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投稿日:2025年12月31日
「では、達者でな。諸々収まったら、また顔を出すが良い」
「……ああ、ありがとう。皆も元気で」
そう別れを告げて、ルーフェンが手を上げると、横並びになっていたリオット族たちは、躊躇いがちに頷きを返す。
水や食糧、替えの外套など、最低限の旅装を整えてもらうと、ルーフェン、シャルシス、トワリスの三人は、地上へと続く洞窟を登って行った。
見送りには、ラッセルを始めとする、奈落に残っていたリオット族たち全員が出てきてくれた。
ルーフェンたちが旅立った後、彼女たちもまた、一時的に別の地下洞窟へと移動するらしい。
無骨だが、親切な地底の住人たちの無事を祈って、シャルシスは、その姿が見えなくなるまで手を振ったのだった。
もう使われていないのだという、土蛇の移動経路を辿っていく道程は、シャルシスにとって、なんとも居心地の悪いものだった。
灼熱の荒地に戻るのは気が重いからとか、持たされた干し肉がまずかったからとか、そんな理由ではない。
ルーフェンとトワリスの間に、やけに気まずい空気が流れていたからである。
気まずいといっても、一切会話がないとか、喧嘩をしている風だとか、そういった様子はない。
ただなんとなく、二人の目が合っていないような、妙な距離があるような、そういう違和感を感じる。
かといって、「さっき話し合った時にこじれたのか?」などと聞けるはずもなく、シャルシスは、黙々と二人に着いていくことしかできないのであった。
急勾配な横穴を登り切り、なだらかな道に出ると、剣帯に吊るしたシシムの磨石で、周辺を照らす余裕ができた。
この磨石は、磨くと暗闇で光る性質を持っており、地下で暮らすリオット族たちは、いつもこれを松明代わりに持ち歩いている。
ノーラデュースでは、そこら中に埋まっている鉱石なので、この光ならば土蛇も警戒しない。
また、地上では高値で取引されているから、後に売れば路銀の足しになるだろうと、ラッセルがいくつか持たせてくれたのだった。
左右の岩壁、前方を歩くルーフェン、そして、後方を守るように着いてきているトワリスを照らして、シャルシスは、さりげなく呟いた。
「……疲れたな。もう一刻は歩き通しだぞ。この辺りで、少し休まぬか?」
立ち止まったルーフェンとトワリスが、視線を合わせる。
二人の反応を伺っていると、ルーフェンが先に答えた。
「まあ、ずーっと坂道だったしね。ここから先もしばらく上りだろうし、俺は構わないよ」
頷いたルーフェンに対し、トワリスは、腕組みをして否定した。
「駄目です。魔導師たちが動けない時間帯を狙って、地上に出るのでしょう? 日が昇る前には洞窟を抜けて、できるだけノーラデュースから離れないといけませんから、今は休む暇なんてありません。どうしても疲れたなら、荷物持ちますから──」
「──い、いや、大丈夫だ! まだ歩けるし、荷物も自分で持つ!」
はい、と手を出してきたトワリスから、シャルシスは、背負っている荷を遠ざける。
疲れたというのも嘘ではないが、時間に余裕がないことは、シャルシスも分かっていた。
ただ、ルーフェンとトワリスが、まだ一緒に行くか否かで揉めているのだとしたら、休憩を理由に、また話す機会を作ってやろうか、と提案しただけだ。
そんな心中を、知ってから知らずか。
ルーフェンは、シャルシスの荷物から勝手に紙包み──携帯食の干し肉を取り出すと、彼の頭にポンと乗せた。
「本当に大丈夫? 地下といっても、ノーラデュースは朝と夜で寒暖差が激しいし、歩いてるだけで体力使うからね。まだ大丈夫だと思っていても、頻繁に飲み食いしておいたほうがいいよ。君、前も疲れたとか言って、発熱してたからなぁ」
