伝説の美魔女 その3
(祥子:えらいことになってしまったわ)
用意されてきたのは、やはりビキニの水着であった。
(祥子:えぇぇー、これを着るのぉ)
しかし祥子の不安とは対照的に、他の3人はルンルン気分のようだ。
あっという間に着替え終えて、袖の所ではしゃいでいる。
(祥子:・・・・・)
しぶしぶ着替え終えた。
そして4人はバスタオルを体にまいてステージに出てきた。
(司会)「はい、では、バスタオルをとってください」
ファッションショーの水着審査も研究しているのだろう。
3人の娘はいかにもさりげなくバスタオルを外した。
(祥子:はずかしいなぁ。あっ)
祥子は手際が悪い。
少しあわてて、バスタオルを落としてしまった。
さてさて、
4人とも水着姿になったが、日ごろの努力こそがものを言う。
祥子の肌の色が4人の中では一番健康的で自然に見える。
3人娘は当てが外れて、少し唖然として見とれている。
5人の回答者や観衆も、誰が50代だかまったく見当がつかずざわついている。
(司会)「では、1人ずつ順番に客席のところまで行って戻ってきてください」
(祥子:ったく、水着のファッションショーか)
観客の間近で素肌を見せることになるがしかたがない。
度胸を決めて、背筋を伸ばすと、ゆっくりと客席に向かって行った。
客席の男どもは射るような視線を浴びせてくる。
(祥子:な、なによ、まったく)
化粧やローションの類をつけてごまかしていないか。
素肌の状況を探ろうと、穴が開くように見つめているが、
(祥子:そんなもの、つけていませンよーだ!)
だが視線の先はそれだけではない。
胸元や水着のボトムにはそれ以上の視線が浴びせられているのに気が付いた。
(祥子)「い、いやらしいっ!」
思わず『キャッ』と叫んで胸元と股のことろを手で隠してしまった。
そのしぐさが、かわいく見えたのか『かっわいぃ』と声が上がった。
るいと薫も優雅に歩き終え戻ってきた。
その後ステージ上で質問がいくつかあったが、祥子はもう、上の空である。
(祥子:早く終わらないかなぁ)
3人娘はずっとモデルのような振る舞いだったが、祥子はもじもじと体をくねらせたり隠したりであった。
質問タイムも終わり、回答の時間となった。
(司会)「さあ、それではズバリ、50代はどなたでしょう」
結果は、4番、1番、3番、1番、4番となった。
(祥子:えっ!本当に!)
そう思うと同時にホッとした。
(司会)「では正解です。50代の方、一歩前に出てください」
祥子が前に出ると、会場から「えーっー」と悲鳴のような声と拍手が起こった。
(祥子)「どうもありがとう」
祥子はうれしかった。
(祥子:わたしもまだまだ捨てたもんじゃないんだな)
名前の紹介があり、簡単な自己紹介をして、景品の授与があり、ほぼイベントは終わりかけたのだが・・・これで終わりにはならなかったのである。
突然3番の酔っぱらいが、立ち上がり大声で叫んだ。
(3番)「恐れ入りました」
(司会)「はい?」
3番の回答者はステージの下までくると土下座をした。
(3番)「お願いです。自分はあなたの魅力に惚れました。願わくばヌードを見たいのです」
会場は一瞬『シーン』となった。
祥子はギョッとして耳を疑った。
(3番)「ちょっとだけでいいですから」
(祥子)「は?え?な、何を言ってるんですか。私はいやですよ」
と、言いかけた瞬間、隣にいた3人娘が拍手をしだした。
50歳のオババに負けた腹いせをするかのように、
見ていても痛そうなくらい、思い切り手をたたいている。
どうやら祥子は彼女たちのあふれる自信を微塵に打ち砕いていてしまったようだ。
すぐに会場中からも割れるような拍手が起こり始めた。
(祥子)「え、え、えーっ、ちょっと待ってよ」
(薫)「堂々としてくださいよ。見苦しいですよ」
(祥子)「え?」
(なつみ)「観衆が見たいと言ってるんですよ」
(るい)「もちろん私たちも見たいです」
(祥子)「え、だってぇ」
会場からの大拍手の音量はどんどん大きくなっていく。
なかなか鳴りやまない。
いや、鳴り続けているのだ。
(祥子)「やめてください。え、ちょっとぉ、え、いやですって。そんな」
椅子に座っていた観衆の何人かが祥子のすぐ前に出てきて土下座をした。
(祥子)「な、なんなんですか?」
ゆっくりと神様をあがめるような動作で仰ぎ始めた。
(祥子)「あ、あのぉー。ちょっとやめてよー」
賞品ももらってしまったし、雰囲気的には断りにくくなっている。
(祥子)「えーーーー!」
3人娘はヒソヒソ話をしていたが、笑いながら、
(るい)「そんなにお美しいんですもの、祥子さんの大事なところも是非見せてくださいよ」
(祥子)「えー、そ、そんなこと言われても」
(なつみ)「そうですよ。ぜひ美魔女の女性器を拝見したいわ」
祥子はだんだん頭がクラクラしてきた。
(祥子)「えー、あなた、女性器を拝見って、こんな大勢の前でそんな恥ずかしい事できないわよ」
めまいもしてきた。
(薫)「謙遜しないでくださいよ。お肌はおきれいなのに。それとも大事なところはお手入れしてないのかな」
(祥子)「いえ、そういう問題ではなくてね」
(薫)「じゃあぜひ見せてほしいわ」
(祥子)「えーそんなぁ」
ドキドキと胸が太鼓のように打っている。
混乱気味になり、口が勝手に動いてしまう。
(祥子)「て、手入れは毎日しているわよ。でもでも、えーと、見せられるものじゃないっ」
言葉がうまく出てこない。
(なつみ)「なんだぁ。手入れはしているけど、大事なところはやっぱり古ぼけて見せられないんですね。ホホホ」
こんどはカチンときた。
(祥子)「ひどい、なんてこと言うの。いいわ、わかった」
おもわず口走ってしまったのだが、
(祥子:あ!しまったぁ)
慌てて取り消そうとしたが、間髪を入れずに「さすが祥子さん」と薫が叫び、
3人はさらに拍手を大げさにしだした。
取り消すタイミングを逸してしまった。
(司会)「こんな状況になってしまったので、ちょっとだけでいいのですが・・・ね、お願しますよ」
(祥子:あたし大丈夫だろうか。うまくのせられたような)
祥子は下を向きながら小さな声で「はい」と答えた。
会場は大騒ぎでさらなる大歓声が起きているが、頭の中は『ジー』という変な音がしている。
自分の全裸が観衆の真ん中でさらされているところを想像した。
会場の視線はすべて自分のお〇ぱいとおマ〇コに集中している。
(祥子:私は50歳なんだぞ。あーぁぁぁー)
(司会)「あの、大丈夫ですか」
ハッとして、
(祥子)「じゃ、じゃあ用意してくるからちょっと待ってて」
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