妄想別館 弐号棟


人間人形 その2


彼女が言うには、
ある特殊な機械装置で体を硬直化させて、まるで時間が止まったようにすることに成功したようだ。
それがこの黒いブレスレッと、いうわけである。
超小型で腕にはめるだけ。
あとは外部のコントローラーで、その人間の動きを止めてしまえるそうだ。
ここにいるのは時間を止められた女たちなのである。
「さらにですね・・・」
かなり長い期間、体の動きを止められた人は、体の組織が元には戻らなくなってしまう。
(ダーク)「そういう人たちはマネキンのようにプラスチック加工を施して売りさばくの」
(S)「いけしゃしゃと何を言ってんのよ」
(ダーク)「女の子を只で仕入れてきて、コレクションにして観賞する。
飽きてきて不要になったらブローカーに売り飛ばす。
それだけで大儲けよ。一石二鳥よ」
(S)「女性の体を使って、暴利をむさぼるなんてあんたそれでも女なの。女の敵じゃない」
(ダーク)「なんとでも言うがいいわ。世の中お金。お金なのよ」
ダークガーネットはしげしげとスーパーガールを見ていたが、
(ダーク)「あなたすばらしいわね。長い腕、長い脚、それに美人だし」
抜群のプロポーションにレザービキニが映えている。
長い足を軽く開き、手袋をした腕を腰の後ろに回した。
そしてフンと上を向きながら「あんたに褒められてもうれしくないよ」
瞬間、スッと流れるように女のところまで飛びかかってきた。
手下が慌ててダークガーネットをかばうようにして乱闘となったが、瞬く間に全員撃ち倒されてしまった。
(ダーク)「はぁ、噂にたがわずさすがね」
彼女は我関せずという様子で、男根のおもちゃを弄(もてあそ)んでいる。
(S)「さあ観念しなさい、うっ!」

手下の男たちが、近くの女の頭に銃を突きつけた。
(S)「抵抗はやめなさいよ」
スーパーガールはファイティングの構えを解きながら「もうおしまいよ、あなたは」
(ダーク)「そのセリフそっくり返してあげる。ま、人質を使うのは定番よね。そう思わない」
(S)「これからもそんなことができると思ってるの。あたしが許さないわ」
(ダーク)「心配はご無用ですよ。あはぁ、あなた年齢的に少女とはいかないけれど、美人の人間人形にしてあげますわ」
スーパーガールはムッとして「年齢的にってなによ。人形になんてまっぴらごめんだわ」
(ダーク)「クク、まあそう言いなさんな。スーパーガールだったら結構需要あるかもよ。
特に悪人の仲間にはネ。ホホホ。すごくかわいがってもらえると思うわ」
(S)「そう簡単にはいかないわよ。御託はもういいから。覚悟しなさい」
(ダーク)「おっと、動かないで。もし動くようなら、お人形さんたちを一斉に処分してしまいますよ。し ょ ぶ ん、フフ。今ならまだ元通りにできるけど、さあどうします」
「クゥ」と、うなり、スーパーガールは、後ずさりしようとした。
(ダーク)「動かないでと言ってるでしょ。他の部屋にもまだ人間人形はあるんですよ。妙な素振りを見せたら、そちらをまず撃つように命令を出してあるんだから」
(S:う、しくじったかなぁ。これじゃ人質だらけだよ)
(ダーク)「それじゃまず変身をといて、本間美代子の姿に戻ってもらいましょうか。
スーパーガールのままだとさすがにこちらが不利ですからね」
スーパーガールはダークガーネットをにらんでいたが、
「仕方がない。わかったわかったわ」と言って、マスクを外した。
とたんに美代子の姿に戻ってしまった。
(ダーク)「そうそれでいい。そのマスクを横に放って」
彼女がマスクを横に投げた瞬間をのがさずに、
男たちが飛びついてきて、彼女の腕に何かやった。
「何をしたのよ、あっ!」
男たちを振りほどくようにしてみると、右手の手首にブレスレットがはめられている。
すぐに「?」
(美代子:あれ、体が、あ、うわあああーーー)
手を挙げた格好のまま、美代子は固まってしまった。
「先手必勝よ。わかったかな」
ダークガーネットは、コントローラーを右手に持ちながら、美代子に近づいて行く。
彼女の驚いたまま止まっている顔を、いろいろな角度から覗き込んでいる。
「立派なお人形さんになったこと。もう変身もできないわね」
なんどもうなずきながら、
「これはすばらしいわぁ。それじゃさっそく細工をして鑑賞用に仕立てなくちゃね」
この言葉を聞くと人形は、まるで喜んでいる・・・ように見えた。

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