束の間の休息
「残った43名の者には改めて挨拶をしておこうかの。
ワシが今回ハンター試験審査委員会代表責任者のネテロである。」
「秘書のビーンズです。」
「本来ならば最終試験で登場する予定だったがこうして現場に出てみると…。
なんとも言えぬ緊張感が伝わってきていいもんじゃ。
せっかくだからこのまま同行させてもらうわい。」
「次の目的地には明日の朝8時に到着予定です。
食堂に食事もご用意いたしました。
休憩なさるのも構いません。
こちらから連絡するまで各自自由に時間を使ってください。」
ビーンズがそう言えばすぐにはしゃぎ出すキルアとゴン。
「よしゴン!飛行船の中探検しようぜ!」
「うん!
アッシュさんは?」
キルアともそうだが、ゴンとはそう長く一緒にいないのに何故か懐かれてる気がする。
「小太郎の世話あるからパス。」
「わかった!」
そう言ってゴンはキルアと飛行船の中を探検しにいった。
レオリオとクラピカ達はこのまま休息を取るようで、部屋を探しに行った。
「さて、シャワー浴びてご飯食べるか。」
「ワンッ!」
シャワーとご飯を済ませた後、食後の運動も兼ねて小太郎の散歩で飛行船の中を歩き回る。
すると何やら廊下でネテロとゴンとキルアが話し込んでるのが見えた。
「こんな所で何してんの?」
「アッシュ!なんかこの爺さんからボール取れたらハンターの資格くれんだって。」
「アッシュさんもやろうよ!」
ゴンは純粋に誘ってくれたが、その言葉でネテロの顔色が変わる。
「ぬぁ!?」
ネテロのこの反応を見てすかさずキルアが面白がって追い討ちをかけてくる。
「いいじゃん!
アッシュもやろうぜ!どうせ暇だろ?」
「俺寝たいんだけど…。」
「そ、そうじゃ!
休みたい奴は休ませるべきじゃぞ!」
「別にいいじゃん1人増えるくらい。」
「だがの、」
さらに焦るネテロ。
正直ボールを奪うだけなら楽勝である。
しかしここで勝負に勝ってライセンスを入手したところで不正を疑われるだろう。
それなら…。
「おい爺さん。
ライセンスは別にいらないから俺がボール取れたらアンタのベッド寄越せ。」
硬い床での雑魚寝なんてクソ喰らえだ。
「よかろう!
アッシュが勝ったらわしのベッドを譲ってやろうかの。」
一気にネテロの顔色が戻る。
流石に会長の一存だけでライセンスを授与するのは良くないらしい。
ベッドもおそらく空き部屋のを勝手に許可を出すだろう。
「そっちはどんな攻撃も自由じゃ。
わしの方から手は出さん。」
「まじ?
ははっ、こんなチャンス滅多にないじゃん。」
曲者ジジイをこちらから自由に手出しし放題のルールに気合いが入る。
思わず腕を鳴らす。
わずかにパチ、と静電気の音がする。
その音を聞いたネテロは再び顔色を変える。
「まて、お主まさかアレを使うかじゃなかろうな。」
「アレ?
ごめんオレ馬鹿だからなんのことかわからないなぁ。」
きっとアレとは念能力のことだろうが知ったこっちゃない。
「お主いつか覚えとれ…。」
「取るだけでいいんだよね?
