凸凹渓谷の決闘 その5
次の日になった。
碧は山のふもとの渓流に遊びに来ている、としか言いようがない。
カジュアルルックで、ゴルフバックのようなものを抱えている。
夏美が『それはなにか』と、聞いても教えてくれない。
美穂と夏美は心細いこと、この上もない。
碧の意図がさっぱりわからないのだ。
(夏美)「何でこんなところに来たのよ」
(美穂)「渓谷でゴルフの素振りでもやるつもりなの!」
心配が高じて皮肉たっぷりな言い方だ。
(碧)「地の利を得るのも戦略の一つだよ。まあ、任せなって。
あんたたちはとにかく離れてあたしのやることを見ていてね」
「わかったよ」と、しか言えない2人。
碧はブルーになると、どこかに行ってはまた戻ってくるを、繰り返していた。
ゴルフバックはいつの間にかなくなっている。どこかに隠してきたと言っている。
そしてサラサラと流れる深みのあるところにやってきた。
ブルーは澄んできれいな流れをしばらく覗き込んでいたが。
やがて「ちょっと失礼」と、言って、ドボンと流れの中に飛び込んでしまった。
「あ!」
ちょっと何をやっているのだ。
(美穂)「碧、ちょっと、碧ったら」
(夏美)「何を考えてるのよ」
やがて「よっ」と、ばかりに、流れから顔を出し、
(B)「ごめんごめん。ちょっと川の底を見てきた」
と言っている。
(美穂)「こんな時に何をやってるのよ!」
ブルーは碧の姿に戻って体を振っている。
(B)「そう怒るなってば。これで準備よし。そろそろ連中が出てくるんじゃないかな」
しばらくワイワイやっていると、その通りだった。
(Pe)「約束通り来ましたよ。碧さん」
(碧)「ごくろうさまね」
(Pe)「いえいえ、あなたのナニをいただくことを思えば、これくらい。
なにせスーパーガールのナニシリーズが完成するんでね。
ぜひともご協力のお願いを」
(碧)「フフ、そんなに簡単にはいかないわよ」
ブルーに変身すると「さあ、いくぞ!」
水の玉をどんどん繰り出してぶつけるが、玉は2人の近くまで飛ぶとくだけてしまう。
しかし、水しぶきだけはかかる。
ピーイーとツバーンはビシャビシャだ。
だけど水しぶきがいくら降りかかっても・・・
(夏美)「やっぱりぜんぜんダメだぁ」
ブルーは水鉄砲に切りかえて攻撃を続ける。
強力な破壊力を持つ水鉄砲も、2人に届いた瞬間に、水しぶきになってくだけ散ってしまう。
(美穂)「ブルー気をつけて!やっぱりこのままじゃ・・・」
加勢しようと美穂がイエローに変身してかかっていったが、
「ムッ!」ツバーンが虹の玉を差し出すと『バチーッ』と、音がした。
イエローは「キャッ!」と叫んで簡単に弾き飛ばされてしまった。
(Y)「うう・・・」
相当なダメージのようだ。起き上がれない。
(Th)「バカですね。この玉に人間ごときがじかに触れるなんて」
イエローはうらめしそうにツバーンをにらみつける。
夏美がイエローを抱きかかえるようにして起こすが、不安そうに「いったい、どうなるんだろう」
しかしツバーンは妙な違和感に気がついたようだ。
(Th)「おかしいな?いや、気のせいか・・・」
ブルーが水流をぶつけて、ツバーンが玉で受ける、の状態が続いていたが、
なんと、河原の石が浮き上がって2人に目掛けて飛んでくる。
(夏美)「ブルーってさ、イシツブテの術なんて使えたっけ?」
(美穂)「ううん?知らないよ。超能力じゃない」
どうやらそのようである。
石を2人の上に運ぶまで、あるいは放り投げるまでは超能力である。
しかし勝手に落ちるのは重力の力である。
これでは、虹の玉の力でも防ぎようがない。
いくつかはピーイーの手や頭に当たった
「うわ、たまらんと、」悲鳴を上げている。
ツバーンは妖術の傘(これは強力なバリアだ)を開いて防ぐ。
石の数はだんだん多くなって2人に降り注ぐが、傘によって弾き飛ばされている。
ブルーは石をぶつけて何とかしようというのか?
しかしこれでは現状維持がせいぜいのところ。
(Th)「ブルーさん、これはエネルギー非常に使うんじゃないんですかぁ?」
変身して超能力を使えば体力の消耗が激しい。
彼の言う通りでブルーが不利だ。すぐに疲れてしまうだろう。
ツバーンは、少し堪えきれば、やがてじり貧になると踏んでいる。
美穂と夏美は、この様子をただ見ているしかない。
ブルーが何を考えてこんなことをしているのかわからない。
石がうまく当たって玉を落とすことを期待してるのかな?
ツバーンは手にしっかり玉を持っていて、落とすようなヘマはしないだろう。
ピーイーも同じく、十字架を抱きかかえるように持っている。
疲れて体力がなくなったとたんに、彼らが攻勢に出てくるのは明らかだ。
ブルーがやられるのは、もはや時間の問題か!
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