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First Attendance




「いいかい、君たち。学園の高等部というのはだな」



そう言って説明をし始めた先輩。それを聞いているうちに、私もついこの間までいたところを思い出した。

アリス学園は高等部が5年間ある。3年間のA組と、2年間のB組。一般的な高校はこのA組に当たり、外部から見ればB組は短大といったところだろうか?高等部まで卒業した生徒は漏れなく短大卒程度の肩書きが貰える。もちろん外部で通用するやつ。

かくいう私も2年飛び級しているけれど、その肩書きはきちんと貰っている。


「えっ!? じゃあ志貴さんは、飛び級してるのかい? でも、飛び級って……」
「ああ、日本じゃ原則認められていない。しかし学園は別だし、そこでした飛び級は外部でも通用するぞ」
「えぇっ!? な、何でもありじゃないですか」


高木巡査部長が驚いた声を出し、それに先輩が答える。それを聞いていた周りの人たちも、驚いたような顔をしていた。


「……ま、こんなところか。よし、そろそろ戻る」


一通り説明し終えた先輩は私の頭をポンポンと軽く叩くと、戸口へ向かっていく。……え、何しに来たんだあの人。思わずそう言葉が口を衝いた。


「はは、今日は噂の妹ちゃんを見に来ただけさ。よろしくな、君」


そう言って先輩は笑いながら手をひらひらと振って去っていった。まあ言っても隣だけど。そんな先輩の後ろ姿を見送り、三係の人たちの方へ向かう。『志貴さんって……凄いのね』なんて呟かれたけれど、なんとも言えなくて苦笑いを返した。

ここに来る前に課長と面会し、警察手帳はちゃんと受け取ってある。受け取り忘れの備品などが無いことを確認して、私の席を教えてもらった。


「それで、誰が志貴くんとコンビを組むのかだが」


そう言った目暮警部はぐるりと見回し、ふむ、と顎に手を当てた。目暮警部、佐藤警部補、高木巡査部長、千葉巡査部長、そして私。うーん5人、奇数か……。目暮警部はよし、と言うと、私と高木巡査部長と佐藤警部補を呼んだ。


「奇数だから仕方がない。そこに入れてくれ」
「よろしくお願いします」
「あっ、はい!」
「よろしくね」


無事受け入れてもらえた私が安堵しているとビーッとスピーカーから耳に障る音が流れ、≪強行犯三係目暮班、米花町にて強盗犯立て籠りの通報≫と鳴り響いた。


「また米花町か……」
「本当、多いですよね」
「よし、行くぞ」


そう言って上着を取り車庫へ向かう先輩刑事たちに、私も遅れを取らないように着いて向かった。




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