V
First Attendance





何事もなく駅へ着き、電車に乗る。最初は学園育ちの弊害か電車というものに慣れていなかったため、まごついて、舌打ちをされ、うちひしがれる……というのを繰り返していたが、今はもう慣れてサッと乗れるようになった。


霞が関駅に着いて階段を上がれば、そこには警視庁の庁舎。きっとこの服装だとすんなりとは入れないだろうと考えていられば案の定、ロビーで呼び止められてしまった。


「君、ここは警視庁だが、何か用事が?」


ほらやっぱりね!許可はもらっているけれど、それが全体で把握されているとは到底思えなかったので概ね予想通りの反応だった。


「今日付けでこちらに勤める事になりました、志貴ひよりです。よろしくお願い致します」


私はネックホルダーを出し、新しい警察官であることを提示してみせる。するとキョトン、としてから驚いた反応を示されるのは皆一様なので、それをスルーして指定されている場所へと向かった。

まったく、アリスは他にもいるだろうに、『アリス捜査官』と書かれているだけであの反応とは。私はそう思うと少しだけ苦笑を溢した。




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