復讐劇場 その3
『パアン』と手を叩く大きな音で、
(SR)「ハッ、ハレ、あ、あたしはいったい・・・」
気がついた。
まるで寝ていたような気がする。
(SR)「え、ちょっと、なにこれ、動けない」
体が動かない。いや首だけは動くようだ。
(SR)「あ、いつの間にコスチューム姿に」
自分の今の恰好を見て驚いた。
足を軽く開いて腰に手を当てて立っている。
しかもスーパーガールRに変身している。
となりを見ると「あ、おかあさん」
美代子もスーパーガールのスタイルで立っている。
(S)「え、え、どういうこと。いつの間に」
スーパーガールは首を振って、あたりを見回している。
目の前には大勢の観客や生徒たちが、座ったり、立ったり、写真を撮ったりと。
事態が理解できずにいると、横でマイクを持って立っている男が叫び出した。
(ピエロ)「さあ、今日は特別ショーですよ。
なんとなんと、スーパーガールとスーパ−ガールRが当学園祭に来てくれました。拍手ぅー」
オーという雄叫びと、割れんばかりの拍手が起こった。
2人はあっけにとられて、目の前の光景を見ていたが、
ようやく自分たちの置かれた状況がわかった。
(S)「や、やられたぁ」
スーパーガールとスーパーガールRは、観客の視線を浴びながら立っている。
いや立たされている。
セクシーなコスチュームに視線を感じることには慣れている2人ではあるが、こうして隠すことができない状態に置かれてみると少し恥ずかしい。
観客の目線は、やはり、マスクをしている顔、ブラからはじけそうな胸、なによりも足を開いた股間に集中している。
意識すればするほど恥ずかしくなってくる。
スーパーガールは恥ずかしさを振り切るように頭を振り、ピエロに向かって叫ぶ。
(S)「ちょっと、ピエロ、どういうことなのよ」
(ピエロ)「いえいえ、わたくしはお世話になったスーパーガールさんたちにお礼をしたくて、この企画を考えたんですよ。ぜひご協力をお願いします。
それでは行くぞぉ」
『オォー』と声が上がる。
(SR)「おのれぇ、一体あたしたちをどうしようっていうのよ」
(ピエロ)「さあ、隠し事は無しですよ。スーパーガールR、いえ、本間真理子さん。
「え、本間真理子って!」「真理子がスーパーガールRだったの」
どよどよと、まわりから騒ぎ声が起こる。
ス−パーガールRはうろたえながら「え、いや、え、違うよぅ」
(ピエロ)「それではまず、彼女たちの正体を明らかにしましょう。
さあ2人とも変身を解いてください」
スーパーガールはダメぇと思いながらも「変身解除」と叫んでしまった。
同じようにスーパーガールRもすぐに続いてしまった。
2人は目もくらむ光に包まれた。
一瞬の輝きのあと「うっそーぉ」と叫び声が上がった。
ザワザワがどんどん広がって大きくなる。
観客の目の前に現れたのは真理子と母親の美代子であった。
2人とも「しまったぁ」と、思いつつも・・・うつむいているしかない。
先ほどのセクシーコスチュームとは違い、
美代子はピンク色のワイシャツにスラックス姿。帽子に薄い色のサングラスをかけている。
真理子も清潔感のあるシャツとスカート姿である。
繰り返すまでもなく、抜群のスタイルの良さは母娘ともどもである。
しかし、すこぶる気まずそうな顔をしている。
(ピエロ)「さあ、みなさんよーく見て・・・ほらほら、お2人とも顔をあげて笑ってくださいよ」
美代子と真理子は顔をあげさせられてしまった。ニッコリと。
写真を撮る音がやかましいほど大きくなった。
この姿だけでも十分セクシーではあるのだが、
(ピエロ)「さあて、ここからさらに盛り上げていきますよ。はいっ」
ピエロは『パン』と手を打った。
そしてもう一度『パン』と音がしたようだ。
2人は「???」だ。
自分の体を見て「あれ?」と、声をあげた。
またしてもスーパーガールとスーパーガールRのコスチュームに戻っている。
(真理子)「なんでまた、ん?」
再びコスチューム姿に戻っているのも妙だが、それよりも目の前の状況だ。
観衆のボルテージはかなり盛り上がっていたが、今は悲鳴や絶叫のようになっている。これは異常だ。
2人は何がどうなっているのか、状況がさっぱりわからない。
スーパーガールRはピエロをにらみつけた。
(SR)「こ、今度はなにをするつもりなの」
(ピエロ)「今の『パン』はですね・・・」
彼女たちに更衣室で衣服をすべて脱いでこさせ、
再びスーパーガールとスーパーガールRの姿に変身するように命令して、
今ここに立たせている。
と、言っている。
ややこしいが、つまり・・・
(ピエロ)「さあ、今度変身を解除すれば、彼女たちのすべてが見られるわけです」
ドーッと湧いた。立ち上がるもの、悲鳴を上げる者、前の方に出てこようとする者。
スーパーガールRが「えぇぇ!すべてって、ふざけんな」
「え、いえ、ちょっと待ってよ」さすがにスーパーガールもあわてて必死になっている。
(S)「それじゃ今度変身を解いたら、素っ裸のさらし者じゃないのよ。あんた何を考えてい・・・」
ピエロはスーパーガールを無視して話を続ける。
「お2人とも口が悪いですねぇ。でもいつまでその口をきいていられるのか。オッと、あと数十秒ですかね」
ピエロは得意満面、勝ち誇ったようになにか叫んでいる。
逆にスーパーガールは下を向いて観念した。現状では逆らう術がない。
観客の前で全裸を晒すことになるとは。
それよりも、スーパーガールの正体がバレてしまったことはどうすればいいのだろうか。
だがしかし、とにかく今は、焦って騒いではいけない。
あわてて騒げば、それだけやつの思う壺に陥るような気がする。
(S)「真理子、どうしようもない。対処は後で考えよう」
スーパーガールRも「チェッ」と舌打ちし「わかったよ」と、言った。
目の前で級友が大勢見ている。
真理子の正体にも驚いたが、それよりもスーパーガールR、つまり真理子の裸の方に興味があるのだろう。
彼らの表情でわかる。彼らの目でわかる。彼らのスマホを持つ手でわかる。
(ピエロ)「それでは変身をといてください。さあ」
- 3 -
*前次#
物語の部屋 目次へ