだった。しかし、泣き叫ぶボルサリーノにサカズキは容赦せず、舌を膣口に侵入させると中を激しく掻き回した。
「ひぎぃっ♡♡♡強すぎりゅぅぅ♡♡そ、そんなのしたら、またイぐぅぅっ♡♡♡」
「好きなだけイけばええ。今まではわしが大事に、手加減してやっていたことをおどれが理解できるよう何度でもイかせちゃる」
「そん、なぁ……!♡♡♡」
サカズキはボルサリーノの弱いところを的確に攻めながら、時折クリトリスを軽く歯を立てる。その度にボルサリーノは喉を仰け反らせて達するが、それでもサカズキは攻め手を弱めることはなかった。クリトリスを舌で舐りながら膣口に指を突き入れ、太く硬い指先でグイグイとGスポットを押し込む。すると、ボルサリーノは靱やかな長駆を不格好に仰け反らせ、獣じみた絶叫を上げ続けた。
「だめっ、だめぇぇッ♡♡♡イぐううううううッ♡♡♡」
飄々としていて身綺麗なボルサリーノは見る影もなく、サカズキの目の前にはただひたすら快楽に溺れ続ける淫乱な雌犬がいるだけ。
無様にも思える姿だったが、サカズキの目にはどうしようもなく愛おしく映っていた。
「お゛っ♡♡♡イっでるぅっ♡♡♡ずっとイっでるのォ……♡♡♡」
ボルサリーノはだらしのないアヘ顔を晒しながらガクンガクンと腰を振りたくっている。白い肌はどこもかしこも紅く火照り、滲んだ汗で淡く光っている。艶やかな痴態を目の当たりにして、サカズキの余裕も限界を迎えようとしていた。
サカズキはズボンと下着を脱ぎ捨てると、すっかりといきり勃った肉棒をぐずぐずに蕩けた膣口に擦りつける。それだけのことでボルサリーノは歓喜の声をあげ、トロリと愛液が零れた。
「挿れるぞ、ボルサリーノ……」
「うんっ♡早くきてェ♡」
両脚を絡みつかせてくるボルサリーノにサカズキはとうとう興奮を抑えきれなくなり、一気に最奥まで貫いた。
「お゛っ……♡♡♡ほおぉぉぉぉ♡♡♡おぐ、はいってりゅ……♡♡♡」
今までのセックスでサカズキはボルサリーノを気遣っていたため、奥まで挿れられたことはなかった。 初めて子宮を犯される快感に、ボルサリーノの意識が飛びかけた。
「まだへばるには早いわ、バカタレ」
体験したことのない強い快楽に何が何だかわからなくなっているボルサリーノをサカズキは見逃してはくれなかった。
下生えが密着するほど深く突き刺していた肉棒をギリギリまで引き抜いたかと思うと、再びボルサリーノの最奥まで叩き付ける。子宮を殴りつけられたかのような衝撃に白んでいた意識が強引に引き戻され、ボルサリーノは暴力的な快感を無防備に享受するしかなかった。
「あ゛〜〜〜ッ♡♡♡激し、はげしいぃぃ♡♡♡」
サカズキの容赦のない力強い律動に身体がバラバラになってしまうのではないか、と本気で危惧するほどの衝撃がボルサリーノを襲う。前後不覚に陥るほどの悦楽に、今までのセックスなどサカズキにとっては児戯に等しいものであり、自分は彼に大切に抱かれていたのだと思い知った。
「あ゛っ、おぐっ♡おくだめェッ♡♡♡こわれるっ♡♡♡こわれちゃうゥ♡♡♡」
「駄目な訳あるかい。こがぁに嬉しそうにわしのを締め付けとる癖に」
サカズキはボルサリーノの腰をガッチリと掴むと、ポルチオを執拗に亀頭で捏ねくり回す。二股疑惑をかけられたことが相当頭にキているのか、サカズキはボルサリーノが泣こうが喚こうが全く手を止めようとはしなかった。
「んぎぃっ!?♡♡♡お゛っ、あっ、あ゛あぁぁッ♡♡♡」
どちゅんどちゅんと何度も激しくピストンされ、ボルサリーノは悲鳴のような声を上げながら全身を痙攣させて絶頂を迎える。ボルサリーノはそれどころではなく気づいていないが、先程から何度も潮を吹いており、失禁したように床をしとどに濡らしていた。
