妄想別館 弐号棟


凸凹渓谷の決闘 その2


(碧)「夏美、あんたはどう思うかな」
(夏美)「そうだね。やっぱり人間の仕業ではなさそうだね」
(碧)「こんな妖怪だ、っていう心当たりは、なにかないの」
(夏美)「そう言われてもねえ。こんな変態チックな術なんて聞いたことないよ」
「それはそうでしょうね」
美穂と碧は思った。
(夏美)「とにかく、あたしたちも協力してパトロールを強化しようか」
(美穂)「そうだね」
(夏美)「明日はあたしと美穂で行ってみようよ」
(美穂)「いいよ、わかった」
(碧)「それじゃ、悪いけど明日はお願いするね」
と、なった。

次の日、さっそくパトロールを開始して通りを歩いているが、
夏美が「なんか納得いかないんだよね」
(美穂)「なにが?」
(夏美)「妖怪が妖術を使ってさ、そんなことしてどうするのよ」
ほとんど意味のないようなことをやっている。
やっぱり人間、変質者みたいなのが本星で、そいつに手を貸している妖怪がいるのではないか。
(夏美)「・・・と、思うんだけどな」
その時だ。
「キャーッ。痴漢!」と、悲鳴が聞こえた。
「何?何だ!」
2人が駆けつけると、女性が呆然と立っている。
(美穂)「大丈夫ですか。どうしました」
(女性)「変な男が突然現れて、それでそれで・・・」
それだけのようだ。それだけで逃げていったと、言っている。
妖怪なら夏美の方が分(ぶ)がいいだろう。
(夏美)「あたしが追うわ」
夏美は走りながらグリーンに変身して逃げた男を追って行った。
(美穂)「怪我はないですか?」
(女性)「はい。大丈夫です」
卑猥な言葉を言われただけだそうだ。
美穂は「そうですか。それはよかっ・・・あっ!
変なこと聞きますけど、体のどこかに異常はないですか。例えば胸とか股間のあたりとかに」
女性は「え?」と言って体をさすっていたが、
(女性)「あーーー!ウソ。こんなことって、あるのぉ?!」

夕刻、再び3人は集まって話をしている。
犯人には逃げられた。
土地勘もあるのだろう。
ビルの中に入って行って、姿をくらましてしまったのだ。
おまけに犠牲者は他に2人も出ていた。
(碧)「まいったな。こんな変態が一日中出没しているなんて」
夏美も、追いかけて行ったのが妖怪かと思いきや、人間のようであったことを話す。
(夏美)「絶対人間だよ。妖怪の気配はまったくなかったよ」
(碧)「それにしても奇妙だな。人間だったら、なんでそんなおかしな術が使えるのかな」
呪文を唱えるだけで、ナニが無くなってしまうとは。
夏美、曰く「これは、なにか呪具のような物を使っているに違いない」と。

数日後、今度はピーイーの事務所である。
この男、表向きは大手証券会社の取締役である。
訪れてきたのはツバーンである。
(Pe)「おう、遠いところをよく来てくれた。まあ座ってくれ」
彼自らコーヒーを淹れながら、
(Pe)「この間の十字架。なかなかのすぐれものだよ」
(Th)「それはそれは」
(Pe)「ほら、これ、この通り」
ピーイーが壁の扉を開くと。
さすがのツバーンも「ゲッ」と驚いた声を上げた。
扉の奥はコレクションケースになっていた。
そこには、およそ数千点はあるだろう、女性のお●ン●と乳●が、きれいな箱に入ったコレクションになっていた。
ツバーンは開いた口が塞がらない。
(Th)「あああ・・・」
わずか数日でこれだけ集めるとは・・・すばらしい努力である。苦労したのだろう・・・な?
(Th:昆虫採集の標本かよ!)
(Pe)「どうだ、素晴らしいだろう」
(Th)「エ、エへ、エヘヘヘヘ、すばらしいですね」と、お世辞を言う。
(Pe)「しかしだな・・・」
どうやらスーパーガールが感づいた。
先日は見つかりかけて追い回されている。
(Pe)「あいつらに邪魔されて、非常に迷惑なんだな」
いや、これは遠からずに捕まってしまうだろう。
何しろピーイーは戦闘に対してはカラキシ無力だ。
そこで・・・
(Pe)「頼んでおいたものは持ってきてくれたかな」
(Th)「はい、これですよ」
彼がとり出したのは野球のボールくらいの『玉』だった。
きれいな虹色に光っている。
(Th)「これはですね」
ツバーンは説明を始める。
妖怪は人間が持っている護身用の護符には触れることができない。
つまり人間はそれによって妖怪の妖術や呪いから身を守るわけである。
(Pe)「まあ、そうだよな、それで」
言い方が少し変だが、これは妖怪用の護符。
つまりこの玉には人間が触れることができない。
あるいは人間の持っている能力を封じ込めることができるという代物だそうだ。
ツバーンが玉をつき出してくると、
(Pe)「お、おい。俺には触るなよ」
(Th)「これはこれは、大事なお得意様に失礼いたしました」
ピーイーはツバーンにとって上客である。
これで彼女たちの超能力を封じてしまおうと考えたわけである。
(Th)「スーパーガールの能力は妖力ではありません。
人間由来の能力ですから、この玉は絶対効果てきめんですよ」
ピーイーは「そうかよしよし」と、満足そうにうなずいている。
(Pe)「その玉と・・・」
例の十字架もとり出し、振り回しながら、
(Pe)「この十字架さえあれば万全だな。
ついでにスーパーガールのナニもコレクションに加えてしまおうか」

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