鬼の復活話 その4
イエローが光の
鞭をふるった。
(黒彦)「おっとっと」
ビーム
鞭は生きているように、みごとに黒彦の腕にシュルシュルと巻き付いた。
(黒彦)「あはぁ、器用なんだな」
イエローはシメタと思ったが、まきついたままビクともしない。
(Y)「あれ?う、動かない!」
(黒彦)「なんだ、それだけか。そうらよ」
(Y)「うわあ!」
今までにこんな敵には出会ったことがない!
ものすごい馬鹿力で引き寄せられた。
同時に『ブチン』と音がして、ビームウイップが引き千切れている。
(Y)「こんなことって、あるの?」
イエローは信じられないという顔で千切れたムチを見ている。
しかし鬼は油断もしないし容赦もしない。
その隙を見逃さずに、間髪を入れずにものすごいパンチが飛んでくる。
ブォンと空を切る音がして、危うく頬をかすった。
かろうじてよけたが、まともにくらったら首がもげてしまいそう。
(黒彦)「ちょこまかと
小賢しいやつだな」
黒彦は見かけ以上に動きも素早かった。
(Y)「うっ、は、早いな!」
イエローに早いと言わせるほどで、いつの間にか、彼女の真横に立っている。
でもイエローも負けてはいない。
反射的に横蹴りを入れて、これはビシッと決まった!
はずであったが・・・これまたビクともしない。
逆に脚をつかまれて「うわ!」目が回ったと思ったら、地面にたたきつけられた。
「痛たたた!」腰や背中をさする始末だ。
ブルーとグリーンも苦戦している。
ブルーは腹にパンチをくらって吹き飛ばされた。
(B)「ぅぐ」
当たる瞬間にかろうじてバリアを張ったので、少しはダメージが減ったが、それでもなかなか立ち上がれない。
(青之)「ほれほれ、どうした」
(B)「うるさい。やっぱり鬼の力は並じゃないわね。それならば!」
切り札、ウォータージェットカッターを出して切りつけた。
さすがの鬼も、これには「ウヮーッ」と叫んで転がった。
(B)「やった、やったぁ」
左腕を切り落としたのだ。
ブルーはもう片方の腕もと思ったが・・・
(B)「え、え、そんなぁ・・・」
目を疑う。切り落とされたところから、あっという間に新しい腕が出てきた。
そして数秒で元通り。
腕をブラブラ振りながら、
(青之)「痛ぇじゃねえか。お姉ちゃんよぉ」
グリーンも
渾身の力を込めて呪符をぶつけるが「イテテテ」と、言う程度で効果がない。
(G)「信じられない、普通の妖怪なら簡単に封印できるのに」
グリーンの投げた呪符をつかまえて、むんずと握りつぶしている。
(赤介)「こんなもの無駄無駄。俺たちにはきかないぜ」
(G)「それなら、これはどうだ!」
両手を横に広げて振ると、あたりに生えていた草が鬼に絡みつきだした。
(赤介)「お、お。なんだこれは」
驚く赤介の体中にびっしりと草が絡みついて、彼は動けなくなった。
「あああ」と声を上げて『ドテ―ン』と、転がった。
(赤介)「この草は何なんだよ」鬼は驚いた声を上げるが、
(G)「よーし草たち、そのまま締め付けて・・・あれぇっ!」
赤介は立ち上がり「こしゃくなぁ」と一言、「ハーアッ!」と掛け声を上げた。
とたんに彼の体が光り出し草が燃え出した。
(G)「あーっ!」
体に巻き付いていた草はメラメラと燃え上がり、ものすごい熱風があたり一帯に巻き起こった。
(G)「アッチッチ!」
しばらく戦っていたが、全然勝負にならない。
『こんなバカな!』
彼女たちはフルパワーだが、鬼たちは3割程度の実力も出していない。
3人はハアハアと息を切らしている。体力的には限界のようだ。
対して鬼たちはまだまだ余裕だ。
『このままじゃやられる』
そう判断したイエローは、
(Y)「みんな一旦引こう」
石はこのまま放っておいても構わない。
鬼たちは石に触れないから、このままどうしようもないだろう。
あと少し、数十メートル、数十メートル動かせばいいだけだ。
鬼たちのいない間を見計らって、あらためて石を置きにくればよい。
逆に鬼たちにとってはそれでは不利だろう。
絶対にここでスーパーガールたちを倒しておかねば、後々面倒この上もない。
「そうはいくか!」「逃がさん」
鬼たちが追いかけてくる。
逃げるが勝ちと、作戦変更したイエローたち3人。
(Y)「ブルーグリーンつかまって」
イエローは2人を抱きかかえるようにして瞬間移動をした。
あっという間に見えなくなる。
(青之)「あ、待て!」
これには鬼たちもどうしようもない。
(黒彦)「逃げられたか」
転がっている石を恨めしそうに見ていたが、
(赤介)「いや大丈夫だ」
ツバーンから、便利な追尾アイテムをもらっている。
(赤介)「どこに逃げても隠れても無駄だって」
もうじき日が暮れる。
そうすれば彼らの霊力は上り、もう少し高度な術も使えるようになるのだ。
グリーンの術で気配を消しながら、念のためわざわざ回り道をしながら山の麓までたどりついた。
鬼の能力を完全に見誤った。予想以上の強さであった。ケタ違いだ。
とにかく、あの石は、なるべく早く対処しなければならないのだが、さて・・・
(G)「どうするの?」(Y)「どうしようか?」
まともに正面から戦ったのでは歯が立たない。
誰かが鬼を遠ざけている間に、別の誰かが石を置くしかないのだが・・・
(G)「えーっと、こんなのはどうかな」
コピー人形を使うと言っている。
ブルーはレプリカのブルーを グリーンは呪術の人形を作り、それらを戦わせている隙に石を戻してしまう。
(Y)「本物そっくりのコピーか。どう作れそう?」
(B)「もちろん大丈夫だよ」
そんなことを話しながら歩いていると、妙な霧が出てきた。
(G)「あれ?なんか変だよ。いや、これ霧じゃないよ」
イエローとブルーがあたりを見回しながら構えている。
突然『ヒューヒュー』と、風が吹き出しはじめ、どんどん強くなっていく。
(Y)「なんなの、この風は?」
歩けない、いや立っていられないようになった。もはや暴風並である。
(B)「うっ、何、どうして?」
(Y)「あ、キャーアア!」
竜巻のような風が吹きあがり、3人は空に巻き上げられて、あっという間に見えなくなった。
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