原色ハレンチ大図鑑 その5
夢中になって読んでいるうちに、本から妖気が悶々と出てきだした。
(夏美)「あれ、おかしいな?」
妖気はすさまじいばかりに大きくなってあふれてくる。
夏美は本を放り出し、
(夏美)「噂なんかよりケタ違いに妖力が強いじゃないの。どうしてなんだろ」
一晩二晩で、こんなに急激に上昇する理由がわからない。
「うーむ?」腕を組んで考えこんでいると、
(男)「教えてやろうか。エへへへ」
真横から声がかかり、夏美は転がったが、すぐに態勢を整えて構える。
(夏美)「あ、お前は」
ヌッと男が現われた。
(夏美)「出たなぁ妖怪。本の中に吸い込んだ人たちを元に戻してもらうよ」
夏美はグリーンに変身した。
呪符を構えて威嚇する。
男はニヤニヤしながら、後ずさりをするが、カードをぶつけると、すぐに消えてしまった。
夏美は「あっ」と、気がついた。
(G)「本体はあんたの方だったのね」
(図鑑)「そのとおりだよ」
(G)「逃げようたって、ダメだからね」
(図鑑)「何言ってやがる。ムダムダ、ヘヘヘ。
俺はな、閉じ込めたやつの記憶や考えを自由に見ることができるの。
この・・・美穂と碧とか言ったっけ、から読み取らせてもらったよ」
(G:こいつは相当な妖力の持ち主だな。長期戦は不利だ)
それなら先手必勝、不意打ちの攻撃をくらわしてやる、と考えた。
(図鑑)「お前たちが、俺のことを退治しようとしていることもね。だから・・・」
グリーンも戦いの場数を踏んでいる。
エロ本の話の途中ではあるが先制攻撃を仕掛けた。
カードではなく、呪縛用の鞭(ムチ)を本めがけて打ち下ろした。
(図鑑)「あ、ちょ、ちょっと!話も終わらないうちから不意打ちかよ」
ムチはうなりをあげて本に巻き付くようにうねったが、かすっただけだ。エロ本はかろうじてよけた。
(図鑑)「おっと危ない。さすがだな。戦い方を心得ているな」
スーパーガール3人の中では、もちろんグリーンが一番、除霊力が強い。
(図鑑)「3人一緒だとやっぱり危なかったぜ」
グリーンはこの時『やつの策にハマったかな』と、気がついた。
グリーン・夏美が1人になるように狙っていたようだ。
しかも夜中で図鑑の霊力が一番高まっているときに、まんまとおびき出されてしまっている。
(G)「あんたなんか、あたし一人で十分ヨ」
ムチをふるうが、図鑑はヒョコヒョコと逃げ回る。
小さいしすばやいし、どうも勝手が悪い。
(G)「あ、こら、チョコチョコ逃げるな。これじゃだめだな。よし」
両手を伸ばして淡い緑色の光線を放った。
ところが今度は、ページを開いて光を反射してくるではないか。
意表をついた反撃にグリーンは「あーっ」と、自分の光線を浴びることになった。
(G)「いや、なによこれ!」
光に飲み込まれかけたが、
間一髪のところで即席の結界を張り、かろうじて防いだ。
(G)「驚いた。あたしの呪術がはね返されている。これって妖力だけじゃないわね」
(図鑑)「スーパーガールたちを食ってパワーと超能力を吸収したからさ。
まあ一応、礼は言っておくな」
(G)「え、今なんて言った」
予想外だった。
スーパーガール2人分のパワーと碧の超能力も使っているなんて。
(G:これは非常にまずい状況かもな)
(図鑑)「これこれ」
本がページを開いてなにか始めた。
今度は何だと警戒していると、
(G)「うっ!」
イエローとブルーが立っている。
(G)「ちょい、あんたたち」
もちろん残像であるが、襲い掛かってきた。
イエローは光のムチをヒュンヒュンとうならせて打ち付けてくる。
しかし、すくい投げるように呪符のカードを投げると、イエローは簡単に倒れて消えた。
ブルーも足を開いて両手を胸の前に突き出し、猛烈な水しぶきを吹きつけてきた。
グリーンは転がりながら素早く避ける。
(G)「危ないじゃないのよ!」
水しぶきを浴びた木が折れて倒れてしまった。
(G)「やっぱりすごい破壊力だな。よーし」
ブルーの手の動きを見ながら、うまくもぐりこみ手刀で首筋を打った。
ブルーも倒れるとすぐに消えた。
残像相手では、やはりグリーンの敵ではなかった。
(G)「だけどこれ、図鑑が戦闘経験を積んで、戦い方に慣れてしまったら・・・」
本物に近い能力を獲得して、強敵になってしまうだろう。
少し身震いする。
図鑑もそう思ったらしく、
(図鑑)「チェ、まだ弱いな。へへ、でもまだ手はあるさ」
(G)「あ、いつの間に?」
防御のために張った自分の結界が、いつの間にか狭(せば)まっている!
(図鑑)「碧ってやつの超能力を使って結界を押しつぶさせてもらったのよ。
お前もすぐに俺の口に入って、エロ写真になるのさ」
さすがに碧の超能力はすごい・・・などと言っている場合じゃない!
(G)「冗談じゃないよ。わゎゎ・・・」
エロ本のパワーに加えて碧の緒能力。
どんどん結界は狭められていき、グリーンは動けなくなった。
もはや自分で張った結界の壁に逆に押しつぶされそうになっている。
あっという間に形勢逆転だ。
(G)「あああ、こんなばかな」
(図鑑)「それそれ、もうすぐだ。早くヌード写真になっちまえ」
(G)「あーっ!痛い、イタタタタ、うわ、つぶれるぅ・・・」
グリーンは自分の張った結界に『ぺちゃん』と押しつぶされて、エロ本に吸収されてしまった。
(図鑑)「へへへ、こいつもなかなか強かったが・・・」
夏美も図鑑の能力を見誤った。
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