「え? 発熱?」
ルーフェンの発言に、トワリスが眉を寄せる。
打って変わって、険しい表情になると、トワリスはシャルシスの額に触れた。
「熱は……なさそうですけど。前にもそういうことがあったんなら、ルーフェンさんの言う通り、休みながら進んだ方が良いかもしれないですね。ただ、今はやっぱり急ぐべきなので、もう少し頑張れますか? 西を目指すなら、ひとまずガルムの村まで一気に行きましょう。なんなら、荷物だけじゃなくて、背負っていってもいいですし……」
「せ、背負う⁉︎ 余のことをか? いらぬ、大丈夫だと言っておる!」
シャルシスは、微かに顔を赤らめると、トワリスの手を払い、頭上の干し肉を引っ掴んでルーフェンに突き返した。
本当に休みたかったわけではないのに、思いのほか心配されて、なんだかむず痒い気分になる。
ルーフェンがシャルシスをからかって、子供扱いしてくることにはもう慣れていたが、トワリスにまで過保護にされると、嬉しいとか有り難いというより、情けない気持ちが勝った。
彼女から見ても、自分はひ弱そうで、少し荒道を歩いただけで体調を崩すような子どもなのだ。
シャルシスは、ムスッと唇を尖らせた。
「前に熱を出した時は、王宮を出た時点で、既に具合が悪かったのだ。旅が原因ではないし、一晩ですぐ治っただろう。腹も空いておらん。匿ってくれたリオット族には感謝しているが、その肉だけは、まずくてもう食べる気になれぬ」
ルーフェンは、苦笑を浮かべて、包みから干し肉を取り出した。
「仕方ないじゃん。この辺で買える保存食は、どれもこんなもんだよ。食べてもお腹壊さないだけマシ、我慢我慢。はい、あーん」
「やめろ! 口に突っ込もうとするな!」
顔を背けて、シャルシスがルーフェンの手を叩き落とす。
拒否された干し肉を、渋々自分でくわえたルーフェンに、シャルシスはビシッと指を差した。
「そなたは頻繁に地上に出ていたから、我慢なんてことが言えるのだ! 余は地下にこもっている数日間、ずーっとその木の皮みたいなパサパサ肉と、水だけで生活しておったのだぞ」
「なぁに言ってんの。地上にいた時は、暑いだの日焼け痕が痛いだの騒いで、地下にもぐるってピーピー泣いてたくせに」
「な、泣いてなどいない! 急に皮膚が剥けたから、ちょっと驚いただけだ!」
ルーフェンの煽りに、シャルシスがまんまと乗せられている。
二人で旅をしていた時も、これが日常的なやりとりだったのだろう。
なんとなく既視感のある光景に肩をすくめると、トワリスは、ぎゃあぎゃあと言い合う二人の間に割って入った。
「はいはい、もう元気なのは分かりました! とにかく、今は進みましょう」
二人を引き剥がしてから、シャルシスに向き直る。
「でも、無理は禁物ですよ。不慣れな遠出で気を張っていると、不調が出づらいこともあります。少しでも具合が悪いと思ったら、さっきみたいに自己申告して、私たちを頼ること。いいですね?」
ぐいっと顔を近づけて言うと、その勢いに気圧されて、シャルシスが押し黙る。
しかし、その顔には、不満の二文字がはっきりと浮かんでいた。
「なんなのだ、気を遣ってやったのは余の方だぞ。……大体、ルーフェンもトワリスも大袈裟だ。歩き通しで、少し疲れたと言っただけではないか。世間知らずの王子だからと、馬鹿にしておるのだろう。余はもう十四で、来年には成人するのに……」
「…………」
トワリスに反応してほしいのか、してほしくないのか。
ぎりぎり聞こえるくらいの小声でぼやいて、シャルシスが、チラッとこちらを見る。
その仕草を見て、トワリスは、意外そうに目を瞬かせた。
シャルシスが、得意げにリオット族の住処を案内し始めた時から感じていたが、彼には存外、年相応の無邪気さが残っているらしい。
