読み間違いではない。
確かに送ってると書いてある。
何を?この戦闘を?
この気持ちの悪いヒソカを親父が見てる??
中々打開策が見つからずやたら攻撃を受けてる自分を??


「…まじありえない。」


また脳筋とかじいちゃんが居たら言われそうだけど、仕方ない。
流をやめ、円に切り替える。


「(“神域”)」


円は試合会場程度に広げる。
電気に変化させたオーラを自分に作用させ、身体能力を上げる。
一瞬ビリ、という音が聞こえたが、聞こえた時にはヒソカの背後に回り、首に肉体操作した手刀を突きつけた後である。


「降参するか死ぬか選べ。
それ以外は無い。」

「それが君の発かい?
瞬間移動のように見えたけど…っ」


選択肢以外を喋るヒソカに突きつけた指を首に食い込ませる。
先ほどの電撃でヒソカの念の糸は焼き切れている。


「お喋りに付き合う気はない。」

「僕を殺したら失格だけど?」

「構わない。
最後だ。死ぬか?生きるか?」

「…仕方ないね。まいった。」


無事試験は合格でハンターになれたがどうでもいい。
審判の勝者宣言もそこそこに、俺はイルミの方に向かい、持っている端末を指差す。


「…ねえ。どういうこと?」

「カタカタカタカ」


“親父達から前もって言われててさ。
もし可能なら試合を送れって。”

「聞いてない…。」

“じいちゃんの方が、言ったら脳筋具合がわからんじゃろって”

「あーもういいよ…。
小太郎ー…。」


小太郎を呼んで、駆け寄ってきた所を抱き上げて壁際に座る。
そのままその背中に顔を埋めて無になる。
今のやり取りは、イルミのほうは念で行っていたので周りはちんぷんかんぷんである。
唯一事情も知っているネテロは腹を抱えて笑っており、さらに受験生を困惑させる。


「ぶぉっふぉっふぉっ!
やる気出したかと思えば…っ!
相変わらず脳筋よの!」


腹立つあの顔面に一発食らわせたい。
ポケットに入っている端末が震えるため、一応、一応確認で開けば親父とじいちゃんからで


じいちゃん“少しは頭を使わんかい脳筋!”

親父“念に対しての危機感が無さすぎる”


じいちゃんは最後神域で強引に試合を終了させたことを言っており、親父は肩にヒソカの念をくっつけられたことを言っているのだろう。


「もうやだぁ…。」








その後も試合は進む。
ヒソカvsボドロは、ボドロが負けを宣告したためヒソカが勝利した。
次のポックルvsキルアは、キルアが試合を放棄したためポックルが勝利した。

キルアの元にいき、何故あんなことをしたのかを聞いた。


「次のやつと戦った方が面白そうだったから。」

「そう。」


話はそれだけだった。

キルアの次の相手はギタラクル。
キルアはイルミには敵わない、絶対に。

自分は家の中では甘い考えをしている。
その自覚もある。
だから実力が同程度だったり、刺激しあえる相手なら友達を作ったっていいと思ってる。
好きに家を出て世界を見てみるのも構わない。

だがキルアの試合放棄の理由、あれは戴けない。
今までの試験が簡単だったためか何かは知らないが、相手が格下ばかりだと思っている。
己の力を過信している。

これは戴けない。

暗殺者として、恨みを買う者として、相手の能力を測り損ねることだけはあってはならない。

端末を開き、親父に連絡をする。


「キルが家を出るのはまだ早かったな。」



“キルを家に戻す。”





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