妄想別館 弐号棟


レズ旅館の秘密 その3


真理子の部屋では、
玲子が「トランプも飽きちゃった。もう一回お風呂に入ってこようかな」
(直美)「じゃあ、あたしも行こうかな」
(碧)「あ、あたしも行くよ」
(直美)「真理子はどうする」
(真理子)「あたしも行くよ。あ、いや待てよ」
部屋を空っぽにするのは少しまずいかも。マスクも置いてあるし。
それに美代子が用事で来るかもしれない。
(真理子)「やっぱり留守番している。ゆっくりしてきていいよ」
ということで、玲子と直美と碧は浴場に向かった。
さて、玲子たちは大浴場の脱衣室に入って、服を脱ぎはじめたが、
(碧)「あ、タオルを忘れてきちゃった。とってくるから先に入ってて」
彼女はタオルをとりに部屋に戻っていった。
ここで再び補足を入れる。
真理子の友人たちも、スーパーガールRの正体を知っている。
もちろん秘密厳守に口外法度。
真理子はこの3人を親友として信じているし3人もまた同じである。

玲子と直美が浴室に入っていくと、浴槽のお湯が変な色になっている。
(直美)「ちょっとなにこれ。入浴剤?」
(玲子)「さっきまで透明だったのにね。でも匂いもするね。やっぱり入浴剤かな」
それよりも浴室の奥の壁が入り口のように開いていることに気がついた。
かなり明るい光が漏れている。
もしかして隠し扉があって、誰かが覗いているとか?
2人がタオル一枚で前を隠しながら、そっと近づいて行くと、後ろから「何を見ている」
ギョッとする間もなく、首根っこを押さえつけられて、その隠し部屋の中に連れ込まれた。
(玲子)「痛い、なにするのよ。なんで男がいるのよ。放してよ」
(直美)「い、いやらしい、痴漢。ちょっとやめて」
(女将)「痴漢とは心外ね。あなたたちが知りたいことをいろいろと教えてあげますよ」
2人はタオルを巻いた裸のまま倒されたが、目の前には恐ろしい光景が広がっていた。
奥のところの物干し台にハンガーが掛かっているが、
それに数mほどの長さの布のようなものが1枚、引っ掛けられるようにぶら下げられていた。
ドライヤーのような大型扇風機であおられて、ヒラヒラと翻(ひるがえ)っている。
まるで首と手足のない胴体のようなもの・・・いやまちがいなく人間の女の胴体だ。
お〇ぱいがついていて、へそ、割れ目も入っている。
翻るたびに裏側も見えるが、肩甲骨の跡や背骨、お尻の形になっている。
ただし形状自体はどうみても長くて大きい布だ。
なにかをモチーフにしたのならば、すこぶる趣味が悪いな、と思った。
(直美)「え、え、あれって一体・・・・何ですか」
(女将)「反物の下地よ。あっちをご覧なさい」
女将が指さした方を見ると、2人は「キャーツ」と悲鳴を上げた。
平たい首、手、足が洗濯ばさみに留められてぶら下がっている。
手足が左右一対で二組あり、首はなんと、松嶋巡査長と、野口巡査長であった。
でもしかし、かなり大きいが、紙か布のようにペラペラで、立体感はまったくない。
彼女たちの写真を大きく撮り、その首を切り取ったのではないかと思えた。
しかし女将は震えている2人の考えていることがわかったようで、
(女将)「いえいえ、あれは正真正銘、本人たちの首と手足よ」
彼女は先ほど夏希たちにした説明を繰り返す。
(女将)「ほら、あの野口るい子という女は、もう『体組成変換液《C液》』につけたからこの通り」
桶から取り出された布は、割れ目もおっぱいもなくなりのっぺりとした布になっている。
女将の説明では、この『体組成変換液《C液》』は特別な化学反応により、タンパク質、脂肪、その他、の人体構成成分を完全な繊維質に置き換えてしまうとか。
るい子の体は完全に布になってしまったのだ。
あとは裁断で大きさを整えたのち、きれいに染色や装飾を施してできあがり。
『筋肉硬直液《A液》』で人間を広げやすいように固めて、
『人体軟化液《B液》』で薄く伸ばせるようにして、
『体組成変換液《C液》』で人体の漂白と布生地へ変換する。
恐るべき作用をもった薬剤。
そして、これら3つで作った反物や着物がこの旅館の本当の資金源であったのだ。

(女将)「玄関のホールにきれいな反物がたくさんあったでしょ。あなたたちもそのうちの一つとして飾ってあげるわ」
ハンガーに干されていた夏希の胴体部分も『体組成変換液《C液》』の入った桶に入れられて、かき回されている。
10分も経たないうちに、お〇ぱいや割れ目の線はきれいに消え去り、完全な反物になってしまった。
生前の彼女たちの体形の通り、るい子の反物の方が、夏希のより少し幅が広くなっているのは納得がいく。
玲子がキッとして「こんなむごいことをして、ただで済むと思っているの、こっちにはスーパーガールがついているんだから」
オッホッホと、女将は大きく笑った。
(女将)「知ってますよ。あの母娘のことでしょ。もちろん彼女たちも立派な反物になっていただきますよ。ちょっと特別な方法でね。でもその前に」
女将が顎(あご)で合図すると、男たちが前に出てきて2人を抱きかかえた。
「あ、何するのよ」
タオルが外れ、全裸で抵抗する彼女たちであったが、あっという間もなく、色のついた浴槽に放りこまれてしまった。

- 3 -

*前次#

物語の部屋 目次へ