じゃあオレから行くよ。」
そう言ってキルアが動き始める。
その歩みはだんだんと残像を残し始め、何人ものキルアがネテロを囲い始める。
「(完璧な足運び。
これは家族がキルアに期待するわな。)」
仕事が忙しかったのもあるが、お袋やイルミによって、俺がキルアに悪影響を及ぼさないよう接触を阻止されてたため、ヨルイはあまりキルアの実力を知らなかった。
特にここ一年くらいは家ですれ違う時に会話する程度だった。
そのままタイミングを見計らってキルアはネテロに仕掛けるが尽く躱されていく。
痺れを切らしたキルアが動きを止めるため足払いを仕掛けるが、ネテロの頑丈な足の所為で逆にキルアがダメージを受ける。
ここでゴンとバトンタッチした。
「いってぇ…。」
「お疲れ様。
常人の足なら間違いなく砕けてたと思うから気にするな。」
「別に落ち込んでねーし!」
その後ゴンもネテロに仕掛けていくが、キルア同様尽く躱されていく。
元々のポテンシャルが高いのか何かやってきたのかはわからないが、ゴンは身体能力が良い。
個人的にはこの歳でこれだけ動けるなら将来有望であり、キルアの隣を歩いていけるのではないかとも思う。
「(ただ所詮は一般人。
お袋やイルミは許しはしないだろうな。)」
「アッシュさーん!交代して!」
ゴンもボールは奪えず一度休憩することになり、俺の番がやってくる。
「ベッドは頂いた。」
「何もう勝った気になっとるんじゃ。」
「あんた受験生には本気だせないだろ?
なら俺の勝ちに決まってる。」
いち受験生である俺をネテロは傷つけることはできない。
「まあせっかくだから弟の勉強になるようにしようかなっ!」
言い終わると同時に攻撃を仕掛ける。
流石に普通の攻撃はゴン、キルアと同じように躱されてしまう。
そこで動きを止めるため、ヨルイも足払いを仕掛ける。
「ぬあっ。」
キルアと違い、しっかりと足払いがかかりネテロの体が後ろに倒れる。
しかし体制が崩れる瞬間ボールを後ろに投げており、そのまま片手を後ろにつき後方へ回転する形で体制を整えボールも手に入れるネテロ。
「うーん、やっぱりアレ使わないと面倒だなぁ。」
一瞬にして円をこの部屋一帯に広げる。
バチッ
何の変哲も無い屋内に、確かにその音が鳴り響いた。
そしてヨルイはボールを手に入れていた。
「俺の勝ちだね。」
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戻るワシが今回ハンター試験審査委員会代表責任者のネテロである。」
「秘書のビーンズです。」
「本来ならば最終試験で登場する予定だったがこうして現場に出てみると…。
なんとも言えぬ緊張感が伝わってきていいもんじゃ。
せっかくだからこのまま同行させてもらうわい。」
「次の目的地には明日の朝8時に到着予定です。
食堂に食事もご用意いたしました。
休憩なさるのも構いません。
こちらから連絡するまで各自自由に時間を使ってください。」
ビーンズがそう言えばすぐにはしゃぎ出すキルアとゴン。
「よしゴン!飛行船の中探検しようぜ!」
「うん!
アッシュさんは?」
キルアともそうだが、ゴンとはそう長く一緒にいないのに何故か懐かれてる気がする。
「小太郎の世話あるからパス。」
「わかった!」
そう言ってゴンはキルアと飛行船の中を探検しにいった。
レオリオとクラピカ達はこのまま休息を取るようで、部屋を探しに行った。
「さて、シャワー浴びてご飯食べるか。」
「ワンッ!」
シャワーとご飯を済ませた後、食後の運動も兼ねて小太郎の散歩で飛行船の中を歩き回る。
すると何やら廊下でネテロとゴンとキルアが話し込んでるのが見えた。
「こんな所で何してんの?」
「アッシュ!なんかこの爺さんからボール取れたらハンターの資格くれんだって。」
「アッシュさんもやろうよ!」
ゴンは純粋に誘ってくれたが、その言葉でネテロの顔色が変わる。
「ぬぁ!?」
ネテロのこの反応を見てすかさずキルアが面白がって追い討ちをかけてくる。
「いいじゃん!
アッシュもやろうぜ!どうせ暇だろ?」
「俺寝たいんだけど…。」
「そ、そうじゃ!