年相応どころか、今の仕草に関しては、構ってほしい幼子そのものだ。
王宮では、王族として振る舞おうとするシャルシスの姿しか見てこなかったので、まるで別人を見ているようだった。
やれやれと嘆息すると、トワリスは、諭すように言った。
「馬鹿になんてしてません。王族だろうが傭兵だろうが、子どもだろうが大人だろうが、慣れない環境で過ごしていると、普段は使わない神経や体力を使って、消耗するものなんです。まして殿下は、旅どころか、王都から出た経験が皆無だったわけですから、こっちが心配になるのは当たり前ですよ。それを突っぱねて、馬鹿にするなとか言い張ってる方が、よっぽど子供っぽいです。いきなり入ってきた私の言うことなんて、聞く気にならないのかもしれませんが、一応、つい最近まではカーライル王家に仕えていた身です。臣下に頼る練習のつもりで、素直に言うことを聞いてください」
「……仕えていた、ということは、もう仕えていないのだろう。というか、臣下なら、そなたが余の言うことを聞くべきではないのか?」
「…………」
静観していたルーフェンが、ぷっと小さく噴き出す。
トワリスの顔が引き攣ったのを見て、シャルシスは、焦ったように付け加えた。
「べっ、別に、頼りたくないと言っているわけじゃないぞ! ただ、この場では、王子だとか臣下だとか、そういうことは関係がないと言っておるのだ。それに、慣れない環境とは言うが、王都を出てもう二月以上経つ。余だって、少しは一般的な振る舞い方を覚えたし、たくましくなった!」
「…………」
トワリスは、コホン、と咳払いをすると、突然目つきを鋭くした。
「じゃあ、言わせてもらいますけど、二月以上も旅をして、何故まだそんな言葉遣いを?」
「……え?」
思わぬところを指摘されて、シャルシスが硬直する。
トワリスは、厳しい口調で続けた。
「普通は、自分のことを"余"なんて言わない。僕、または、俺。正式な場では、私。……街中でおかしいって気づかなかったんですか?」
みるみる顔を赤くすると、シャルシスは叫んだ。
「しっ、仕方なかろう! 身を隠しながら旅をしていたのだぞ! 民と話す機会などなかったし──」
「──違う。"仕方ないでしょう、身を隠しながら旅をしていたんですよ。町民と話す機会なんてなかったし"……。ちなみに、身分を同じとするなら、一般的には年下が年上に敬語を使うべきです。まあ、それは関係性にもよるし、一度に全て矯正するのは大変でしょうから、敬語までは無理強いしませんが。何にせよ、言葉遣いや所作によっては身分を怪しまれるんだから、地上に出たら、言動に気をつけるように」
「っ、だって、ょっ……お、おれは……」
悔しげに歯噛みして、シャルシスが言葉を詰まらせる。
ルーフェンは、ついに笑い出すと、シャルシスの髪をかき回した。
「あーあ、ぼく怒られちゃった。今回はシャルシスくんの負けだね」
「ルーフェン! そなた……っ、じゃなくて……貴様?」
腹立ちまぎれにルーフェンを突き飛ばしたものの、言葉遣いが定まらず、怒るに怒れない。
そんなシャルシスを見て、一層笑うルーフェンに、トワリスが苦言を呈した。
「貴方はまた、そうやって人をからかって……。言っておきますけど、ルーフェンさんの頭丸出しの格好も大概ですよ。言葉遣いは喋らなきゃいい話ですけど、銀髪銀眼を見られたら、一発で失踪した召喚師ってバレますからね。それなのに、ろくな変装もせずに出歩いて……いっそ丸刈りにでもしたらどうですか? 目はくりぬけませんが、髪はどうとでもなるでしょう」
真面目な顔で言って、抜刀しようとしたトワリスの手を、ルーフェンは慌てて止めた。
「いやいや、外套の頭巾をかぶってたら、案外バレないもんだよ。仮に見られても、相手が面識のない一般人なら、召喚師に似てる人ってことで片付けられるし……ね?」
