「みなよ、小太郎なんて余りの変わりっぷりに信じられなくてさっきから匂い嗅ぎまくってる。」


小太郎はイルミの足元を仕切りに嗅ぎ回る。
挨拶がわりか、イルミがその頭を撫でようと腰をかがめた瞬間ピクッと体を震わせたため、撫でずに体を戻すイルミ。


「兄さんはちょっとは変わったけど小太郎いるからすぐわかったよ。」

「ええ〜…。ていうかなんでお前ハンター試験受けてるの?」

「仕事で必要になってね。
というか、キルに余計なことさせないでよ。あの後おふくろがキル連れもどせってうるさいのなんの。」


あの後おふくろはすぐに親父に連絡するも、興奮するキキョウに説明がめんどくさくなったようで、勝手にさせておけといって電話を切ったらしい。
そんなので納得のいかないおふくろは、ミルキを使いキルの居場所を特定、イルミに連れ戻すように頼んだらしい。
親父、事前におふくろに言っといたって頼んだのに忘れたな。おちゃめさんめ。


「残念だけど親父公認の家出でーす。」

「でも友達を作ることまでは認めてはないでしょ。
キルは今大事な時期なんだから関わるなってあれほどいったよね?」

「キルにはガス欠が必要なのはお前だって感じてたはずだよ。
お前といたってストレスしかたまらないんだから俺が付き添うのは仕方ないだろ。」

「俺がキルのストレス?何いってるの?」


イルミはキルアに好かれていると本当に思っているというのか。
過去にあんなことやこんなことやらキルアに対してやったというのに。


「…百歩譲ってお前にストレスを感じてないとして、競い合える友達がいると人は成長するっていうだろう?」

「どこの少年漫画のこと言ってんの?そんな成長なんかなくても立派な暗殺者に育てる。」

「まあまあ。
足手まといの競え合えない奴と友達になったなら、そのときは…

俺がそいつを殺せばいいだけでしょ?」


本気だと言わんばかりに少し殺気を込めてイルミを見れば、少しは納得したのかため息をつき、本当に兄さんはキルに甘いと言ってくる。


「…まあいいよ。そんな都合のいい奴いるとも思えないし、キルのことを知れば離れて行くだろうしね。」


そう言って用は済んだとばかり、離れていくイルミ。


「あ、俺今アッシュって名前だから。」

「カタカタ…俺はギタラクル…」


そしてイルミの姿が見えなくなると、一次試験開始の時計のアラームが鳴り響いた。



 目次 
戻る