休みたい奴は休ませるべきじゃぞ!」
「別にいいじゃん1人増えるくらい。」
「だがの、」
さらに焦るネテロ。
正直ボールを奪うだけなら楽勝である。
しかしここで勝負に勝ってライセンスを入手したところで不正を疑われるだろう。
それなら…。
「おい爺さん。
ライセンスは別にいらないから俺がボール取れたらアンタのベッド寄越せ。」
硬い床での雑魚寝なんてクソ喰らえだ。
「よかろう!
アッシュが勝ったらわしのベッドを譲ってやろうかの。」
一気にネテロの顔色が戻る。
流石に会長の一存だけでライセンスを授与するのは良くないらしい。
ベッドもおそらく空き部屋のを勝手に許可を出すだろう。
「そっちはどんな攻撃も自由じゃ。
わしの方から手は出さん。」
「まじ?
ははっ、こんなチャンス滅多にないじゃん。」
曲者ジジイをこちらから自由に手出しし放題のルールに気合いが入る。
思わず腕を鳴らす。
わずかにパチ、と静電気の音がする。
その音を聞いたネテロは再び顔色を変える。
「まて、お主まさかアレを使うかじゃなかろうな。」
「アレ?
ごめんオレ馬鹿だからなんのことかわからないなぁ。」
きっとアレとは念能力のことだろうが知ったこっちゃない。
「お主いつか覚えとれ…。」
「取るだけでいいんだよね?
じゃあオレから行くよ。」
そう言ってキルアが動き始める。
その歩みはだんだんと残像を残し始め、何人ものキルアがネテロを囲い始める。
「(完璧な足運び。
これは家族がキルアに期待するわな。)」
仕事が忙しかったのもあるが、お袋やイルミによって、俺がキルアに悪影響を及ぼさないよう接触を阻止されてたため、ヨルイはあまりキルアの実力を知らなかった。
特にここ一年くらいは家ですれ違う時に会話する程度だった。
そのままタイミングを見計らってキルアはネテロに仕掛けるが尽く躱されていく。
痺れを切らしたキルアが動きを止めるため足払いを仕掛けるが、ネテロの頑丈な足の所為で逆にキルアがダメージを受ける。
ここでゴンとバトンタッチした。
「いってぇ…。」
「お疲れ様。
常人の足なら間違いなく砕けてたと思うから気にするな。」
「別に落ち込んでねーし!」
その後ゴンもネテロに仕掛けていくが、キルア同様尽く躱されていく。
元々のポテンシャルが高いのか何かやってきたのかはわからないが、ゴンは身体能力が良い。
個人的にはこの歳でこれだけ動けるなら将来有望であり、キルアの隣を歩いていけるのではないかとも思う。
「(ただ所詮は一般人。
お袋やイルミは許しはしないだろうな。)」
「アッシュさーん!交代して!」
ゴンもボールは奪えず一度休憩することになり、俺の番がやってくる。
「ベッドは頂いた。」
「何もう勝った気になっとるんじゃ。」
「あんた受験生には本気だせないだろ?
なら俺の勝ちに決まってる。」
いち受験生である俺をネテロは傷つけることはできない。
「まあせっかくだから弟の勉強になるようにしようかなっ!」
言い終わると同時に攻撃を仕掛ける。
流石に普通の攻撃はゴン、キルアと同じように躱されてしまう。
そこで動きを止めるため、ヨルイも足払いを仕掛ける。
「ぬあっ。」
キルアと違い、しっかりと足払いがかかりネテロの体が後ろに倒れる。
しかし体制が崩れる瞬間ボールを後ろに投げており、そのまま片手を後ろにつき後方へ回転する形で体制を整えボールも手に入れるネテロ。
「うーん、やっぱりアレ使わないと面倒だなぁ。」
一瞬にして円をこの部屋一帯に広げる。
バチッ
何の変哲も無い屋内に、確かにその音が鳴り響いた。
そしてヨルイはボールを手に入れていた。
「俺の勝ちだね。」
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