妄想別館 弐号棟


鬼の復活話 その6


ブルーは氷中花のように、氷の中に閉じ込められてしまった。
ベネチアンマスクがキラキラと輝いている。青いコスチュームも美しい光を放っている。
(Y)「うわーブルー、ちょっとぉ!」
イエローはとびつき、氷をバンバン叩くがビクともしない。
ブルーは、芸術品のような置物となって、氷の中で静かにたたずんでいる。
しかし今は氷漬けの彼女にかまっている時間はないのだ。
(G)「イエロー、ブルーは後だよ、このままじゃ・・・」
(Y)「わかってるよ。いい、一緒にやるよ!」
イエローは片側の壁に背中をつけて、足で押し返そうとしている。
グリーンも同じ恰好になって、
(Y)「いくよ!せーのぉ!」
クウウ、ギリギリギリ。
2人は渾身の力で壁を押し返そうとするが・・・何の効果もない。
壁は相変わらず同じ速さ、同じ力で狭まってくる。

ブルーの氷柱が、壁に押されてギシギシと砕けていく。
(赤介)「ほら、氷漬けの女は、手も足も出ないうちにペチャンコだ」
身動きのできない氷中のブルーは、それを知ってか知らずか?
グリーンは鬼を睨みつけて「だまれうるさい!」と怒鳴る。
『手も足も出ないうちに、ブルーはペタンコになる運命のようである』
と、思われたが、氷の方が先に押しつぶされて割れてしまった。
バキバキと氷が砕け、ブルーが転げ出た。
「チェッ、残念!」と、鬼たちの舌打ちが聞こえる。
(Y)「ブルーぅ、大丈夫かい」
(B)「ぜ、全然ダメだよぉ・・・」
彼女はペタンコすわりで震えている。完全に戦意喪失だ。
ブルーが弱気とは珍しい。が、今はそれどころではない。
(G)「早く早く!あんたも手伝ってよ」

ブルーは立ち上り、3人一緒になって壁を押し出すが・・・
鬼は面白そうに見ている。おっと、もう壁の幅は50センチもない。
もはや3人は、挟まれて体をよじることもできなくなっている。
「うわ、動けないよぉー」と、グリーンが悲鳴を上げた、
(Y)「フェェ、グ、グ、あきらめないで!」
(B)「ウグッ、で、でも、どうすればいいのぉー」
(Y)「それは、うぇー、苦しぃ!」
天は彼女たちに味方しなかった。
ついに「ギャー、く、苦しぃ」「ウワーァ、ダメ、イヤダー」「アアッーつぶれるぅ」という断末魔の叫び声が!
同時に『グワシャン』と、彼女たちがつぶれる音がして、静かになった。
鬼たちは興味深そうに、ペッタリ閉じた壁の割れ目をしばらく見ていたが、
「もう、そろそろいいだろ。女たちは完全にペチャンコだ。壁を開けてみろや」

『ガガガ』と、壁が再び開き始めた。
3人は『ペッタンコ!』になって、完全に壁に貼りついている。
ベネチアンマスクも無残に折れ曲がり、傷だらけになって落ちている。
こんな破損のしかたは初めてだろう。
マスクが取れたので彼女たちは素顔を晒している。
壁に押しつぶされた瞬間の表情が如実に現れている。
夏美と碧は、目や口を開いて苦しそうだが、美穂はなぜか、笑っているような顔になっていた。
(赤介)「なかなかいい顔してるじゃないかよ」
(黒彦)「よしよし、すぐに食ってやるからな」

「どれどれ。それじゃこの緑色から」と、赤介が夏美をベリベリとはがす。
薄くペッチャンコになった夏美は、布のようにピラピラとはためいている。
(黒彦)「うまい具合につぶれているな」
(青之)「ああ、ちょうどいい厚さだろ」
洗濯したシャツのように両の肩を持って、パンパンと伸ばすように引っ張る。
続いて碧と美穂も壁から引きはがされた。
青之が碧の手足や胴体をグイグイ引っ張り、さらに薄く伸ばしながら、
(青之)「でもこいつらさ、全然弱かったじゃないかよ」
いやいや鬼が強すぎたのだ。

