不意のキス
「いらっしゃいませー(笑)」
「お邪魔します、」
にのの家に来るのは初めてではないのに緊張する
いつものように相葉くんがいないからか
それとも恋人同士になったからか
多分どっちもだと思う
「なーに赤くなってんのよ。ほら、入って」
私服なんて数え切れないほど見てるのに
今日はやけに鼓動が早い
「何しよっか?家においでって言ったものの、なーんにもないんだよね」
ゲームしかないもんなー、なんて言いながら部屋を見回す
「やっぱ最初くらいは外の方がよかったかな?」
「んーん、大丈夫」
「でも行きたいところとかあったんじゃないの?」
「外に行ってもどうしていいかわからないから」
「家でもわからないけどね(笑)」
「今の状況ね(笑)」
意外とちゃんと話せてる
「せっかくだから恋人っぽいことしよっか」
「恋人っぽいこと?」
「おいで?」
私の右腕を引いて足の間に座らせる
「ちょっ、」
「はい、だめー。逃げないの」
そう言って私の腰に腕を回して、後ろから抱き締められる形になった
「嫌?」
「嫌、じゃない」
「じゃあいいじゃん、ね?」
「ねぇ、にの」
「和也」
「ぇ、」
「名前で呼んで?」
「む、むり」
「じゃあ和でもいいよ」
「そういう問題じゃなくてっ!」
「芽依、」
「っ///」
「俺は呼んだよ?」
「頼んでないもん」
「いいから、ほら」
呼んでごらん、なんて優しく促して
私が逆らえないのを知ってるんだ
「…かずなり」
「よくできました」
その言葉と一緒に降ってきたのは、
不意のキス
(「あの時も和也のペースだった」)
(「だってアナタ、おとなしかったから」)