「やあキル、お前再来週の日曜家出する気でしょ。」


お互い仕事の関係で一ヶ月ぶりの再会だというのに、開口一番に兄から飛び出たのは俺の密かに計画していた家出についてだった。


「え゛やだな兄貴、そんなわけないだろ!家出なんてこの家でどうやってするんだよ!」


しかし足元から唸り声がして見れば、兄貴の飼い犬の小太郎がめっちゃ不機嫌そうに唸っていた。


「嘘ついてんじゃねえぞ、だってよ」

「なんで犬に嘘かどうかわかんだよ!」

「まあまあ落ち着けって。
でも家出したいってのは事実だろ?」

「…まあ。」

「俺の時の似てるってオヤジ達にはバレバレらしいぞ」

「え!?バレてんの!?ってか兄貴家出したことあんの!?」

「はっはっは!」


オヤジ達にバレてるのかよ…。つーことは俺の家出計画はおじゃんな訳で。


「そこでキル、お前ハンター試験を俺と受けよう。」

「ハンター試験?」

「すでに申し込みはしてある。オヤジには俺から話を通しておく。期間はどのくらいかわからないから適当に準備しておくように。」

「え?ちょ、だからハンター試験って」

「出発はお前の家出計画の日ね。」


じゃあ俺オヤジのとこいくからと行ってしまう兄貴。
…とりあえずハンター試験について調べよ。









「ってことでよろしくお願いします。」

「またお前さんは突拍子も無いことをいいよるのぉ…。」


ゼノ爺とオヤジは2人してお茶していた。そんな2人にハンター試験について報告をしたら、2人にはため息をつかれた。
我ながらにいい考えと思ったんだけど。


「しかしそのハンター試験、イルミもいるぞ。あいつがキルの家出を許すとは思えないが…。」

「げ…嘘だろ…。
まあハンター試験中くらいはなんとかするよ…。」

「外の世界を知るいい機会じゃ。キルもハンター試験程度で死ぬ奴じゃあるまいて。ヨルイもおるし、なんとかなるじゃろ。」

「それもそうか。」

「それって俺のこと褒めてくれてるの?」

「たわけ!ゾルディック家長男が子守くらいこなせんでどうするんじゃ!当たり前だと言ったんじゃ。」

「そうだな褒めてはないな。」

「…いつかまた本当に家出してやるからな。」


そうして俺とキルは約束通り家出した。
なおオヤジ達はこのことをおふくろ達に言い忘れたようで、必死にキルを止めようとするおふくろをうざがってキルが刺してしまいました。

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