「イ゛くっ♡またイクっ♡♡あ゛ぁっ、お゛おぉぉっ♡♡♡」
可哀想なくらい爪先をピンと伸ばして絶頂するボルサリーノの腟内は、ぎゅうぎゅうと肉棒を食い締めて逃がさないとばかりに絡みつく。
サカズキは歯を食いしばりながら腰を動かし、限界が近いことを悟って一際強くボルサリーノの子宮口を突き破る勢いで突き上げる。
「はぁ……ッ、出すぞボルサリーノ……!しっかり受け止めぇ!」
「!?だ、だめェ……!♡♡♡ゴムしてないのにィ♡♡♡わっし赤ちゃん出来ちゃうよォ……!♡♡♡あっ♡♡♡らめ、あ゛っ、あぁ〜っ!♡♡♡」
中出し宣言に一瞬正気を取り戻したボルサリーノが抵抗を試みるも、結局サカズキの力強い打ち付けにあっという間に屈してしまう。
そしてついに子宮口にぴったりとくっついた亀頭から熱い飛沫が放たれた。
「ひぃっ♡♡♡出てるっ……!♡♡♡サカズキィの、あついよォ……♡♡♡」
普段はゴムをしているため、中に射精されるのも初めてだったが、胎内に直に感じるサカズキの熱はボルサリーノを魅了するには十分すぎた。もはや彼女は妊娠する可能性など考えることもできなくなっていた。
「はへっ……♡♡♡しゅごい♡♡♡きもちいぃよォ……♡♡♡こんなの知ったらもう戻れないィ……♡♡♡」
恍惚とした表情を浮かべてうわごとのように呟き続けるボルサリーノの姿に、サカズキはゾワリと背筋が粟立つのを感じた。
サカズキとて、欲望のまま乱暴に抱いてボルサリーノに嫌われるのではないかと一抹の不安を抱いていたが、すっかり蕩けているボルサリーノの姿にこれは完全に堕ちたな、とサカズキは確信した。これで彼女は一生自分なしでは生きられない身体になったのだ。それを思うと自然と口角が釣り上がった。
サカズキにはボルサリーノだけ、ボルサリーノにはサカズキだけが必要ということをわからせる目的は達成されたため、ここで止めてやってもよかったが、箍の外れたサカズキはもっとボルサリーノを乱れさせたくてたまらなかった。
サカズキはボルサリーノの膝裏に手を差し入れて大きく持ち上げると、ズルリと腟内に収まっていた肉棒が抜け、サカズキのトロトロと子種を垂れ流す秘部が曝け出される。
「あ……♡やだ、恥ずかしいよォ……♡♡♡」
ボルサリーノは頬を赤く染めていやいやと首を振るが、サカズキは全く意に介さず亀頭を入口に擦り付ける。そしてそのまま上からプレスするように一気に奥まで貫いた。
「んお゛っ!?♡♡♡ああぁぁ〜〜〜〜ッ!!♡♡♡」
突然の強い刺激にボルサリーノは目を見開き、背中を思い切り仰け反らせて絶叫した。しかしサカズキの動きは止まらず、そのあまりの激しさに結合部からは中に出された精液がぶちゅりと下品な音を立てて溢れ出る。
「あ゛っ、おぐッ♡♡♡イグゥ♡またイっちゃうぅ♡♡♡」
ボルサリーノは既に何度も達しているせいですっかりイキ癖がついてしまい、指先で肌を撫でただけでも簡単に絶頂してしまうようになっていた。
「も、ゆるひてェ♡♡♡イキすぎておかしくなっちまうからァ♡♡♡」
ボルサリーノは涙をボロボロ流しながら必死に逃れようと身を捩るが、それを見逃すほど優しいサカズキではない。そも、上背はそう変わらないとはいえ体格差がある二人だ。度重なる絶頂ですっかりと力の抜けた身体でサカズキの腕の中から逃げることなどできやしない。そんなことも分からないくらい腑抜けてしまったボルサリーノが愛おしい。
サカズキは上半身を屈めてボルサリーノの上に覆い被さった。そしてそのまま唇を重ね、舌を差し入れると噛み付くような勢いで貪った。
「んむっ!?♡♡♡んんっ、ふぅっ♡♡♡」