「ね? じゃありません。頭巾なんて、何かの拍子に脱げたら終わりでしょう。通報されなかったのは、運が良かったからですよ。全く……その迂闊さで、よくここまで捕まりませんでしたね。命と頭髪、一体どっちが大切なんですか?」
「どっちも大切だよ」
即座に答えたルーフェンに、ため息を返す。
抜きかけた剣を戻そうとしたトワリスは、その時、ルーフェンに腕を掴まれていることに気づいて、ハッと身を強ばらせた。
ふざけた応酬の最中に、流れで手が触れただけに過ぎない。
だが、トワリスの動揺を察すると、ルーフェンはすぐさま手を引いた。
トワリスは、込み上がってきた羞恥をかき消すように、ルーフェンの背をぐいぐいと押した。
「ほら、結局無駄話で時間潰しちゃったじゃないですか! 早く進みますよ。殿下、じゃなくて──」
「──偽名はシャロンちゃんだよ」
「シャロン、行きましょう」
「おれが妹設定なのは変わらぬのか!」
シャルシスの突っ込みも虚しく、トワリスに押されるがまま、ルーフェンは先を歩いていってしまう。
シャルシスは、急いでその跡を追うと、再び微妙な空気をまとい始めた二人の背を、じっと見つめたのだった。
シャルシスが小走りになっていることに気づくと、トワリスは、早歩きをやめて、ルーフェンの隣に並んだ。
先程までは最後尾についていたのだが、なんとなく流れで、ルーフェンの近くを歩くことになってしまった。
今は彼と距離を取りたいのだが、ここでいきなり後ろに下がるのは、流石に露骨すぎるだろう。
背後のシャルシスから、何かを探るような、鋭い視線を感じる。
万が一にも、ルーフェンとの間にあったアレコレを、シャルシスに勘づかれるような態度は取りたくなかった。
後ろに下がるきっかけがないかと、視線を彷徨わせていると、不意に、ルーフェンと目が合った。
「なに?」と眼差しで尋ねられて、ふわりと体温が上がる。
そのまま目を逸らすのも躊躇われて、トワリスは、シャルシスには聞こえないような小声で、咄嗟に思いついた質問をした。
「気になってたんですけど、殿下って、王都を出てから、ずっとあんな感じなんですか? なんか、思ってたより子供っぽいっていうか、王宮での印象とだいぶ違うなと……」
「……ああ、うん。そうだね」
歩きながら、ルーフェンは、同じく囁き声で返事をした。
「どっちかっていうと、王宮でのほうが気を張ってたんだろう。王都を出たばかりの頃は、自分から疲れたなんて言わなかったし、熱を出しても、口先では休みたがらなかった。それが今は、ご覧の通りのわがままな意地っ張り坊や。……ま、良くも悪くも、大事に大事に囲われてきた、箱入りの王子様だからね。お手柔らかに構ってあげてよ」
「箱入りの……」
繰り返してから、トワリスは、怪訝そうに眉を寄せた。
シャルシスにとって、王宮での生活は窮屈だったのだろう、というのは、今までのやりとりから察しがついていた。
だが、改めて考えると、それだけの理由で、ルーフェンがシャルシスを連れ出したとは思えない。
かつてのミストリアの次期召喚師──ファフリのように、命を脅かされてやむを得ず城を出た、というような事情があるなら別だが、干し肉のまずさに文句を言う余裕があるあたり、シャルシスには、そういった深刻な背景はないだろう。
彼自身が王宮を出た動機には、単純な外への好奇心も、多く含まれているように感じられた。
もちろん、トワリスでは想像もできないような、王族なりの苦悩もあっただろう。
子供の頃を王宮で過ごした者同士、ルーフェンとシャルシスの間には、共感できる部分が多いのかもしれない。
だが、唯一の正統な王位継承者という立場上、現時点では、シャルシスの存在を脅かす勢力はなかったはずだ。
幼いのを良いことに、シャルシスの地位を利用しようと企む者はいたが、そういった輩は、国王であるバジレットが寄せ付けなかった。