(青之)「ツバーンが何か言っていたな」
ベネチアンマスクと戦闘コスチュームは回収してくれとか。
素材を調べて、うまく量産できるようなら売り出すつもりのようだ。
(青之)「面倒くせえな」
このままブツ切りにして、食べてしまった方が楽なのだが。
まあ約束なので仕方がない。
(赤介)「着ている物を脱がすぞ」
頭をつまんでぶら下げて、ブルーのブラとボトムに爪をかけて、ビリビリとはがした。
拳銃の玉でもはじき返す、防弾ウエアも、鬼の爪に掛かると簡単に引きちぎられてしまうのだ。
ガントレットもロングブーツも、信じられないくらい簡単に破けた。
(赤介)「これも結構うまそうなんだがな」
(黒彦)「食うなよ、別の皿に取り分けとけ」
ブルーのウエアが別皿の上に載せられた。次にはイエロー、そしてグリーンと。
大皿の上には、ボロきれになり果てた、戦闘コスチュームが山盛りとなっている。

そしてメインの肉の下ごしらえだ。
黒彦が大きなステーキナイフを持ってきた。
平たい岩の上に、ベラベラとなった夏美が広げられた。
真っ裸のあられもない姿で、ペロンとひろがっている。
黒彦は頭をまず切り落とした。
腹のあたりを軽く押さえつけながら、太ももの付け根にナイフを入れる。
右脚をスーッと切り落とした。
骨ごと豪快に、しかも手際よくさばいていく。
切った左脚をわきによけて、右腕左腕を肩のあたりからスパッと。
夏美は気持ちいいくらいスイスイと解体されていく。

頭、腕、脚は胴体部分から切り分けられた。
(黒彦)「さてと、細かく分けるぞ。まず手足からだ」
右脚を岩に置くと、スイスイとナイフを入れて、一切れ、二切れ、三切れ。
(青之)「いつ見ても見事な手さばきだよな、兄貴は」
足首、脛、太ももと、適当に切っていって、右脚だけで十数枚に卸した。
今度は左脚。続いて右腕、その次に左腕も。
「指も別に切り分けておくかな」
手首を見ていたが、夏美の長い指も根元から切り落とした。
ソーセージのようなった一本をつまんで、
「少し細かく切りすぎたかな?」
頭を持ち上げて、ピラピラと振りながら考えている。
「これは、どう切るかな?」
結局、縦横にナイフを入れて十枚くらいに切り分けられた。
これで、食べやすい大きさになった。
鯛のアラ、御頭おかしらのようになっている。
皿の一番上に載っかっている片方の目玉、黒彦を睨んでいるようだ。

「よし胴体だぞ。一番おいしい部分だ」
頭手足のなくなった、ヒョウタンのような胴体を岩に置き、
「よく見てろよ。胴体はこう捌くんだ」
まるでウナギをさばくようだった。
両ワレメを押さえる。
包丁を入れやすいのだろう、夏美の大事な所にザクッとナイフを立てた。
ワレメの一本腺の上、へそ、おっ〇いの間を通り、首の真ん中に向かってスーッと引いた。
胴体はきれいに2枚に分かれた。
この2枚を重ねて縦にスーイスイと引いて行く。
あっという間に、程よい大きさに切り分けてしまった。
バラバラになった夏美が皿に盛られている。
ほとんどが地肌部分の、肉色、滑なめらかなスベスベ肉である。
それに混じって、目、髪の毛、乳輪乳首、へそ、そして爪などは、模様肉になっている。
「一丁あがりぃ。さあどんどんいくぜ」
と、いう具合に、美穂も碧も解体されてしまった。
数枚の大皿が、山盛の肉であふれんばかりだ。




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