異聞、妖術合戦 その4
まったくの同一人物が戦った場合・・・はたしてどちらが勝つでしょうか?
つまるところは・・・運次第かも。
しかしベネチアンマスクは敵方が持っている。変身されてしまうと・・・
碧は超能力が使えるから、まあほぼ互角だろうか。
美穂は体技だけ。スピード、パワーとも不利であろう。
勝機を得るとすれば、ニセのイエローを暗闇に引き込むか、変身前にベネチアンマスクを奪い取るか。
本物側が有利なのは、グリーンが本物しかいないことだ。
ニセモノ側のグリーンはまだ蝋人形のまま動いていない。
戦力的に言うと 美穂、碧、グリーン VS イエロー、ブルー ということになる。
夏美はいろいろ考えていたが「それじゃあね・・・」2人に何か策を授けている。
2人は「フンフン」と聞いている。
夏美は相手の正体が、たぶん傀儡鬼だろうと気がついている。
何か奥の手を絶対に用意しているに違いない。
(夏美)「やっぱりあたしが加勢しようか?」
(美穂)「いやいい。自分のことは自分で決着をつけてやる」
(碧)「あたしも。自分の手でニセモノを倒さなきゃ気が済まないよ」
夏美は笑いながら「お気の強いこと。わかった。それじゃ決着をつけに行こうか」
傀儡鬼は美穂と碧が死んでいると思っている。今夜しかチャンスはないだろう。
3人は急襲をかけることにした。
『バーン』と、勢いよく扉を開けた。
傀儡鬼とニセ美穂と、そしてニセの碧はブルーに変身していた。
何か話をしていたが、まさかまさか!
『美穂と碧はすでに死んでいるし、残ったグリーンも1人だけで襲ってくるような無謀なまねはするまい』
と、普通は思うだろう。完全に油断していた。
(傀儡鬼)「あ、貴様たち、生きていたのか!」
美穂はニセモノに飛びつき、バックをひったくり『変身』と叫んだ。
美穂(本物)はイエローに変身した。
今度はニセモノが不意打ちを食った形になった。
(ニセ美穂)「あ、しまった。おのれ美穂!」
ニセ美穂はイエローに組み付いた。
離れれば光線や電撃を食らうし、スピードでもかなわない。
(ニセ美穂)「絶対に離すものか!」
2人は組みながら廊下に転がっていった。
一方、碧は超能力でブルーをフルパワーで押さえつける。
ブルーは突き飛ばされるように、足をとられて後ろにころんだ。
碧が飛びついて組み付くと2人は窓から外に落ちてしまった。
あの2人の能力なら5階から落ちてもそれほどダメージはないだろう。
残った夏美は「あんた、やっぱり傀儡鬼ね」
(傀儡鬼)「これはこれは、私のことを知っているとは」
(夏美)「時間もないから用件だけ言うね」
夏美の言っていることを聞いて傀儡鬼は驚いた。
(傀儡鬼)「いいのかそんなことをして」
(夏美)「あの2人が命がけで戦っているのに、あたしだけ『お味噌』っていうのはね。性に合わないな」
それにカラクリがわかった以上、蝋人形のイエローとブルーでは、本物のグリーンには勝てない。
グリーンなら、戦いながら蝋人形の術も解いてしまうだろう。
(夏美)「・・ということも、あんたならわかるでしょうに」
(傀儡鬼)「まあ・・・まったくそのとおりなんだがな」
今回の作戦は、術使いのグリーンを倒さなくては意味がなかったのだ。
2人はニヤニヤしながら向き合っていたが、
傀儡鬼は「お好きにどうぞ」と言った。
碧とブルーは力技の応酬となった。
ニセブルーが水鉄砲を全圧で噴きつけてくるが、碧は超能力でその向きを変える。
滝のような水が空に向かって跳ね上がっていく。
いくら撃ってもはじき返されてしまう。
碧の超能力も強力で、ブルーの思うところとは全然違う方向にねじ曲げられてしまう。
まったく当たらず、ブルーは舌打ちをする。
(ニセB)「チッ、飛び道具はダメか。それならば」
ブルーは水刀(ウォータージェットカッター)を右手に作った。
(碧)「あ!」
思い切り薙(な)いできたが、危ういところでかわした。
あれに当たったら、いや、触れただけで真っ二つだ。
碧は念力を使って、全力で止めようとする。
止まった。しかしまたしても力比べである。
水刀は空中で念力に受け止められ、崩れて猛烈な水しぶきをあげて降ってくる。
あるいは地面にふれて、地面をバリバリと切り裂き、やはり猛烈な水しぶきとなって、あたり一面をビショビショにしている。
(碧)「クククーゥ。こんなやつ(←自分だぞ!)に負けてたまるか!」
生身の碧はスーパーガールブルーを倒すほど威力のある武器がない。
エネルギー衝撃波を撃ってみたが・・・水のバリアであっさり受けられた。
そのたびにバリアも崩れて水がバシャンバシャンと。
しかし、ここまでは碧が善戦していて形勢はほぼ互角だ。
ニセブルーも必死になっている。それだけ碧の超能力もすごいものがある。
それでもやはりスーパーガールの方が若干有利かもしれない。
枯れたようになっていた噴水からもう1人ブルーが現われた。
同時に水刀を振っていたブルーがバシャリとつぶれて水たまりになった。
しかしすぐに、碧の後ろに回り込むように現れて碧を羽交い絞めにした。
(碧)「あ!しまった」
ニセブルーの本体は碧を押さえたまま、もう1人のブルーの方に向き直り、
(ニセB)「さあ、斬ってしまえ」
もう一体の方が水刀をとり出した。
(ニセB)「かまわないから、あたしごと、こいつも斬ってしまうんだ」
ニセはもちろんすぐに再生できるだろう。
しかし碧は斬られれば、それまでだ。
ニセに両腕を押さえつけられて、超能力も封じられてしまった。
(碧)「う、放せぇ」
(ニセB)「離すものか。お前は二つになって終わりだ」
この時に、碧は何かブツブツと唱え始めた。
(ニセB)「念仏でも唱えているのか。いい心がけだ」
向かってきたもう一体が、水刀を振り上げたとき!
足元の地面から草が飛び出すように伸びだし、2人のブルーに絡みついた。
(ニセB)「なんだこれは、う、うわー」
どんどん絡みついて行く、
水刀を持っている方が切ろうとするが、草に触れると刀が溶けて、いや一瞬で消えてしまう。
ニセモノは何が起きたかわからなかった。
生えた草は2人の水分をどんどん吸い取っていって・・・
(ニセB)「うゎぁぁぁ・・・」
やがて吸いつくしたのだろうか。
後から現れた方は消えてしまい、ニセブルーだった方は、蝋人形となって転がっていた。
吸水性の植物の種を地面にまいていたのだ。碧が呪文を唱えたことで発芽して・・・
碧は落ちているベネチアンマスクを拾うと、
「夏美、ありがとう。助かった」と、言った。
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