口づけをしている間、抽挿を止めているにも関わらずボルサリーノはキスだけで全身を震わせて何度も何度も絶頂を迎えていた。
「はっ……口吸われただけでイキよって、淫乱な女じゃけぇ」
「ちがっ♡♡♡あ゛ぅっ!?♡♡♡」
ボルサリーノは必死に弁明しようとするも、サカズキの分厚い舌で上顎をぐりぐりと刺激されれば呆気なく白目を剥いて達していた。
「ふ……情けないのう、ボルサリーノ?そんな顔はわしだけに見せとけばええんじゃ」
「ふあ……♡ぇ……?♡♡♡うあっ、お゛っ♡♡♡」
サカズキは薄く笑いながら腰の動きを再開させる。もう何をされても今のボルサリーノは快感に変換されてしまい、まともな思考もできなくなってしまっていた。
「おほぉぉ♡しゅごい♡♡♡イクの止まんないっ♡♡♡イグッ♡♡♡イクイクイクぅぅ♡♡♡」
ボルサリーノは連続アクメに潮を吹き出しながら身体を震わせるが、サカズキが止まることはない。もはやただ雄に奉仕するだけの肉人形に成り果てたボルサリーノの中に二度目の精を放つ。
「んっ、あぁっ……♡♡♡またなかだし……♡♡おなかいっぱいだよォ♡♡♡」
先程出したばかりだというのに、量も勢いも衰えるどころか寧ろ増えている。一滴も逃さまいと子宮口が亀頭にむしゃぶりついて離そうとしないため、サカズキは射精しながら腰をぐるりと回してボルサリーノの最奥で円を描くように動かした。
「やだァ♡♡♡も、いい……!♡♡♡これ以上はむり……っ♡♡♡」
どぽどぽと音が鳴るほど精を吐き出したのに、サカズキの肉棒は未だに硬度を保ったままボルサリーノを貪るのをやめようとはしなかった。
いくら何でもこれ以上続けたら体がもたない、というより生命の危機すら感じる。
「うあっ♡♡♡サカズキ、お願い……!も、もぉ無理だからァ……♡♡♡」
ボルサリーノは涙目になりながら懇願するが、サカズキは聞く耳を持たなかった。それどころかさらに激しく腰を振りたくり始める始末だ。
「ひぎっ!?♡♡♡だめェ♡♡♡ほんとに死んじまうってぇ♡♡♡」
「安心せぇ、おどれはこの程度で死ぬ女じゃないけぇ」
「そ、そんな勝手なことォ……っ♡♡♡あ、あ゛ぁっ♡♡♡そこだめェ♡♡♡」
サカズキはボルサリーノの乳房に手を伸ばし大きな手のひらで豊満なそれを掴むと、乳首ごと強く揉みしだいた。
「あひぃぃぃっ♡♡♡ちくびもらめぇ♡♡♡」
「気持ちええの間違いじゃろ」
そう言ってサカズキは両方の乳首をぎゅうと摘み上げた。するとボルサリーノは一際大きな声で絶叫して背中を大きく仰け反らせた。どうやらまた絶頂してしまったらしい。
「やらっ♡♡♡も、やなのにィィ♡♡♡やめてぇぇぇ♡♡♡」
「やめるわけないじゃろうが」
サカズキはすげなく両断すると、今度は両方の指で乳首を押し潰したり引っ張ったりを繰り返す。その間も腰を揺するのをやめないため、ボルサリーノはずっとイキ続けている状態だった。
「あ゛っ♡♡♡ぎもぢよすぎてつらいィ♡♡♡」
最早痛みと快楽の区別もつかなくなり、半狂乱の状態で善がり狂うボルサリーノの姿にサカズキの情欲はさらに高まっていく。
「ほら、もっと締めんかい」
「やだぁっ♡♡♡もうイキたくないっ♡♡♡♡ほんとにおかしくなるからァ♡♡♡」
もう何度達したか分からないほど連続で絶頂を迎えているボルサリーノだったが、それでもまだ足りないとばかりにサカズキは律動をやめようとしない。むしろボルサリーノの反応を楽しむようにより激しさを増していった。
「ひぎぃっ♡♡♡イったばっかりなのにィ♡♡♡」
容赦なく最奥を穿たれ、ボルサリーノは再び絶頂を迎える。しかしそれでもなお止まる気配のない責め苦に、ついに恐怖心を覚え始めた。
「やだァっ!♡♡♡もう無理だってェ!!♡♡♡」
