彼女の嫉妬 その2
そろそろ、本土を離れてひと月半。
本艦は赤道直下のあたりまで来ているが、やがてある環礁の近くに停泊した。
見渡す限り、空は青、海も青。青、青、青の青一色。
常夏の太陽の光を存分に浴びて、透き通った海には色とりどりのサンゴや魚が見える。
乗組員はみんな開放的な気分になってウキウキしている。
しかしもちろん勤務中だ。遊べるわけではない。
この停泊地でも、行うべき訓練があるのだ。
(隊員A)「整列。班長殿に敬礼」
(班長)「休め。以上で午前の訓練を終える。なお本日午後に行う訓練の概要についてであるが・・・」
午後は潜水訓練を行うことになっている。
プロペラ(スクリュー)やラダー(舵)が損傷を受けたと想定して、海に潜って状況を確認するという演習である。
一応、水中ボンベと足ヒレ(フィン)を使うが、ウエットスーツは着ない。
ここは水温も高いし、艦の喫水も7〜8m程度なので、海パンでもいいことになっている。
(班長)「訓練内容の確認と装備の点検を十分に行っておくように、なお・・・・・」
あれ?どうしたのだろうか。
話はまだあるようだが、班長殿は何かためらっている。
(班長)「実は訓練の際に・・・」
なんと麻美軍医殿が参加したいということであった。
そもそも彼女は医師であり、我々一般隊員とは職務内容が大きく異なる。
いい機会であり、隊員の訓練に一緒に参加して、プロペラなどの実物を見てみたいという希望だそうだ。
自分たちにとっては正式な訓練ではあるが、軍医殿にしてみれば多分に見学のような感じにはなるだろうな。
(班長)「というわけである。わかるな。軍医殿は上官であるが女性である」
あれ?妙なことを言っている。
この艦には女性隊員もいるのだ。
いまさらそんな差別的なことを言う必要もなかろうに。
だが班長が言わんとすることは理解できた。
軍医殿は水着で参加することになるだろう、と。
(班長)「事故を含めて変なトラブルを起こさないように。以上」
午後になった。
(隊員B)「気を付け。敬礼」
自分たち十数名は側舷に集合整列した。
班長殿と軍医殿は、隊列の前に並んで立っている。
だがしかし、彼女はウエットスーツを着てきた。
落胆したが自分は軍人である。
与えられた任務には全力で当たらなければならない。
すぐに気を取り直した。
しかし軍医殿もなんとなく落ちつかない様子だ。
俺たちをジロジロ見てバツが悪そうな顔をしている。
そうか、わかったぞ。
俺たちが皆、海パンスタイルなのに自分だけ違うということを気にしているのだろう。←※実際は全然違った。答えは一番最後に。
案の定、班長殿の話が終わるやいなや、
(麻美)「班長、ちょっと待ってください」
麻美軍医殿は、俺たちの目の前で、ウエットスーツを脱ぎ始めた。
俺たちは唖然として見ていたのだが、す、すごい!
下はピチピチの青い三角ビキニであった。
やはり見学のつもりだったのか、とは、微塵も思わなかった。
オ〇パイはブラからはみ出るほどボリュームがあるし、水着のボトムも股の土手そのままの形に丸く膨らんで貼りついている。
さらにピッチピチに出っ張った布にはにエロいしわが何本も入っている。
艦上生活でこれは貴重な瞬間だ。
しかしじっくり見ようとしたとたん、
(班長)「それでは潜水訓練を開始する。前進はじめ」
と、号令がかかり、隊列の移動が始まってしまった。
ボンベを背負い艦舷のタラップを降りていく。
足ヒレをつけ終えると、1人また1人と海に入っていった。
ラッキーなことに、俺は軍医殿をフォローする任務を仰せつかった。
彼女のすぐ後ろを降リていくが、気さくな彼女は振り返って、
「私も一応スキューバダイビングのライセンスは持ってるのよ」と言っている。
彼女の順番が来た。
「お先に」と言って、ザブンと飛び込んだ。
俺もすぐに続き、手で船体を伝いながら艦尾に向かって泳いでいく。
艦尾に来ると、各自は適当に散って艦底やプロペラなどを調べだした。
調べるといっても、艦底をなぜながら、異常ない事(異常がないのは当たり前か)を確かめるだけなのだが。
フジツボだらけの艦底を手でさすったり、プロペラやラダーを触ってみたりと。
彼女も見よう見まねでみんなと同じことをやり始めた。
はたから見ると隊員たちとじゃれあっているようで、結構楽しんでいる。
そのうちに軍医殿は、浅い海底に見えるサンゴ礁に興味を持ったみたいだ。
俺に向かって下の方を指さすと潜っていった。
俺も後を追って行こうとしたが、手を振っている。
来なくていいということだろう。
俺はOKのサインを出して船底に戻った。
彼女はユラユラと潜っていきサンゴの陰に消えた。
だがな・・・待てよ、やはり何かあったら大変だ。
やっぱり彼女の後を追うことにした。
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