ハンター試験が終わってから、もうすでに数日が経った。
仕事に行きたくないし、家には親父はいないわで、小太郎と遊んで過ごす毎日がとても天国である。
そろそろじいちゃんあたりに雷を落とされそうだけど気にせず執事室に向かう。
長らく家に帰らずとも、家の優秀な執事達のお陰で部屋にホコリひとつなく快適に過ごせるのだが、流石に飽きる。
遊び相手として小太郎が気を許しているゴトーに構ってもらうためにも執事室に行くのが日課である。


「ヨルイ様、またいらしのですか…。」


ここ連日仕事の邪魔をするわけではないが、執事室で過ごす俺にさすがのゴトーもため息である。


「仕事の邪魔はしないから許してよ。」

「貴方様がいるだけでここにいる何名かは仕事に集中できません。」

「あー聞こえない聞こえない。」

「…。」


ゴトーのこめかみがピクピクしてるように見えたけどそれも気にしない。
備え付けのソファに寝転がる。
その動作だけでも体が鈍く痛む。


「部屋でおとなしくした方が早く回復しますよ。」

「いいよ別に。
キルアはまだ独房?」

「はい。
ミルキ様のお怒りが未だ治らないようです。」

「あいつなんだかんだ脂肪のおかげで軽傷だろ…。
ねちっこすぎ…。」


眠い…。
今日も母さんがご飯にいつもと違う毒を仕込んだな…。
いくら耐性があると言ってもしんどいものはしんどい。


「お眠りになるならお部屋にお戻りを…。
はぁ、この方は全く…。」


ゴトーの小言もそこそこに意識が沈んだ。









「…様…は……いませ…。」


何やら執事室が少し騒がしい。
ゴトーの声が聞こえる。
目を開けて確認すれば、ゴトーが電話対応をしていた。


「ん…。
ごとー、とらぶる?」

「いえ、問題はございません。」


しかしすぐに再び電話が鳴る。


「はい、こちらゾルディッ「なんでお前にそんなことがわかるんだ!!!」…。」


この声はえーっと、キルアの友達の…。
本当に家まで来たのか。


「なんでわざわざ電話?
なんて?」

「キルア様を出せと。」

「ん?
普通にこっちに来て勝手に会えばいいんじゃない?」

「門番からの外線なので、恐らくですが試しの門が開けられないのでは?」

「あー…?」


あれそんなに重いんだっけ??


「ちなみにヨルイ様にもお会いしたいようですが、いかがされますか?」


ゴトーが通す気はさらさらないが、一応確認のため俺に聞いてくる。
そのままゴトーから電話を代われば、やはり相手はハンター試験の時の彼だった。


「やあ、本当に来たんだね。
ちょうど親父たちいないし、キルアはまだ家にいるからさっさと会えば?」

「入れないから困ってるんだ!
ヨルイさん俺たちをキルアのところに案内してくれない?」

「案内なら構わないけど、それなら早く屋敷まで来なよ。」

「入り口の門が重すぎて開けられないよ!」

「それじゃあ案内はできないね。
人様の家に上がり込むんだ、最低限こっちの家のルールは守ってもらわないと。」


試しの門を開けられない者は、誰であろうと屋敷には入れない。


「キルアは謹慎中だからお前達を迎えには行けない。
…諦めて帰れば?」


どうせその程度の実力ではすぐ死ぬだろうからキルアと友達になっても仕方ないだろう。
さらにごちゃごちゃと騒がれたが、面倒になりそのまま切る。


「ヨルイ様はキルア様のためにお手伝いなさるとばかり思いましたが。」

「ここまでこれたらキルのもとまで案内するけど、試しの門すら開けられない子といてもキルが傷つくだけじゃない?」

「左様ですか。
そういえばゼノ様がヨルイ様をお探しですよ。」

「げ」


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