ボルサリーノは涙を流しながら懇願するも、サカズキは一切聞く耳を持たずますますピストン運動の速度を上げていく。
「あ゛ぁ〜〜〜〜ッ!!♡♡♡」
もう何度目かもわからない絶頂に、ボルサリーノは悲鳴のような声を上げながら身体を痙攣させた。もう下半身に全く力が入らず、完全にサカズキのされるがままになっていた。
しかしそれでもサカズキの動きは全く衰えることはなく、むしろますます激しくなるばかりでボルサリーノは気が狂いそうになった。
「もぉやめてェ♡♡♡ほんとに死んじまうよォ♡♡♡」
ボルサリーノの必死の叫びも虚しく、サカズキはうっそりとほくそ笑むとボルサリーノの両脚を持ち上げてより深く挿入できるように体勢を変える。そして上から押し潰すように体重をかけて腰を打ち付けた。
「あぁっ♡♡♡それ、ダメェ♡♡♡つよすぎる……っ♡♡♡」
ボルサリーノはサカズキの肉棒が子宮を征服した途端、目をハートにして悦びの声を上げた。
「あっ♡♡おくきてりゅ♡♡♡しきゅうにきちゃってりゅう♡♡♡」
ボルサリーノは舌を突き出して喘いだ。その表情は完全に雌堕ちしており、普段の飄々とした姿からは想像がつかないほど乱れきっていた。
「よほどこれが気に入ったようじゃな」
サカズキはボルサリーノの子宮口に亀頭を押し込んだままぐりぐりと円を描くように腰をグラインドさせる。その刺激でボルサリーノは背中を仰け反らせて絶頂を迎えた。しかしそれでもなおピストン運動をやめずに責め続ければ、ボルサリーノは涙を流して悶え苦しみ始めた。
「ひぐっ♡♡♡だめっ♡♡♡しきゅうばかににゃるぅ♡♡♡」
「ええ加減観念せぇ」
サカズキはそう言うと、今までで一番強く腰を打ち付けた。そしてその瞬間、ボルサリーノの子宮口はとうとう屈服し、サカズキの亀頭を迎え入れてしまった。
「あ゛、がぁっ……♡♡♡♡♡」
ボルサリーノは目を見開き、舌を突き出して声にならない叫びを上げる。あまりの衝撃に思考は完全に停止してしまい、目の前が真っ白になるような感覚に陥った。
(入っ……ちゃったァ♡♡♡)
ボルサリーノがそう自覚した瞬間、サカズキは容赦なくボルサリーノの子宮に自身の肉棒を叩きつけた。
「お゛ごぉぉっ!?♡♡♡」
ボルサリーノはその衝撃にたまらず絶叫を上げる。ただでさえ狭い穴の中に無理やり入り込んできた規格外の大きさを誇るそれはまるで凶器のようでもあった。
「あ゛っ♡♡♡おぐっ♡♡♡ぎでる♡♡♡」
ボルサリーノはあまりの質量に内臓ごと潰されてしまいそうな錯覚に陥り、呼吸もままならない。しかしサカズキは容赦なく腰を振り続けた。
「あぁっ!♡♡だめっ♡♡イクッ!♡♡♡♡イッくうぅ♡♡♡♡♡」
ボルサリーノは連続する絶頂に耐えきれず、全身を痙攣させながら盛大に潮吹きアクメをキめる。だがそれでもなおサカズキの攻めが終わることはなく、むしろより激しいものへと変わっていった。
「お゛っ♡♡♡イグッ!♡♡♡♡イキしゅぎてしんじゃうぅ♡♡♡」
もう何度絶頂を迎えたか分からないくらいイカされているのに、ボルサリーノの身体は壊れたように更なる高みへと上り詰めようとしていた。もうやめてほしいと心の内でどれほど願おうとも、全身を駆け巡る快楽の嵐はそんなボルサリーノを嘲笑うかのように勢いを増していく。
「あ゛ぁ〜〜〜〜〜ッ!!♡♡♡」
ボルサリーノは一際大きな叫び声を上げながら身体を弓なりに逸らし、大量の愛液と潮を吹き出して絶頂を迎えた。しかしそれでもなおサカズキの攻め手は止まらず、休む間もなく快楽を叩き込まれる。
「やらっ♡♡♡しぬ♡♡♡しんじゃうぅ……♡♡♡」
