ダイヤモンド警備指令 その6
イエローが高速移動術で、碧にとびかかろうとした。
しかし、ドテッと音がして、転んで顔を床にぶつけている。
ギャォと悲鳴がする。
グリーンが驚いて、
(G)「あんた何やってんのよ」
碧はイエローの足を超能力でつかんでいた。
勢いよく飛び出したはいいが、思い切り転んだのだった。
顔を押さえて起き上がる。
(Y)「痛ぁ・・・、ちょっとぉ」
グリーンも置いてある観葉植物に手を触れて「さあ伸びよ」と、言っている。
どんどん伸びだして警官たちに絡みついていく。
しかし、ブチブチと音がして、草はすぐに切れていく。
(G)「ああ、草たちが!」
部下たちは草が、勝手に伸びて、勝手にちぎれて、の光景を見て驚いている。
「なんだなんだ。どうなってるんだ」
(Y)「グリーン気をつけて。碧の超能力だよ」
警備課長が碧を見て「超能力って・・・なんですか?」
(碧)「なんでもいいから、金庫を守って。守るのよ!」
イエローが本気で殴りつけてきた。警官数人は吹っ飛ばされたが、
バチンと音がして、碧はイエローのパンチを腕で受けとめた。
(碧)「なによ!通行止めなんだよ、ここは!」
常人なら警官のように吹っ飛ばされてしまうが、碧は超能力を使って防御してる。
イエローのパンチも難なく受けて、逆に殴り返している。
バシ!ビシ!と、両人のパンチや蹴りの応酬が続く。
部下たちはイエローの動きがほとんど見えないが、碧は見えるようだ。
(警官)「すごいな副署長は。スーパーガールと互角に戦っている」
(碧)「何感心してんだよ!はやくグリーンも抑えて」
その時、碧はひらめいた。
(碧)「だれか、あたしのカバンをとってきて、早く!」
「はいっ」と碧の秘書係、若い女警官の合原巡査が走って行った。
その間も戦闘は続いている。
グリーンも警官たちをあっさりと倒してしまった。
しかし金庫に向かおうとしたら、
(G)「うわぁぁ!」
うつ伏せに押し倒されてしまった。
背中をものすごい力で押さえつけられている。
(G)「だ、誰が、あれ誰もいない!どうなってるの。あ」
碧はイエローと打ち合っているが、片手をうまくフリー状態にして、超能力でグリーンの背中を押さえつけているのだ。
(G)「は、放せぇ」
(碧)「今のうちよ、早くグリーンに手錠を」
警官がグリーンを押さえつけようとしたが、
「あっ、うわぁ」
ドヤドヤと入ってきた男たちに、つきとばされた。
(碧)「新手か。これは非常にまずいな」
見ると、女とその部下、それに粉を浴びた警官50名くらいが、廊下に屯(たむろ)っている。
金庫番、金庫の管理責任者も連れている。
これじゃいくら厳重なセキュリティを誇っていてもないようなものだ。
金庫は簡単に開けられてしまう。
(碧)「あんたがティンカーね」
(T)「そうです。はじめまして副署長さん」
とにかく相手方の人数が多すぎる。
碧の味方はたった数人、それ以外はすべて敵になってしまった。
おまけに碧は今強敵と戦っているところで、これ以上は動けない。
イエローと組みあっていて、グリーンを超能力で押さえつけていて・・・
さらにティンカーは有利で、手に持っているのは、
(T)「あなた、湯村碧さん、あたしがこの粉を撒けば、あなたもあたしたちの仲間になれますよ」
(碧)「それは惚れ薬なのね!」
数人が彼女に飛びかかっていったが、あっさりと転がされてもう動けない。
とうとう残っているのは碧と警備課長と、警官2名ほどになってしまった。
警備課長と警官たちは、金庫の前に陣取って懸命に守っているのだが・・・
多勢に無勢。突破されるのは時間の問題だ。
碧もそっちを手伝いたいが、手を緩めることができない。
(碧)「まずいよぉ。ちょっと、イエローグリーンしっかりしてよぉ」
すかさず「いやだよぉ」と返事が返ってくる。
(T)「フフフ、そろそろ観念しなさい。いくよ」
イエローグリーンもニヤニヤ笑っている。
(Y)「あきらめろ、碧」
(G)「そうだぞ、碧」
とうとう、ティンカーは容器を床にたたきつけて割った。粉が舞い散っている。
「みんな!」といっても、碧を除くと3名しかいないが、
(碧)「あの粉を吸っちゃダメ。鼻と口を塞いで!」
(T)「無駄無駄、いつまでも鼻や口を塞いでいるわけにはいかないでしょ」
それはまあ、そうであろうな。
碧たちはまさに絶体絶命のピンチだ。
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