先生、と呼べば振り向いてくれる。イレイザーヘッド、と呼べば返事をしてくれる。
じゃあ、その名を呼んだらどんな風に答えてくれるだろう。度胸のない俺には、一生分かりそうにない。
「イレイザーヘッド、お疲れ様です」
「ああ、お前か。お疲れ」
「例の敵連合の襲撃事件で、個性にも影響があったって聞きましたが……」
「多少な。だが問題ない」
「そうですか、」
雄英高校を卒業して、約2年。今年20歳になった俺は、エンデヴァー事務所のサイドキックとしてヒーロー活動をやっている。
相澤先生、とつい呼べば、「ヒーロー名で呼べ」と正される。俺はそれがいつも苦しい。
ヒーロー名なんて、みんな呼んでる名だ。まあ、先生って呼び方だって、嫌ってほど学校で呼ばれてるだろうけど。
もうそろそろ、諦めないといけない。
「あの、先生」
「ハァ……、だからヒーロー名で、」
「20になったお祝い、してくれませんか」
色々と捨てて、前を向かなければ。
相澤先生を書いてみたくて書きかけたものの難しくて断念したので供養。展開としては、宅飲みを提案して家に入れてもらって、一度だけ抱いてくれと頼む夢主…という感じでした