hug me



「戦桃丸くん、だっこしてェ」

二人きりになると、オジキはそう言って長い両手をこちらに伸ばしてくる。最初こそは無茶な要求に照れて断ったり慌てふためいたりしていたが、その顔にこちらの反応を楽しんでいる小憎たらしい笑みが浮かんでいることに気づいてからは「はいはい」とスルーしていた。
しかし、お互い生まれたままの姿で身体を重ね合い、己の下でいつもの飄々とした顔をぐずぐずに蕩かしているオジキの姿を見て、ふと本当に抱っこしてやったらどうなるのか、という疑問が沸いてきた。
科学部隊の隊長を任されているからか、密かに探究心が強い自覚がある。好奇心に突き動かされるままシーツに溺れていたオジキの腕を引いて上半身を起こすと、膝の裏に手を入れてしっかりと固定し抱き上げる。背丈はオジキの方が高いが、体重や筋肉量は自分の方が上なので特に苦労も感じなかった。むしろ、身長に対して軽すぎるのではないかと心配になったほどだ。
そんな心配など知らずに、突然抱き上げられたオジキは目を白黒させて狼狽えている。

「やっ…!なんでェ、だめ……っ!おく、当たっちゃうだろォ……♡」

「なんだよ、いつも抱っこしろってうるさいから、てっきりこうされんのが好きかと思ったのによ」

「あッ♡あっ……!ばかァ……それとこれとは違っ……ひぅんッ♡」

向かい合って座った状態で腰を揺らすと、自重によって普段より深いところまで陰茎が入り込むせいか、オジキはいつも以上に乱れ狂っていた。嫌々と言いながら首に腕を回してくるあたり満更でもないくせに、普段自分が優位に立って翻弄する立場であるから素直になれないのだろう。
降ろせ降ろせと繰り返すオジキの口を黙らせるべく脚に力を入れて下から思い切り突き上てやる。

「ひぁああぁ―――ッ!?♡♡」

不意打ちを食らい甲高い悲鳴を上げるオジキを無視して、そのまま激しく抽挿を繰り返す。結合部からは泡立った白濁液が溢れ出し、ぱちゅんぱちゅんと肉を打つ音と共に床に飛び散っていく。
抱き上げられているオジキに逃げ場はなく、なんとか快楽に耐えようとその長く靱やかな四肢でぎゅうぎゅうとしがみついてくる。密着すればするほど辛くなるのは自分であることにも気づかずに助けを求めるように抱き着いてくる姿は哀れで愛おしい。
今度は腹の内側を捏ねるようにゆっくりと揺さぶると、内壁がきつく締まって陰茎を締め付けてくる。

「やらぁ……♡そこぉ……きもちぃ……♡♡♡」

「気持ちいいなら良いじゃねぇか」

「だめぇ……おかしくなるゥ……!」

「なってもいいぜ?わいしか見てないしな」

オジキの言葉を聞き入れることはなく、嫌と言う余裕すら奪うように腰を突き上げながら抱えたオジキの身体を上下に激しく揺さぶる。

「お゛っ!?♡♡♡せ、戦桃丸くんっ♡♡イぐっ!イグゥ!!♡♡♡」

「はー…っ、わいも、出すからな……ッ!」

「んっ♡うん、うん……ッ!だしてェ♡♡♡」

耳元であえやかに鼓膜を擽る蜜のような甘い声色に、ゾクゾクと背筋に興奮が奔る。普段は子供扱いして振り回している、親子ほども歳の離れた自分のような若造相手に縋りつき淫らに乱れる姿を惜しげもなく晒す姿に征服欲が満たされていく。

「……っ、くそ……っ!出る……ッ!!!」

「あっ…♡♡熱いィ……♡♡♡〜〜〜っっっ!!♡♡」

どすん!と音が鳴るほどに強く、オジキの身体を壁に押しつけて陰茎を最奥に突き立てると、ぎゅううう!と中の締めつけがキツくなり、電撃のような快感が全身を駆け抜け、堪らず薄い被膜越しに精液を叩きつける。オジキも達したのか、互いの腹の間で擦れた陰茎からはびゅくびゅくと断続的に少量ずつ精液が吐き出されていた。

「はぁ……っ」

「ッ♡ふ……ぅ〜〜……♡♡♡」

暫く射精後の余韻に浸っていると、首に巻き付いていた腕から力が抜け、ずるりと身体が落ちてきた。慌ててオジキの身体を受け止め、中に入ったままの陰茎を引き抜いてベッドに横たえてやる。

「おい、オジキ!大丈夫か……?」

「ん……だいじょうぶ……な訳ねぇだろーがァ……」

オジキは少し冷静さを取り戻したようで、好き勝手されたことが悔しいようで、恨みがましそうにこちらを見上げてくるが、達したばかりで瞳は潤んでいるし、顔も上気して蕩けていて、少しも怖くはない。むしろ可愛いくらいだ。

「悪かったって……また抱っこしてやるから、そんな怒んなよ」

そう言ってニヤリと不敵に笑って見せると、オジキは見るからに嫌そうな顔をして「調子に乗んなよォ〜」と腹を抓ってきたが、嫌だとは決して言わなかったので、つまりはそういうことなのだろう。
じゃあ希望通りに、と再び抱えあげた瞬間のオジキの顔は、それはもう見物だった。

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