2013年9月22日 アラフェス
本編が終わって、アンコールに出るためにアラフェスのTシャツに着替えていると、翔ちゃんと潤くんの声が聞こえてきた。
打ち合わせか何かかな?
「翔くん、ゆっくりやっても大丈夫だからね」
「お、おう。サンキューな」
なんか翔ちゃんの感じからして、えらく緊張しているみたい。
なんかやんのかなー?聞いてないけど。
「じゃあ行ってくる」
「んえ?私たちは?」
「あなたはまだ。翔さんだけ」
こんな演出聞いてない。いや、昨日はここでみんなで出て行ったはず。
何があるの?
「どうも。改めまして、櫻井です」
ほんと改まっちゃってどうしたの?て言うか私たちはどうすればいいの?
「嵐コールしてもらって僕しか出てこなくて申し訳ないんですけど、ちょっと私事を話させてください」
「僕にとっての国立って、ほんと思い出深いんですよ。
一回目、2008年には、芽依と付き合ってること報告して。
二回目、2009年は、嵐が10周年で。
三回目、2010年は、芽依が唇にキスしてくれて。
四回目、2011年は、本物の嵐の中コンサートやって。
五回目、2012年は、一回目のアラフェスやって。
こうやって挙げただけでもすごい思い出深いんです。」
もう翔ちゃんとの交際宣言してから5年か。早いな…。
「芽依出るよー」
「あ、うん…」
「芽依とも付き合い出してからもう6年なんですね。
ほんとここからは惚気になるんですけど(笑)。
ほんとかわいいんですよ。行動の一つ一つが。
でもね、ダンスしてるときはかわいくないの。きれいなの。
例えば、自分のソロとかで笑顔振りまいてたかと思えば、次の曲が始まると同時に顔つきが変わるの。
体力だってきっと俺らよりも少ないのに、技術面でカバーしようとするの。
そんなところはもう尊敬に値するよね。」
もうやめてよー。恥ずかしい。
すると翔ちゃんはくるっとこっちを向いた。
「芽依はね、ここまで来るまでほんとに時間が掛かったし、たくさんの壁を乗り越えてきたんだと思う。
でも俺は芽依にはもっと、この先ずっと笑っていてほしいの。10年後とか20年後とかもっと先まで。
俺はその笑顔を人生の最後までずっと隣で見ていたい。」
「…………」
「だから、『櫻井芽依』になってくれませんか」
「「「きゃぁー!」」」
「………っぐす………私でいいのっ?」
「芽依じゃないと嫌」
「私すぐ泣くしっ、嫉妬するしっ、重いかもしんないよっ?」
「それも全部含めて芽依でしょ?嫌なわけないじゃん」
「…こんな私でよければお願いしますっ」
「「「きゃぁー!」」」
「「「「おめでとう!」」」」
パァーン…
4人のおめでとうと共に花火が打ち上がった。
「みんなぁ…ありがとねっぐす」
「いやー、おめでたい」
「ね。ほんと」
「なんで翔くんこの場でプロポーズしようと思ったの?恥ずかしくない?」
それ私があとで聞こうと思ってたことだ。まぁいいや。
「あのね、2、3年前に芽依が『翔ちゃんにプロポーズされるなら、ファンの子の前がいい!』って言ってたから」
あ、そう言えばそんな話したような…。
「なんで?」
「やだよ、絶対言わない」
この理由は口が裂けても言えない。恥ずかしすぎる。
「みんなの前でプロポーズされたら、翔ちゃんを狙ってくる人も諦めちゃうかもじゃん!って言ってたよ」
「うう…。恥ずかしい…」
「「「かわいいー」」」
「なんもかわいくないよ!独占欲丸出しじゃん」
「そのかわいいかわいい芽依ちゃんがね、お望みとあらば櫻井、やってやろうと」
「見事成功と」
「そうですね。はい」
「じゃあせっかくだからあれいっときますか」
「あー、あれか」
「え、何?」
「それでは聴いて下さい。『One Love』」
「芽依、普通に歌えばいいから」
混乱する私を見て、相葉ちゃんが声を掛けてくれた。
私は落ち着いて歌うことに集中する。
One Loveを歌いながら今までのことを思い出していた。
翔ちゃんに告白されたけど、私が自分のことでいっぱいいっぱいで『私が大学卒業して、まだ私のこと好きだったらもう一回告白してもらってもいい?』なんて言ったこと。
それで本当に卒業するまで待っててくれて、晴れて付き合うようになったこと。
初めてデートした時のこと。
初めてキスした時のこと。
初めて一晩を共にした時のこと。
嵐が注目されるにつれて、お互いが忙しくなってすれ違いが続いていた時もあったこと。
翔ちゃんがオリンピックで、ずっと遠距離なのが嫌で、電話で泣いてしまったこと。
挙げ出したらほんとキリがないくらい。
どれも順位をつけられないほど大切な思い出で。
今までたくさん笑ったし、たくさん泣いたね。
これからも翔ちゃんとたくさん笑っていたい。たまに泣いちゃうのはいいけど(笑)。
だからこれからもよろしくね?
1番のサビまで歌い終わると、隣にいた翔ちゃんが私の目の前にきて、見つめ合う形になった。
…なんか恥ずかしい。
すると、次は潤くんのパートのはずが翔ちゃんが歌い出した。
「百年先も愛を誓うよ 君は僕のすべてさ」
その瞬間無性に翔ちゃんに抱きつきたくなって、走っていって抱きついた。
「ううっ…(ぎゅう)」
いきなり抱きついた私をあやすように、翔ちゃんは歌いながらずっと頭を撫でていてくれた。
私は泣きすぎで歌うどころじゃなかった。
歌が終わると、『芽依』って呼ばれて腰を引きつけられてちゅーされた。
「翔ちゃん。メンバーとしても、旦那さんとしてもよろしくね」
「ああ。こちらこそよろしく」
私はなんだか嬉しくなって、翔ちゃんの首に手を回してちゅーし返した。
「んふふ。お返し」
「「「ふぅー」」」
なんて会場からは冷やかしの声が聞こえて、私の顔が赤くなったのは言うまでもない。
「芽依、次の曲からは昨日と同じだから」
「はぁい」
そう言って自分の立ち位置に戻った。
アンコールがすべて終わり、みんながバックステージ側に集まる。
「じゃあね、最後に芽依と翔くんにおめでとう言おっか」
「せーの!」
「「「おめでとう!」」」
もう…また涙出てくるじゃん。
「ありがとっ…」
「また泣いてんの?(笑)」
「だって…」
こうして、いろいろあったアラフェスも幕を閉じた。