はたから見たシャルシスは、祖母に守られて、まさしく国の宝のように育てられてきた王子なのである。
その過保護さが、本人には息苦しかったのかもしれないが、それは、客観的に見れば、王都を飛び出してしまうほどの苦痛だったとは言えないような気がする。
シャルシスにとっての真剣な悩みを、他と比較して一蹴するのは暴論だが、それでも、実の母親と殺し合うほどに不仲だったルーフェンからすれば、彼の境遇は、恵まれているように見えたのではなかろうか。
ルーフェンは色々と方便を並べていたが、仮にシャルシスを王宮に残していたとしても、カーライル王家が没することはなかっただろう。
むしろ、召喚師が失踪した今、シャルシスの誘拐まで世間に露見すれば、王位存続が危ぶまれることになる。
この状況で、ルーフェンが一国の王子を連れ出した理由が、"シャルシスに同情したから"では、あまりにも安直すぎるように思えた。
ルーフェンを横目に見ると、トワリスは、遠回しに問うた。
「……殿下は、自分なりに見識を広めたいから王宮を出た、と言ってましたけど、それは建前ですよね。あれだけ自分を大事にしてくれていたバジレット様が倒れたのに、どうして王宮から出ようなんて思ったんでしょう?」
「…………」
一拍おいてから、ルーフェンは、更に声量を落とした。
「それは、俺も不思議に思ってたんだけどね。彼はどうも、自分はお祖母様から嫌われてる、って思い込んでるみたいだから、多分、色々と行き違ってるんだろう。俺も、陛下と私的な付き合いがあったわけじゃないから、本当のところはよく分からないけど、つまるところ、お祖母様の想いは、孫には全く伝わってなかったわけだ」
トワリスが目を丸くすると、ルーフェンは、苦々しく笑った。
「血の繋がった身内同士ってのも、なかなか難しいもんだね。ただ、想像してみたら、シャルシスくんの気持ちも分かる気がしたよ。俺も昔は、バジレット様って苦手だったもんなぁ。シルヴィアを引きずり下ろすために召喚師になれ、とか言われた時は、おっかない人だなと思ったもん」
軽い口調で言われて、トワリスは、無意識に入っていた肩の力を抜いた。
「……まあ、確かに。アーベリトの件で箝口令を敷かれた時とか、ファフリたちの審議会の時の陛下を思えば、孫だからって甘やかしてる姿なんて想像出来ませんね」
「でしょ?」
ルーフェンは、肩をすくめた。
「それでも、かつてヘンリ村から保護された俺を、なるべく母親に近づけないよう、サミルさんのいるアーベリトに一時的に預けたのは、当時の国王、つまりカーライル王家だ。バジレット様は、全ての事情を知っていて、俺に対しても、色々と思うところはあったはず。それでも、アーベリトのことは沈黙を貫いてくれたし、獣人侵攻の件も、なんだかんだで最後までミストリアとの開戦には反対していたように思う。立場上、言葉には出してなかったけどね。……誤解を受けやすい人なんだろう」
そう締めくくると、ルーフェンは、困ったように吐息をこぼした。
磨石の光が、その横顔を、ほんのりと照らしている。
白銀に透き通った睫毛の影が、ふっと目の下に落ちる様を見ながら、トワリスは、納得したように独りごちた。
(……殿下個人というより、カーライル王家に報いるために、こんな無謀なことをしたわけね)
先刻、ルーフェンの素の心情を聞けたからだろうか。
ずっと不透明だった彼の考え方が、手にとるように理解できる。
誤解を受けやすいという意味では、ルーフェンも引けを取らないんじゃないだろうか。
そんなことを思いながら、トワリスは、しばらくルーフェンの隣を歩いていた。
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