ガクン、と大きく身体が跳ねた拍子に運良く────運悪くかもしれない────サカズキの腕の中から脱したボルサリーノは指の先までじんじんと甘く痺れる身体に鞭を打ち、無様に床を張ってサカズキから逃れようとする。サカズキは、敢えて直ぐに捕まえたりせずに芋虫のように這い蹲るボルサリーノの白く細い背中をじっと見つめた。
距離を取ったことにより粘着質な音を立てて秘部から猛った肉棒が抜け落ちる。すると、胎の奥まで隙間なく満たしていたサカズキの子種がどぷりと溢れ出し、床に跡を残した。
「は、あぁ……っ♡♡♡ひっ、う゛ぅぅ〜……♡♡♡」
能力を使って外に逃げるならまだしも、部屋の中をノロノロと這っているだけでサカズキから逃げられるはずもないのに、普段では見られないボルサリーノの愚かな振る舞いを堪能する。
しかし、当然だがこのまま見逃してやるつもりはなかった。
僅かばかり空いたボルサリーノとの距離をいとも容易く詰めると、細い足首に手を伸ばす。
「ひっ?!やっ、離して……っ!」
「逃すか」
サカズキは掴んだボルサリーノの足首を思い切り引き寄せる。ボルサリーノは床に爪を立てて抵抗するが、その程度でサカズキに敵うはずもなく、再びあっさりと囚われてしまった。
往生際悪くじたばたと藻掻くボルサリーノの長い手脚を床に縫い止めるように押さえつけ、後ろから一気に肉棒を突き立てる。
「んお゛っ!?♡♡♡」
細身なボルサリーノとは比べ物にならない程に分厚い筋肉に覆われた身体で覆い被さってしまえば、床と挟まれたボルサリーノは身動きもできずにサカズキを受け入れるしかなかった。
「あ゛っ♡あ゛っ♡♡おぐっ♡♡♡だめぇ♡♡♡」
今度は緩やかに子宮口をノックし、膣内全体を擦り付けるようにゆっくりと抜き差しを繰り返す。その動きは激しいものではなく緩やかなものだが、その分一つ一つの動きが明確で、しかもぬるま湯のような終わりの見えない快楽が時間をかけて心と身体を犯していく。
「やらっ♡♡♡ゆっくりトントンもダメなのォ♡♡♡」
ボルサリーノはいやいやと首を横に振るも、身体は正直で子宮口は甘えるように亀頭にちゅぱちゅぱと吸い付いている。サカズキはその感触を楽しむかのようにじっくりと時間をかけてポルチオを責め続けた。
「おっ……♡おぉ〜……♡♡♡らえ……♡♡♡ゆるして……♡♡♡」
サカズキの熱く逞しい肉体に包まれ、永遠に続くかと思われる程の緩やかな快楽に襲われて、ボルサリーノは気が狂いそうだった。子宮口を優しく揺すられ、膣壁全体を余すことなく擦られてボルサリーノの思考は完全に溶け切っていた。
「はっ♡あぁ……♡サカズキ、すきっ♡♡♡サカズキ、サカズキィ……♡♡♡」
蕩けた思考の最中、うわ言のようにサカズキの名を呼び続ける。それに答えるようにサカズキはボルサリーノの首筋に唇を寄せて思い切り噛み付いた。
「んぎっ♡♡♡いだ、いだい……♡♡♡」
ボルサリーノは痛みに顔を歪めるが、それでもなおサカズキが与えるすべてを享受している。歯を立てたまま首筋を舐め上げればその刺激すらも快感へと変換されるようで、膣内はより一層きつく締まった。
「ぐ、ぅ……ッ」
ボルサリーノの肌を貪ったまま、低い唸りをあげてサカズキが熱を吐き出す。腹の中で感じる熱い感覚に、ボルサリーノもまた深い絶頂を迎えた。
「あ゛っ♡♡♡イグッ♡♡♡イグゥウウッ!!♡♡♡」
サカズキの身体で押さえつけられ、逃がすことも許されない快感がボルサリーノを貫く。中出しされた胎から灼けるような熱が全身に巡り、二人の境界すら曖昧になるような錯覚に酔いしれながらボルサリーノは長い手足を痙攣させた。
この後もボルサリーノはサカズキによって徹底的に抱き潰され、二度とサカズキの気持ちを疑うことのないよう理解らせられるのであった。